映画「ラストサムライ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|エドワード・ズウィック

映画「ラストサムライ」

監督:エドワード・ズウィック 2003年12月にワーナー・ブラザースから配給

ラストサムライの主要登場人物

ネイサン・オールグレン(トム・クルーズ)
本作の主人公。元北軍の士官で階級は大尉。南北戦争で虐殺に加担させられた為、良心の呵責に悩まされトラウマを負っている。射撃の腕がいい。

勝元盛次(渡辺謙)
不平士族の領袖。急激な近代化に走る明治政府に対し反乱軍を率いて抵抗している。絵に描いたようなサムライ。

氏尾(真田広之)
勝元の家臣。サムライたちのリーダー格のひとり。厳格なサムライ。

たか(小雪)
盛次の妹。手傷を負い捕虜となったオールグレンの世話を命じられる。彼女の夫は戦場でオールグレンに殺されている。

大村松江(原田眞人)
実業家にして日本の大臣。野心を持っており日本の近代化を推し進める。

ラストサムライ の簡単なあらすじ

荒んだ生活をしていたネイサン・オールグレンは請われて日本の軍の教育役をつとめます。

十分な訓練をする間もなく出動し敗戦。

オールグレンは捕虜になってしまいます。

捕虜生活の中で勝元らとしだいに打ち解けサムライの持つ精神世界に影響を受けていきます。

解放後、明治政府の軍と勝元の反乱軍が戦うことになると勝元と共に戦うことを選び最後まで戦い抜きオールグレン以外は討ち死にとなります。

そして勝元の生きざまと遺刀を渡すために明治天皇の前に現れたのでした。

ラストサムライ の起承転結

【起】ラストサムライ のあらすじ①

発展するサムライの国、日本へ

南北戦争の英雄のネイサン・オールグレンは戦時中に命令により虐殺行為に加担させられ、そのトラウマから悪夢に苛まれて荒んだ生活を送っていました。

そんな折僚友のゼブロン・ガント軍曹に出会い、日本の大臣である大村松江のもとに案内されました。

そこにはかつて虐殺行為を命じた上官、ベンジャミン・バグリー大佐もいました。

彼らの話は日本の軍の教育役を依頼したいということでした。

大金を条件に了承したオールグレンは日本に渡り軍の訓練を指揮することになりました。

そんな中、勝元率いる反乱軍が鉄道を襲撃したとの知らせが舞い込みました。

練度が足りないと出動に反対するオールグレンでしたが、やむを得ず出動の命令が下ります。

オールグレンの危惧した通り訓練の不十分な兵士たちでは戦いに慣れたサムライたちの勢いには太刀打ちできず、僚友のガント軍曹も討たれて軍は散り散りになってしまいました。

オールグレンも手傷を負いながらも孤軍奮闘するが最後には捕らえられてしまいます。

【承】ラストサムライ のあらすじ②

サムライの村、心の平穏

捕虜として捕らえられたオールグレンは勝元の意により生かされ、彼の息子である忠信の村に連れてこられました。

そこで勝元の妹のたかに治療と世話をされてトラウマの悪夢に苛まれながらも次第に回復していくのでした。

村を徘徊できるほど回復すると日本の古きよき生活を感じ取るようになります。

そんな折、目に入ったたかの息子の飛源と剣術の真似事をしていると勝元の家臣の氏尾に見咎められ完膚なきまでにやられてしまいます。

そんなことがあっても不思議な魅力のある村の生活を続け、徐々にサムライたちの精神性に魅せられていきました。

勝元もまたオールグレンに不思議な魅力を感じていました。

オールグレンは村の暮らしに馴染むようになっていき次第に村人たちも心を開いていくようになりました。

そして、たかへ夫を殺したことを謝罪し彼女も戦での死として受け入れ彼を許しました。

その後も生活を続け訓練と穏やかな生活の中で悪夢も乗り越え、氏尾との訓練での手合せで相打ちとなったことでサムライ達からも認められるようになりました。

穏やかな生活が続いたある日、祭りの最中に大村が差し向けた刺客に村が襲われ、犠牲を出しながらも村のサムライ達と共闘しこれを撃退することができました。

【転】ラストサムライ のあらすじ③

時代の流れとサムライ

冬が明け政府に呼び出された勝元一行は東京へ向かいオールグレンもそれに同行しました。

東京へ到着した勝元は元老院へ向かいオールグレンは来日時に通訳をしていたサイモン・グレアムと再会します。

直後、忠信と横柄な態度の兵士とのいざこざを目にします。

仲裁に入るも兵士はオールグレンの立場を理解しておらず、暴力的に彼を抑えたことに反撃しようとする忠信をオールグレンは静止し、忠信は刀とまげを取られてしまいました。

一方勝元は廃刀令を承知の上で刀を持参し元老院に現れ、明治天皇に命令を仰ぐがかなわず大村が元老院を牛耳っていることに落胆します。

そして勝元は東京の別宅で謹慎処分となりました。

その後オールグレンは大村からの軍の指揮官就任のオファーを受けますがこれを蹴り、帰国の準備をします。

オールグレンに不信感を持っていた大村は彼に刺客を差し向けるがオールグレンはこれを返り討ちにしました。

そしてグレアムの協力のもと、勝元を謹慎先から逃がすためにオールグレンと村のサムライたちは決起しました。

逃走の際、勝元の息子である忠信が殿を務め命を落とすもなんとか村へ帰還することができました。

そしてサムライの時代の終わりを感じ取った勝元は戦によって死ぬことを選び明治政府軍と戦う事を決め、オールグレンもまたそれに同行することを決めます。

【結】ラストサムライ のあらすじ④

最後の戦い、サムライの魂

オールグレンと反乱軍は村で最後の戦いの準備をします。

飛源から戦う理由を問われたオールグレンは「愛する人を殺すから」と答えを返し大切な人たちを守るために戦うという決意を固めます。

そして戦いへの出立の日、たかはかつて夫が使っていた朱塗りの鎧を着て行って欲しいと進言しオールグレンを送り出しました。

勝元と共に現れたオールグレンに驚くバグリー大佐でしたが勝元に降伏勧告を突き付けました。

当然これを勝元は跳ね除けます。

そうして始まった戦いでは訓練を重ね榴弾砲をも備えた政府軍指揮官である大村の油断に付け込み、誘い込み戦法で反乱軍は政府軍に牙をむきます。

一時撤退を余儀なくされた政府軍を追い込む反乱軍ですが策はそこで尽き被害も甚大、あとは突撃して散るだけでした。

政府軍も最新式のガトリング砲を取り出し反乱軍の騎兵を迎え撃ちます。

オールグレンはバグリー大佐を討ち取るもガトリング砲の前にサムライたちは次々に倒れ、オールグレンと勝元も遂に落馬してしまいます。

もはや致命傷の勝元はオールグレンに介錯を望みオールグレンもそれを受け入れ、その望みを叶えました。

息を引き取る間際、満開で散っていく桜をみて「すべてパーフェクトだ」と残しこと切れました。

しかしそれを見ていた兵士たちはサムライの高潔さをその胸に刻み、涙をながしながら跪き、頭を垂れて敬意をしめしました。

その後、唯一生き残ったオールグレンは明治天皇に謁見し、勝元の遺刀を渡すと「死にざま」を教えてほしいという明治天皇に「生きざま」を語るのでした。

ラストサムライ を観た感想

ラストサムライは日本を描いた外国の映画ですが、洋画でよくありがちなファンタジー的な日本ではなく時代考察なども含めて日本と侍、武士道を正しく理解して描かれている映画だと思いました。

大河ドラマをハリウッドの規模で作ったような感じで日本人の俳優も時代劇に出ていた方が多いため殺陣シーンは動き、映像共にとても迫力があります。

また、一部で日本語で会話をするシーンもあり日本人なら是非吹替だけではなく字幕でも見てほしい作品です。

日本の古き良き精神性や高潔さが描かれていて、どれだけ時代が流れても失いたくない日本人らしさを感じました。

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