映画「コドモのコドモ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|萩生田宏治

コドモのコドモ 萩生田宏治

監督:萩生田宏治 2008年9月にビターズ・エンドから配給

コドモのコドモの主要登場人物

持田春菜 (甘利はるな)
本作の主人公。小学5年生。幼なじみのヒロユキとくっつけっこをして妊娠。

吉田美香 (伊藤梨沙子)
春菜の同級生。しっかりものの学級委員でいい子ぶっているように見られている。

鶴巻ヒロユキ (川村悠椰)
春菜の幼なじみ。大人しく優しい性格。

コドモのコドモ の簡単なあらすじ

春菜は、幼なじみのヒロユキにならなんでも話せると思っていて、一緒にいると落ち着く相手でした。

ある日、春菜はヒロユキと公園で遊んでいる時、興味本位でくっつけっこをしてしまいその後妊娠してしまいます。

だんだんお腹が出て来て春菜は妊娠していると自覚しますが、まさか小学生が妊娠しているとは周りは思わず相手にされません。

しかし、祖母だけは春菜のことを理解してくれましたが、その祖母が突然入院してしまい…。

コドモのコドモ の起承転結

【起】コドモのコドモ のあらすじ①

 

くっつけっこ

ちょっと気の強い性格の春菜は、ごく普通の小学5年生です。

春菜の小学校は田舎特有のよそ者に厳しい点があり、春菜のクラスの担任・八木が東京からやってきた先生ということで保護者から信用されていませんでした。

春菜は友達が習い事で忙しくなり、姉からは邪険にされ退屈になり、幼なじみのヒロユキと遊びます。

ヒロユキが公園で立ちションしていると男と女の違いの話になり、興味本位でくっつけっこをしようと春菜から誘ってしまうのでした。

春菜は将来なりたいものを作文に書く授業で、「ストレートロングの人になりたい」と書き仕事の話だと注意され書き直しを要求されます。

同級生のミツオは、家が産婦人科で八木先生が「赤ちゃんを作ることは素晴らしい」と作文を読み上げるとみんなから「エロ」とからかわれます。

しかし、その作文はミツオの書いたものではなく、ミツオは家を継ぐことは考えていなくて人間から人間をとりあげるのはグロいと考えていました。

【承】コドモのコドモ のあらすじ②

 

春菜の孤独

八木先生は子どもたちのことを思って、性教育をしようと考えますが、他の先生たちは寝た子を起こすと保護者から言われると反対します。

八木先生は命の大切さと自分を大切にすることを子供たちに知ってもらいたいと考えていました。

その頃春菜は、姉・秋美が友達の朋子にお金を渡しているところを見てしまいますが、後でそのお金は母から取ったもので妊娠した友達にカンパしていたのです。

八木先生の性教育は、人形を使って行われた具体的なもので、他の生徒たちは「エロ」といいふざけていますが、春菜はそれがくっつけっこだと気が付きます。

春菜は、朋子の赤ちゃんのためにお金を渡し、産むためのお金ではなく中絶するためのお金が必要だと聞かされますが、自分も朋姉ちゃんと同じと答えます。

一方、八木先生は、性教育をしたことで保護者たちから反感を買い、子どもを産んでない先生はダメだと非難されてしまいます。

春菜は八木先生にお腹の中に命のもとがあると妊娠を訴えますが、ふざけてそういうことを言ってはいけないと注意されるのでした。

【転】コドモのコドモ のあらすじ③

 

信じてくれた友だち

夏になり春菜のお腹は目立ってきて、おばあちゃんは春菜の栄養を気にしますが、他の家族は冗談として受け流します。

春菜はいつしか同級生のダイゴを好きになっていましたが、ヒロユキとは相変わらずなんでも話せる間柄です。

赤ちゃんがいたらどうする?とヒロユキに聞くと面白いと言ってくれるのでした。

逆にとても仲が良かった珠ちゃんと真由ちゃんとは、春菜がお腹に赤ちゃんが居ると言っていることで距離ができてしまっていました。

一人でお祭りに行った春菜はつわりで吐いているところを美香に見られてしまいますが、そのせいで赤ちゃんがいることを信じてもらえます。

それから美香のお節介が始まり、美香は本で春菜の体を調べてくれて中絶を勧めてくれますが、春菜は美香が大人に言いたいだけだと思い話を聞きません。

美香は春菜のお腹の子の父親がダイゴだと勘違いしますが、そのダイゴは春菜がヒロユキの家で遊んでいることですぐに父親がヒロユキだと理解します。

美香は思い切って八木先生に相談しようとしますが、話す前から否定されてしまうのでした。

その後春菜は劇の稽古中に倒れてしまい、クラスのみんなも春菜に赤ちゃんがいることを信じてくれて、珠ちゃんと真由ちゃんとも以前のような関係に戻りました。

【結】コドモのコドモ のあらすじ④

 

クラスメイトが一丸となり出産

そして冬になり春菜の不安はどんどん増していきますが、おばあちゃんだけは春菜に赤ちゃんがいると元から思っていて驚きながらも「偉い」と味方になってくれます。

出産予定日まであと1か月となり、おばあちゃんは「赤ちゃんが産めない体には赤ちゃんは出来ない」と言ってくれました。

さらにおばあちゃんからお母さんに話してくれると約束してくれましたが、そんな優しいおばあちゃんは突然入院してしまいます。

お母さんはさらにあわただしくなり、春菜の不調に気が付かず、春菜はとうとう陣痛がきてしまうのでした。

美香たちは、畑の物置きに春菜を休ませますがついに破水してしまい、ヒロユキを呼び出し、他の同級生も駆け付けます。

産婦人科のミツオの父も捕まらず、どうしたらいいか分からなくなっていた時ミツオが出産時の呼吸法を教えてくれて子宮口を見てくれるのでした。

ミツオが赤ちゃんを取り上げ、産声をあげない赤ちゃんをみんなでさすってやっと産声が聞けました。

おじいちゃんに赤ちゃんを気付かれ、八木先生と両親にもバレてしまい、ミツオのお父さんの産婦人科で検査します。

そして、保護者会が開かれ親たちは八木先生と春菜を責めますが、八木先生は子どもに罪は無い自分の責任だと答えました。

春菜はヒロユキに結婚することになるのかと聞くと、実感はないけれどお父さんは出来ると答えます。

しかし、ヒロユキの母はこの事実を受け止めることが出来ず、マスコミにも嗅ぎ付けられ引っ越しをすると言いだし、そんな中おじいちゃんは「子どもは宝だ」と言ってくれました。

横暴だった八木先生は生徒たちに謝り、出産の状況を話して欲しいとお願いすると出産に立ち会った生徒は興奮し時には涙し、その時のことを報告してくれました。

そして、八木先生は生徒たちを褒めてくれたのでした。

1年が経ち、ヒロミの誕生日会にクラスメイトが集まると、ヒロユキが父親と訪ねてきてヒロミを抱いてくれました。

コドモのコドモ を観た感想

主役の子が、子どもの頃の鈴木杏さんを彷彿し懐かしさを感じます。

田舎特有の圧力のせいで八木先生は追い詰められしまったと感じますが、そのせいで生徒達は共通の敵の心理で一丸となったとも思います。

春菜とヒロユキの関係性が初めから夫婦っぽく感じますが、本当に好きなのはダイゴで、ダイゴも春菜に対して理解があるのが子どもの恋愛よりも友情の世界観なんだと感じました。

春菜の母はいくら畑が忙しいとはいえあのお腹に何も思わないのが不思議で、さらに出産の際、子どもの汚いであろう手で生まれたての赤ちゃんを触るのに映画とはいえそれはないんじゃないかと思いました。

14歳の母などが好きな人はハマる映画だと思います。

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