映画「秒速5センチメートル」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|新海誠

映画「秒速5センチメートル」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|新海誠

監督:新海誠 2007年3月にコミックス・ウェーブ・フィルムから配給

秒速5センチメートルの主要登場人物

遠野貴樹
本作の主人公。物静かで優しい性格。

篠原明里
本作のもう1人の主人公。転校先の小学校で貴樹と出会い、恋に落ちる。

澄田花苗
貴樹が通っていた種子島の高校の同級生。サーフィンに夢中になっている。貴樹に好意を寄せている。

秒速5センチメートル の簡単なあらすじ

幼い頃から、親の仕事の都合で転校を繰り返す生活を送っていた遠野貴樹。

そんなある日、東京にある小学校で自分と同じく親の仕事の都合で転校して来た同級生の篠原明里と出会います。

貴樹と明里は、お互いに似た者同士であることを感じ、同級生たちと馴染めない中で急速に打ち解けていきます。

しかし、中学校入学を目前に、明里が引っ越すことになり2人は離れ離れになってしまうのでした。

秒速5センチメートル の起承転結

【起】秒速5センチメートル のあらすじ①

儚い恋の始まり

遠野貴樹は、親の仕事の都合で度々転校を経験しながら、東京にある小学校に通っていました。

小学校4年生になった貴樹は、静岡から転校して来たという篠原明里という少女と同級生として出会い、登下校の時間をともにしながら空や宇宙に関する知識を話すなどして、交流を重ねていきます。

2人の仲の良さを見た同級生たちから、嫌味のこもったからかいを受けることがありながらも、2人は学年が上がっても変わらずお互いに支え合いながら学校生活を送っていきます。

さらに、2人は今後も一緒に過ごして、小学校の同級生たちと離れてより楽しい中学校生活を送るために、私立中学校を受験することを決めます。

2人は、私立中学校に合格するために、これまで以上に時間をともにしながら勉強に励み、無事に私立中学校に合格することができました。

ところが、明里は父親の仕事の都合で栃木県の中学校に行かなければいけなくなってしまいます。

2人は、涙ながらに電話で言葉を交わすのでした。

【承】秒速5センチメートル のあらすじ②

束の間の幸せと切ない別れ

貴樹は、明里と一緒にいられなくなったことによる喪失感を紛らわそうと、進学先の中学校で友人たちとの時間や部活動での時間を謳歌し、忙しい中学校生活を送っていました。

そんな中、明里から近況報告の手紙が届き、貴樹は改めて明里が自分にとってかけがえのない存在であることを実感し、定期的に手紙のやり取りをするようになります。

それぞれの中学校生活に関して手紙を通して打ち明け合いながら、貴樹と明里は直接会えない中でもお互いを支えにして毎日を過ごしていきます。

しかし、貴樹は親の仕事の都合で中学2年生に上がることを機に、東京から種子島に引っ越すことが決まってしまいます。

貴樹は、明里と相談して平日学校が終わった後に、明里の家の最寄り駅に貴樹が行く形で久しぶりに会うことを決めます。

途中で大雪に見舞われながらも、電車を乗り継いで数時間かけて明里のところに辿り着いた貴樹。

久しぶりの再会で直接話せることに幸せを感じつつも、思うように会えなくなる今後を考え悲しみに暮れつつ、2人は別れるのでした。

【転】秒速5センチメートル のあらすじ③

届かない初恋

種子島の高校に通う澄田花苗は、姉の影響もありサーフィンの練習に明け暮れる毎日を送っていました。

そんな花苗は、中学校の時に転校してきて同じ高校に通っている貴樹に片想いをしていました。

貴樹と下校のタイミングが一緒になった時には時間をともにするなどして、高校では違うクラスながらも貴樹と交流を深めていきます。

花苗は、サーフィンに情熱を注ぎながらも、貴樹の優しさや大人びた表情などにますます良さを感じて、恋心を募らせていきます。

それから、サーフィンで上手く波の上に立つことができたら、貴樹に好意を持っていることを伝えようと決めた花苗。

なかなか波の上に立つコツが?めず、苦戦する毎日を送っていた花苗。

それでも、毎日欠かさず練習を重ね、波の上に立つことができた花苗。

学校帰りに部活動を終えた貴樹と合流して、いつものように下校の時間をともにしながら、気持ちを伝えるタイミングを伺います。

しかし、貴樹が自分を恋愛対象として見ていないことを悟ってしまい、大粒の涙を流しながら貴樹への気持ちを断ち切るのでした。

【結】秒速5センチメートル のあらすじ④

希望をもたらす再会

貴樹は、大学進学を機に種子島から東京にやって来て、一人暮らしをすることになります。

理学部で勉強を重ねながら、友人たちと過ごしたり、アルバイトを通して出会った女性たちと交際したりする大学生活を送ります。

しかし、女性たちとの交際は長く続かず、いつも喧嘩別れという形で恋を終えることになってしまいます。

その後、貴樹はIT関連の会社に勤務することになり、新しい部屋に引っ越してエンジニアとして数年間仕事に没頭する毎日を送ります。

そんな中、束の間の休日で、仕事を通して出会った水野理紗という女性と偶然再会し、お互いに居心地の良さを感じてゆっくりと距離を縮めていきます。

それから、理紗と付き合い恋人として休日を中心に穏やかな時間を過ごした貴樹ですが、少しずつすれ違いが生じて別れることになってしまいます。

そして、会社を辞めてフリーランスのエンジニアとして働き始めた貴樹。

休日の昼下がりに桜に彩られた踏切の近くを歩いている時、女性とすれ違います。

貴樹は、その女性が明里であることに気づきながらも、言葉を交わさずに新たな気持ちで歩みを進めるのでした。

秒速5センチメートル を観た感想

「秒速5センチメートル」を観て、「2人を引き裂く非情な運命」と「大人になることによる変化」が特に魅力的だと思いました。

まず、2人を引き裂く非情な運命についてです。

貴樹と明里が、お互いに不器用で上手く恋心を持っていることを伝えられないながらも心を通い合わせている中で、度重なる天候というどうしようもない出来事によって会うことさえも叶わなくなってしまうところに、言いようのない悲しさを感じながら観ていました。

次に、大人になることによる変化についてです。

貴樹が、年齢を重ねていくことによって根本の性格は変わらないものの、だんだんと諦めを感じていくなどの変化をしていくところにやるせなさを感じながら観ていました。

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