監督:行定勲 2017年10月7日2017年にアスミック・エースから配給
ナラタージュの主要登場人物
葉山貴司 (松本潤)
高校の社会科教師で演劇部顧問。別居中の妻がいる。
工藤泉 (有村架純)
高校時代の演劇部の顧問の葉山先生に恋をする。
小野玲二 (坂口健太郎)
演劇部を手伝っていくうちに泉に恋をする。
ナラタージュ の簡単なあらすじ
泉は高校時代の顧問の先生のことがずっと忘れらません。
演劇部の助っ人を頼まれて葉山先生と再会します。
相変わらず、自分をどう思っているのかわからない態度をとる先生にモヤモヤします。
先生は離婚していると思っていましたが、そうでなかったと知り、泉は先生を諦め新しく恋人を作ります。
しかし、恋人はいつまでも先生と泉のことを嫉妬し態度が変わっていきます。
そして泉も先生を放っておくことが出来ず恋人と別れます。
先生は妻とやり直す前に、泉と思い出を作りました。
大人になった現在の泉は先生との思い出を受け止め、前を向き始めます。
ナラタージュ の起承転結
【起】ナラタージュ のあらすじ①
現在、社会人の泉は、止まった海中時計を同僚に直してもらいます。
その時計を見て、葉山先生を思い出します。
大学2年の夏、泉は久しぶりに葉山先生から電話をもらいます。
高校の演劇部の助っ人をお願いされました。
泉は、稽古の帰りに社会科準備室をのぞき、葉山先生と二人で話をします。
昔も今も大事なことは言わない葉山先生に泉は「先生は相変わらずですね。」
とやんわり皮肉をいいます。
泉はその後も演劇部の練習を続けていました。
高校時代泉は、いじめにあっていました。
他の先生には理解されず孤独な泉。
しかし、葉山先生だけは泉を信じて気にかけてくれました。
それから泉は葉山先生のいる社会科準備室に顔を出すようになります。
卒業が近づき、泉は葉山先生に恋人がいるか聞くのでした。
すると、葉山先生は泉に話をしようと散歩に誘います。
葉山先生は、別れた妻が自宅庭の倉庫に火をつけたと話し始めました。
泉は「先生の力になりたい。」
と言いますが、「自分の幸せを見つけて。」
とはぐらかされるのでした。
話は大学時代に戻り、泉は、同じく演劇部の助っ人の小野くんとデートをします。
泉のために作った靴を履かせ、抱きしめて告白します。
泉は小野くんを振り切り靴を脱いで帰りました。
そしてまた、先生との高校時代を思い出すのです。
風邪で稽古を休んだ泉を心配し葉山先生が泉の家に来ます。
おかゆとすりりんごを作ってくれました。
恋人を作る気はないという葉山先生にどうして優しくするのか泉は責めます。
泉の気持ちを知っていたけれど「卒業して現実に帰った時に自分が負担になる、君は優しいから苦しむと思った。」
と言い訳しました。
泉は「私のことどう思ってるのですか?」と勇気を振り絞って聞いたのに葉山先生は「今日は帰るよ」とまたもはぐらかすのでした。
葉山先生と泉は同時に卒業式にしたキスを思い出していました。
キスをした葉山先生は「ごめん」と立ち去ったのでした。
【承】ナラタージュ のあらすじ②
泉は葉山先生からのメールの着信に気づきすぐに会いにいきます。
お酒を飲み過ぎたと泉に助けを求めたのでした。
葉山先生は泉に妻のお父さんと会っていたという話をします。
「東京に戻ってくる気はないのか?」と事件のあと責めたことを詫び「娘に会ってもらえないか」と言われたというのです。
そして、「会ってもいいのかな?」と泉に相談します。
さらに「彼女は自分を忘れて違う場所で生きた方がいいと思ってた。
せっかく耐えていたのにどうしたらいいかわからない。」
泉は「何か自分に出来ることは無いですか?なんでもします。」
と葉山先生を見つめるのでした。
「だめだよ。
そんなこと言っちゃ。」
とまたはぐらかされます。
葉山先生の家にあがった泉は気づきます。
葉山先生の家には奥さんとの思い出がそのままになっていました。
葉山先生はお風呂場で泉に髪を切ってもらいます。
「前髪を切るから目を閉じて」と言って泉は葉山先生にキスをするのでした。
しかし、葉山先生は「そんなことをすると君に毛がついちゃうよ。」
と取り合ってくれません。
そして、葉山先生が泉に奥さんと別れたと言っていたために離婚していると思っていたと責めます。
「君に何度も話そうと思っていた。
ごめん。」
と言われ泉は怒りから葉山先生にシャワーをかけます。
そしてまたキスをし、興奮している泉を鎮めるために抱き寄せるのでした。
夜が明け、葉山先生は泉を受け入れるでもなく突き放すでもなく変わらず優しいだけでした。
【転】ナラタージュ のあらすじ③
そして、公演の日を迎えます。
小野くんは泉が葉山先生のことが好きだと気が付いていましたが、公演後自分を待っていてくれた泉を連れて実家に帰ります。
小野くんの実家はみんな優しく泉を歓迎してくれました。
泉は小野くんの優しさに感謝し小野くんと付き合うことに決めました。
そしてすべてを受け入れるのでした。
葉山先生は、時々まだ思わせぶりに泉に連絡をします。
生徒の柚子のことで悩んでいるようでした。
最初は優しかった小野くんでしたが、泉がまだ葉山先生を忘れていないと感じて態度が豹変し、束縛がひどくなっていきます。
ある日、変な人につけられていると感じた泉は小野くんに連絡します。
しかし、小野くんは「困った時だけ頼るなよ。」
となじります。
どうやら小野くんは泉が昔に書いた葉山先生へあてた手紙を勝手に読んでいたようです。
泉の足は葉山先生の家に向かいます。
葉山先生は泉をすぐに心配してくれました。
泉から見ると小野くんと付き合っていると聞いたときも平気そうに見えた葉山先生でしたが、「平気なはずないだろ。」
と言われます。
そして泉のためにタクシーを呼んでくれました。
そして柚子が飛び降り自殺したと葉山先生から連絡をうけ、泉は小野くんと病院に向かいました。
その後一度は小野くんと帰った泉でしたが、小野くんに謝り先生のところに戻りたいと言うと、「どうして俺と付き合ったんだ。」
と責められます。
そして「手をついて謝れ」と言われ泉は言われた通りにします。
小野くんに「離さない」と抱きしめられますが、その気持ちと葉山先生を思う気持ちは同じと言う泉に「靴を脱いで行って」と本当に脱ぐと「履いていけ。」
といいますが、泉は裸足のまま先生の元に向かうのでした。
【結】ナラタージュ のあらすじ④
先生に呼ばれた気がしたと泉はいいます。
柚子は結局亡くなってしまいました。
柚子は知らない男に襲われていてそれを苦に自殺しました。
泉も高校時代にいじめを苦にして自殺したいくらいでしたが、葉山先生に救われたことを思い出していました。
葉山先生は妻に会ってきた後、妻への気持ちを泉に話します。
後悔や妻への想い、そして泉への気持ちも素直に話しました。
泉から頼りにされると気力が戻ってきて会うのが楽しみになっていた。
泉に逃げていたけれど恋ではなかった、でも泉を必要としていたそして救われたと正直に話しました。
妻とやり直す葉山先生に泉は「最後にもう一度先生の家に行きたい」とお願いします。
最後に葉山先生は泉を抱きます。
泉は葉山先生を感じ取ろうと必死でした。
葉山先生は子供の頃出ていく父親からもらった大切な懐中時計を泉にあげました。
泉が帰りに乗った電車を、葉山先生はそっと見送ってくれました。
葉山先生を見つけた泉は涙が止まりません。
そして現代、社会人の泉は同僚から懐中時計に「幸せであるように」とポルトガル語で書いてあると教えてもらいます。
泉は前を向きはじめました。
ナラタージュ を観た感想
ナラタージュとは回想によって過去を再現する手法のことです。
その通りにこの映画は、現在から高校時代、大学時代を回想するストーリーです。
思わせぶりでありながらいつもはぐらかす葉山先生にイライラしますが、泉のイライラモヤモヤが全開になったシーンが、ナラタージュの一番の核のシーンである葉山先生にシャワーを浴びせてのラブシーンです。
見ていてとてもやるせない思いになりました。
結局、恋のようで愛のようで、でもそれだけとは違う葉山先生への想い。
しかし、互いに救われたという気持ちだけは確かです。
好きというより「特別」な人だったのでしょう。
見終わったあともなんとなく胸が痛いです。
キレイな映像がいつまでも頭に残ります。
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