映画「ザ・ギフト(2015)」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ジョエル・エドガートン

ザ・ギフト

監督:ジョエル・エドガートン 2016年10月にロングライド、株式会社バップから配給

ザ・ギフト(2015)の主要登場人物

サイモン(ジェイソン・ベイトマン)
情報セキュリティ会社に勤めている男。仕事ができるイメージだが、利己的である。

ロビン(レベッカ・ホール)
サイモンの妻。子供を流産してから落ち込みがちだが、根はやさしい人物。

ゴードン(ジョエル・エドガートン)
サイモンの高校時代の同級生。サイモンは彼の存在を忘れているが、彼にとってサイモンは忘れられない存在。

ルーシー(アリソン・トルマン)
夫妻の隣人であり、ロビンの良き相談相手

ザ・ギフト(2015) の簡単なあらすじ

ロサンゼルス郊外に引っ越してきた夫婦に、夫の旧友がやたらとプレゼントを贈る話です。

夫の方はこの行為を不気味だと受け止め嫌がりますが、妻は彼の好意を真に受けてしまいます。

旧友の親切は次第にエスカレートするのですが、妻であるロビンは同時に夫の隠れた性格にも気付いていきました。

夫は学生時代、大変意地が悪く、旧友はそのせいで被害に遭った人物だったのです。

夫婦が切に望んでいたのは、子供を授かることでした。

これを知った旧友は復讐の意味も込めて、最高に後味の悪いプレゼントを用意します。

ザ・ギフト(2015) の起承転結

【起】ザ・ギフト(2015) のあらすじ①

豪華だけど無防備なマイホーム

舞台は、アメリカのロサンゼルス郊外の大きな一軒家。

夫サイモンと妻ロビンが引っ越してきます。

この地は、夫サイモンの故郷でもありました。

高級感のあるガラス張りの住居に、夫妻は満足そうです。

以前はシカゴで暮らしていた2人ですが、ロビンが流産したことが理由となり、気分をリフレッシュさせるためにこの地に越してきたのです。

彼らに子供はいませんが、犬を飼っていました。

ある日2人がショップで家具を見ていると、知らない男に声を掛けられます。

サイモンの高校時代のスクールメイトらしく、名はゴードンだと言いました。

サイモンは彼のことを思い出せませんが、なんとかその場を取り繕い、電話番号の書かれたメモを受け取ります。

その後、夫妻宅に1本の赤ワインが届けられました。

添えられたカードから、ゴードンによる贈り物だと分かります。

妻のロビンはこれを喜びますが、サイモンは不審に思いました。

住所も教えていないのに、なぜこの場所が分かったのだろうと思ったからです。

また別の日には、サイモンの留守中にゴードンが訪ねてきました。

ロビンは、何の疑いも持たずゴードンを室内に招き入れます。

子供部屋らしきものを見付けたゴードンに、ロビンは子供はいないと教えました。

また猿のおもちゃを見せ、サイモンが猿を嫌っていることを話します。

ロビンは庭にある池を眺め、魚を飼おうかなと言いました。

ロビンはワインのお礼に、夕食をどうかと尋ねます。

【承】ザ・ギフト(2015) のあらすじ②

ゴードンは何者?

その日の晩、夫妻とゴードンは夕食を共にします。

ゴードンはサイモンを褒めちぎりますが、サイモンは居心地がが悪そうです。

サイモンは人気者で生徒会長だったなど、学生時代の話になりました。

ゴードンは、過去に軍隊にいたことなどを話します。

後日、ゴードンから新たなプレゼントがありました。

玄関先に、魚のえさが置いてあったのです。

池にはコイが泳いでいました。

サイモンはいよいよ不気味そうに、不法侵入だと言います。

しかしロビンはゴードンの好意なのだと、素直に受け止めました。

しかしその後もゴードンはサイモンの留守中に訪ねてきて、あれこれとロビンの世話を焼くのです。

その際にゴードンは、冷蔵庫に貼ってあったメモを目撃します。

それは先日サイモンが書いたもので、ゴードンを見下し茶化す内容のものでした。

ゴードンは、その件について何も言わずに立ち去ります。

ロビンは思い悩み、一連の出来事を隣人のルーシーに相談しました。

その後サイモンが帰宅しますが、彼はゴードンから食事に誘われた様子です。

そこでサイモンはロビンを連れて、ゴードン宅に向かいました。

ゴードンの家は思いの外大きく、豪華な豪邸と言っても良いほどでした。

2人は室内に案内されますが、家族と住んでいる気配はありません。

しかし着いた矢先にゴードンの携帯が鳴り、彼は2人を屋敷に残したまま外出してしまいました。

サイモンは戸惑いを隠せませんが、せっかくなので案内された部屋以外を覗き見します。

子供部屋や女もの洋服を見つけるサイモン。

そうこうしている内にゴードンが戻ってきたので、2人は大慌てでソファに座ります。

ゴードンは、妻とのトラブルがあったと話し、この家は自分の家ではなく妻の実家の財産であることを説明しました。

サイモンはロビンのいないところで、「もう、家に訪ねて来ないでほしい」と伝えます。

ずっと言いたかった言葉を、ついにゴードンにぶつけてしまったのです。

【転】ザ・ギフト(2015) のあらすじ③

知らなかった夫の過去

その後すぐにサイモン宅に異変があります。

まず池のコイが全て、死んでいました。

その上2人の愛犬であるジャングルが、行方不明になります。

きっとゴードンの仕業だとにらんだサイモンはブチ切れ、先日のゴードン宅を訪ねますが、そこには別の住民が住んでいました。

その夫婦は旅行のため、たまたま不在だったのです。

ゴードンはその住民から車をリースしていたため、駐車場への出入りが自由でした。

要は不法侵入だったのです。

サイモンはジャングルが居なくなったことも含め警察に届けますが、証拠が不十分なせいで取りあってもらえませんでした。

しばらくたつと、ジャングルが戻ってきます。

ロビンはホッとして喜びます。

さらにゴードンから謝罪の手紙も送られてきました。

手紙の内容から夫とゴードンの間で、過去に何かあったのではないか?と勘づくロビン。

これらの疲労から、ロビンはずっと止めていた精神安定剤にも手を出してしまいます。

そしてロビンは、サイモンの留守中に気を失ってしまいました。

その後ロビンは、ベッドの中で目覚めます。

サイモンはロビンが薬を再び使用していたことに腹を立てますが、自分のせいだとは思っていません。

ロビンはゴードンにすまないことをしたと、気に病んでいたのです。

その後ロビンは、妊娠します。

長い間子供を待ち望んでいた夫妻は喜び、お祝いのパーティを開きます。

しかしロビンはそのパーティでサイモンの過去を知り、自分はサイモンの一部分しか知らないと確信します。

いろいろ教えてくれたのはサイモンの姉でした。

そこでロビンは、後日サイモンの元クラスメイトを訪ねます。

昔のサイモンは意地悪な人物であり、ゴードンはその迷惑を被っていました。

ゴードンは「上級生の男から性的虐待を受けていた」、というウソのうわさをでっち上げられたのです。

この事件以降、ゴードンの人生は急降下していきました。

【結】ザ・ギフト(2015) のあらすじ④

無事出産、しかし…

事実を知ったロビンは、サイモンに「ゴードンに謝罪して!」と頼みます。

サイモンは後日ゴードンに謝罪しに行きますが、実際は謝るどころかカッとなってしまい、暴力をふるいます。

しかも、ロビンには謝罪したとウソをつきました。

その後サイモンは、勤めている情報警備会社での出世が約束されます。

夫妻が自宅で隣人らを呼びささやかなパーティをしていると、ダニーという男が現れます。

ダニーはサイモンの同僚で、彼からポストを奪われたのだと言いました。

半狂乱になってキレるダニー。

ダニーもまた、サイモンにはめられたのです。

いよいよ自分の夫が信じられなくなるロビンですが、突如陣痛が起こります。

ロビンはその後、ルーシーに付き添われ病院へ行き、男の子を出産しました。

子供は無事出産しましたがサイモンへの警戒心は晴れず、「一緒に家に帰りたくない」と言います。

ひどく落胆するサイモン。

そんなサイモンに追い打ちをかけるように、自宅にはギフトが用意されていました。

その不気味なベビーカーは、ゴードンが用意したものです。

中にはサイモンの家の合い鍵、CD、DVDが入っていました。

DVDを再生するとサルのマスクを被ったゴードンが、気絶したロビンを抱き上げ、ベッドに移す映像が流されます。

ゴードンが、ロビンに手を出したか否かは分かりません。

サイモンは恐れと怒りでふるえます。

ちょうどその頃病院では、ゴードンがロビンにお祝いの花を届けていました。

急いで病院に戻ったサイモンは、そこでゴードンを見かけ驚きます。

その後ゴードンから、サイモンの携帯が鳴りました。

ゴードンはサイモンに、「何もなかったと言ってもらいたいだろう?」と言いました。

また「誰かにもてあそばれるとは、こういう事だ」と言って、電話を切ります。

ザ・ギフト(2015) を観た感想

本作品はホラー映画ですが、これといってグロテスクな描写があるわけではありません。

よって、この映画から得られる恐怖はスリラー作品の恐さに近いかも知れません。

また謎解きの要素も入っているので、ミステリー作品としても楽しめます。

物語序盤から、いかにも怪しげな雰囲気を醸し出しているゴードン。

このゴードン役をジョエル・エドガートンがうまく演じています。

ジョエル・エドガートンはこの映画の監督、脚本も務めているので、自らこの役を買って出たのだと考えて良いでしょう。

ゴードンの行き過ぎた親切の裏にあるのは、リベンジする心でした。

特にラストのオチは強烈で、心の底から怖いと感じさせられました。

ロビンが産んだ子供の父親が、サイモンなのかゴードンなのか分からなくするという手の込んだ仕掛けには、ギョッとさせられます。

低予算で製作されたにもかかわらず、良質な作品だと言えるでしょう。

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