映画「マジック・イン・ムーンライト」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ウディ・アレン

マジック・イン・ムーンライト

監督:ウディ・アレン 2015年4月にロングライドから配給

マジック・イン・ムーンライトの主要登場人物

スタンリー・クロフォード(コリン・ファース)
本作の主人公。ウェイ・リン・スーという中国人に扮して活動する現実主義の人気マジシャン。

ソフィ・ベイカー(エマ・ストーン)
本作のヒロイン。カトリッジ家に出入りする美貌の霊能力者。

ハワード・バーカン(サイモン・マクバーニー)
スタンリーの友人。ソフィの霊能力のトリックを暴くようにスタンリーに依頼する。

ヴァネッサおばさん(アイリーン・アトキンス)
スタンリーの母親代わりのような存在。

マジック・イン・ムーンライト の簡単なあらすじ

現実主義者のスタンリーはウェイ・リン・スーという芸名でマジシャンとして活動し、人々から高い評価を得ていました。

ある日のベルリンでの公演後、友人のハワードが楽屋を訪ねてきました。

そこでスタンリーはハワードからある女占い師の使う霊能力のトリックを暴いて欲しいと頼まれます。

承諾したスタンリーは初めこそからくりを見破ってやろうと意気込んでいましたが、初対面のはずの女占い師ソフィに自身の生い立ちや仕事のことを言い当てられてその能力を信じざるを得なくなり、さらには可愛らしいソフィの魅力の虜になっていきます。

マジック・イン・ムーンライト の起承転結

【起】マジック・イン・ムーンライト のあらすじ①

女霊能力者との出会い

1928年のベルリンでは売れっ子マジシャン・スタンリーの公演が行われていました。

ウェイ・リン・スーという芸名で中国人の格好をして活動しているスタンリーは人体切断、瞬間移動などのマジックを見事に成功させていきます。

ショーが終わった後、古い知り合いのハワードが楽屋を訪ねてきました。

ハワードはスタンリーのマジックを絶賛し、思い出話に花を咲かせつつ、実は頼みたいことがあると切り出します。

夜になってから二人は酒場に行きました。

そこでスタンリーはハワードからとある女占い師が使う霊能力の真偽を暴いて欲しいという依頼を受けます。

最近ハワードの知り合いであるキャロライン・カトリッジの家に若い女霊能力者が取り入っており、子息のブライスはその美貌の女霊能力者に夢中でした。

ハワードは自身がマジシャンであるにも関わらず女霊能力者の使うトリックが全く分からず、そこでスタンリーにからくりを見破って欲しいというのです。

その依頼を受けることにしたスタンリーはヴァネッサおばさんの元を訪れ、その後カトリッジ家へ向かいます。

カトリッジ家に到着したスタンリーはキャロライン夫妻から霊能力者のことを聞き出します。

女霊能力者の名前はソフィ・ベイカーといって、カトリッジ家には母親と共に訪れていました。

そこへタイミングよくベイカー母娘が現れます。

ソフィはスタンリーを一目見た瞬間に波動を感じると言って虚空を見つめ、中国、ベルリンと呟きました。

スタンリーは自分がウェイ・リン・スーであることを知らないはずなのに彼の経歴を連想させる単語を口にしたソフィに驚きを隠せません。

【承】マジック・イン・ムーンライト のあらすじ②

疑惑の交霊会

ソフィの母親はカトリッジ家のグレースと財団設立の計画を立てていました。

そのためなら援助は惜しまないというグレースはソフィに全幅の信頼を置いている様子です。

ブライスもソフィに自作の歌をささげるなど相当入れ込んでいました。

その後、再びソフィと話していたスタンリーはおじさんが溺死したことを言い当てられてまたしても驚くことになります。

ソフィから交霊会なるものが行われると聞いたスタンリーはその会に出席することにします。

交霊会では霊に向かってイェスなら一回、ノーなら二回机を叩くようにと指示したソフィに応えるように机が叩かれたり、蝋燭が宙に浮かんだりと不可思議な現象が起こりました。

さらにその会の後、スタンリーは自分の正体がウェイ・リン・スーであることをソフィに言い当てられてしまいます。

キャロライン夫妻やハワードはソフィの能力を信じかけているようでしたが、現実主義のスタンリーはあの世や霊界の存在を頑なに否定します。

後日、スタンリーはソフィの正体を暴くために二人きりで出かけました。

ソフィはスタンリーの祖父母や母、家のことなど様々なことを言い当て、暴くつもりが逆に暴かれてしまいます。

カトリッジ家へ帰る途中、二人は突然雨に降られてしまい、スタンリーが子供の頃によく訪れたという天文台で雨宿りをすることにしました。

雨が止むと二人は天文台の屋根を開けて月を眺めます。

スタンリーは小さいころは宇宙の大きさが恐ろしいと思っていた、と昔を懐かしみながらソフィに語りかけました。

ブライスは相変わらずソフィに歌を捧げ、定期的に交霊会も行われます。

岩場に泳ぎに行ったり、庭園を訪れたりするうちにスタンリーとソフィは徐々に打ち解けていきました。

スタンリーは今やソフィの能力は本物であると信じきっていました。

【転】マジック・イン・ムーンライト のあらすじ③

根っからの現実主義者

ある時ソフィとスタンリーは舞踏会に出席することになりました。

最初はヴァネッサおばさんをエスコートしていたスタンリーは以前約束したとおりにソフィの手を取ります。

ソフィの能力によって霊界の存在を信じるようになったスタンリーは生きる喜びを感じることができるようになったとソフィに白状しました。

そんなスタンリーを見てソフィはあなたの人生を変えたのは私の霊能力だけかとかまをかけます。

女性としては見ていない、と戸惑ったように返したスタンリーに傷ついた表情を見せたソフィはその場を去ってしまいました。

現実主義者のスタンリーはソフィの魅力は認めていましたが、彼にはオリヴィアという婚約者がおり、合理的で教養があるオリヴィアの方が愛する意味があると考えていました。

それに庶民のソフィは富豪のブライスと結婚するのがより良い生活が送れるし、幸せになれると思っていたのです。

それからしばらく経ったある日、スタンリーは知り合いの新聞記者に頼んで記者会見を開いてもらい、そこでソフィを霊能力者として紹介しました。

その記者会見の直後、スタンリーはヴァネッサおばさんが交通事故に遭ったという連絡を受けます。

慌てて病院に向かうとおばさんは現在手術中とのこと。

スタンリーは待合室で自分が今まで非科学的な存在を信じなかったことを謝罪し、おばさんの無事を神に祈りかけますが、おばさんの無事を願うあまり罠にはまりそうになった、と以前の現実主義的な考えに戻します。

おばさんは無事に一命をとりとめました。

【結】マジック・イン・ムーンライト のあらすじ④

霊能力の真相

カトリッジ家に戻ったスタンリーがおばさんの無事を告げると皆の顔には笑顔が戻り、各々庭に出てくつろぎだしました。

スタンリーも疲れたから少し休むと申し出、部屋にはソフィとハワードの二人が残りました。

幼馴染をはめて良心が痛まない?とやや刺々しく切り込んだのはソフィの方でした。

スタンリーの成功を妬んでいたハワードはスタンリーを騙しおおせたことを喜んでいました。

その瞬間部屋に置かれていた肘掛け椅子が回転しました。

そこに座っていたのは自室に戻ったはずのスタンリーでした。

この一連の出来事は全てスタンリーの成功を妬んだハワードが仕掛けたことで、ソフィにスタンリーやヴァネッサの情報を吹き込み、交霊会ではスタンリーの目がソフィだけに向いていて自分がノーマークなのを良いことに不可思議な現象を起こしていたのでした。

ソフィの霊能力は全て偽りだったのです。

ハワードとソフィの企みを暴いたスタンリーは退院したおばさんの元を訪れていました。

おばさんと会話しているうちに自分がソフィに恋しているということを自覚したスタンリーはソフィに会いに行くことにします。

ソフィはブライスにプロポーズされたことをスタンリーに打ち明けました。

豪華な指輪を日の光に翳しながら心が動かされた、と言うソフィに私がもっと動かそう、とスタンリーは交際を申し込みます。

しかしソフィの答えはノーでした。

結果はどうだったと問うおばさんに見事に振られたよ、とスタンリーは苦笑いします。

合図があればさらっていった結婚したのに。

そう一人呟くスタンリーの声に応えるように何かを叩く音が一回鳴りました。

ハッと顔を上げてソフィ?と問うスタンリー。

また一回。

イェスの合図。

結婚してくれ、とスタンリー。

また一回。

イェスの合図です。

音のする方を振り返るとそこには笑顔のソフィが立っていました。

二人は抱き合ってキスを交わしました。

マジック・イン・ムーンライト を観た感想

偏屈で頑固な男とキュートで可愛い女の子というウディ・アレンお得意の組み合わせは見ていて安定感がありました。

1980年代が舞台ということでカラフルな洋服やジャズ調の音楽がレトロな雰囲気を演出していて良かったです。

主人公のスタンリーは基本的に皮肉屋で嫌味ったらしい男でしたが、ソフィにどんどんほだされていく様子は滑稽でカッコ悪く、でもその美女に振り回されている姿はなんだか少し可愛らしくもあるという人間くさい魅力的なキャラクターでした。

霊能力者ソフィも大変可愛らしく、あの大きな瞳でグッと見つめられたらどんな男でも魅了されてしまうだろうな…と思わせるような吸引力のあるチャーミングな魅力を持つソフィをエマ・ストーンが可憐に演じていました。

ストーリーはテンポの良いロマンティック・コメディでとても見やすく、一時間半があっという間でした。

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