映画「ザ・コア」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ジョン・アミエル

ザ・コア

監督:ジョン・アミエル 2003年6月にギャガ株式会社から配給

ザ・コアの主要登場人物

ジョシュア・キーズ博士 (アーロン・エッカート)
通称ジョシュ。本作の主人公で大学教授で地球物理学を専門としている。

レベッカ・チャイルズ少佐 (ヒラリー・スワンク)
通称ベック。スペースシャトルエンデバーで副操縦士を務めていた。

セルジュ・レベック博士 (チェッキー・カリョ)
通称サージ。ジョシュの親友にして高エネルギー武器の専門家。

エドワード・ブラズルトン博士 (デルロイ・リンドー)
通称ブラウズ。地球のコアへ向かうための船『バージル』の開発者。

コンラッド・ジムスキー博士 (スタンリー・トゥッチ)
地球物理学の第一人者で異常現象の原因となったデスティニー計画の一端を担っていた。

ザ・コア の簡単なあらすじ

あるとき世界各地で原因不明の死者が出たり、鳥たちが異常行動をおこしたり、電子機器の故障などの異常現象が発生しました。

その原因は地球の中心にあるコアが止まってしまったことだと分かります。

コアを再び動かすため各専門家達が地中探査船バージルに乗り込み地球の中心を目指すも様々な障害に仲間が一人、また一人と失われていきます。

困難な状況の中、何とかコアを再び動かし、動力源を失ったバージルもジョシュの機転で地上へ脱出成功します。

コア停止の原因に政府上層部が絡んでいたため、それを正した彼らの功績も闇に葬られるはずだったのですが、凄腕ハッカーであるラットの手により、全世界に正しく彼らの功績が伝えられたのでした。

ザ・コア の起承転結

【起】ザ・コア のあらすじ①

世界規模の異常現象と地球滅亡の始まり

ある日32人の一般市民が一斉に死亡するという異常事態が発生しました。

主人公のジョシュとその親友サージが呼び出され、その関係からジョシュは死亡者の原因は磁場異常によるペースメーカーの誤作動だと言い当てます。

その後ジョシュは異常現象は世界規模で起きており、それらの事態が地球の磁場が失われたことが原因だと気づきます。

その異常は地上のみにとどまらず、ベックが副操縦士を務めるスペースシャトル・エンデバーの計器にも影響を与え動作不良を起こしましたが、ベックの機転とアイバーソン船長の操縦でなんとか河川に不時着することが出来ました。

ジョシュは事態の大きさに自分一人ではどうしようもないと、地球物理学の第一人者で権威もあるジムスキー博士へ調査結果を持ち込み、政府上層部へ事の詳細を伝えるよう願い出ました。

ジムスキー博士はその調査結果を読み込むと事態を把握し、自分が関わった極秘計画にも繋がっている可能性があると気づいたため、ジョシュへ協力することを決めます。

ジムスキー博士によって首脳陣が集められ、そこでジョシュは異常現象が地球のコアが停止してしまったために起きたこと、このままだと一年で地球が滅亡すること、原因は不明で解決する方法がないことも報告します。

しかしジムスキー博士はコアを再び動かす手段があることを知っており、それをなし得る人物へ会いに行くこととなりました。

【承】ザ・コア のあらすじ②

任務遂行のためプロフェッショナルを探せ

ジョシュ達が向かった先に待ち受けていたのはブラズルトン博士という人物で、彼はジムスキー博士とのいざこざを抱えて仲間割れし、辺境で一人『地中探査船バージル』の研究と開発に没頭していた人物でした。

そこでブラズルトン博士に見せられた物は、高周波パルスレーザーと超音波共鳴チューブを組み合わせた誰も見たことがないレーザー式削岩機でした。

それは数秒でぶ厚い岩盤をくりぬくほどの威力で、それを見た一同は一縷の希望を見出します。

またそれに合わせてそのレーザーを当ててもびくともしない物質で、圧力を受けるとエネルギーを生み、強度を増すというアンオブタニウムという素材を使って地中探査船を作れば、地球のコアにたどり着けるだろうという明確な可能性へと繋がりました。

ただその船を製造する間も異常事態は起こり続け、コアを動かすという極秘任務に支障がないよう、情報統制をする必要がありました。

そこに白羽の矢が立ったのが凄腕ハッカーのセオドア・フィンチ…通称ラットという青年です。

政府の重要機関にも易々と侵入でき、インターネット上の情報操作もお手の物である彼ならば、全世界を相手に情報操作ができる人物だと判断されFBIによって確保されました。

彼は自身の起こした詐欺事件やFBIへの侵入も、任務に協力すれば実刑を取り消すという条件をのみ、ジョシュ達に協力することとなりました。

そして地中探査船の操縦士には、スペースシャトルを見事着陸させたアイバーソン船長と河川への不時着が最良だと判断した副操縦士のベックが選ばれます。

【転】ザ・コア のあらすじ③

コアへ向かう一同、明かされる真実

ジムスキー博士は止まってしまった地球のコアを動かすには1000メガトンの威力が必要だと予想し、その為に200メガトンの核爆弾5つをバージルに積み込むこととなりました。

ジョシュは地中の解析装置、サージとジムスキー博士は核爆弾の威力計算、ブラズルトン博士はバージルの製造指揮、アイバーソン船長とベックはバージルの操縦訓練、ラットはネット上の情報統制と、それぞれの専門分野でこれから挑む任務の準備をしていきました。

地球の異常が進み猶予がないと判断され、少しでもコアに近いマリアナ海溝よりバージルは発進することとなりました。

バージルのレーザー削岩機は予想通りに機能し、細かな障害を乗り越えながら船は地中へと進みます。

しかし途中で大規模な水晶窟にぶつかり、船に食い込んだ水晶を取り除くもアイバーソン船長が落ちてきた水晶とマグマにやられ死亡してしまいます。

ベックが代わりにバージルの操縦を受け持つも、油断により船体の一部に穴が空きそれが元でサージが犠牲となり、核爆弾の威力を計算したノートをジョシュに託します。

しかしコアを形作る外核が予想より粘度が低く、5発の核爆弾ではコアを動かすことが難しいことまで判明します。

任務の遂行が難しいと判断したジムスキー博士は、核爆弾の代わりに自身が関わった極秘計画『人工地震発生装置・デスティニー』を使って、コアを再始動しようと提案します。

しかし実はそのデスティニーこそが地球のコアを停止させた元凶でもありました。

その事実を知ったラットはジョシュに向けて、デスティニーがとてつもなく危険である事をジョシュへ伝えます。

それを知ったジョシュは、何とかしてデスティニーを停めて時間を稼いで欲しいとラットに頼むのでした。

【結】ザ・コア のあらすじ④

英雄らの犠牲によりコアは再び動き出す…

核爆弾5発でコアをなんとか再始動させられないかとコンピューターでシミュレーションを繰り返しますが、何度繰り返しても失敗の結果しか出てきません。

ジムスキー博士はデスティニーを隠していたことから他の仲間と反目していましたが、衝撃波と波の干渉効果を使って5発の核爆弾を順番に爆発させればコアを動かすことが出来ると証明します。

しかしそれをするためにはバージルを手動で分離させる必要があり、その為に5000度にもなる船外にある手動の油圧装置を切り替える必要に迫られました。

誰がその役目を担うのかを迷う中、ブラズルトン博士が自分の子供のようなバージルには自分の血を捧げたいと宣言し、耐熱装備の限界温度を超える5000度の中、犠牲を払って油圧装置を切り替えることに成功しました。

その頃地上ではラットが苦難の末にデスティニーへの電力供給を停止させることに成功します。

時間を稼ぎバージルの分離と核爆弾の設置は出来るようになったのですが、ジョシュの指摘により最初の1発の爆発力が足りないことが判明しました。

その時船体があおられ核爆弾が落下、結果今度はジムスキー博士がバージルの1室に閉じ込められることとなり、サージが計算ノートを託したようにバージルの動力源である原子炉の燃料を使うことで、足りない爆発力を補えるとジョシュにアイディアを託します。

原子炉の燃料を抜いたことによりバージルは停止、コアから移動できなくなるも無事爆発の威力でコアを動かすことには成功します。

そしてアンオブタニウム製の船体は熱と圧力でエネルギーを生み出すことを思い出したジョシュとベックは船を再び動かし、地上へと帰還します。

ジョシュ達英雄らの犠牲や功績は政府の力により秘匿されるのですが、最後は政府機関にも侵入できるラットが、各国のマスメディアに英雄達の功績を周知させることに成功するのでした。

ザ・コア を観た感想

『ザ・コア』は決して大ヒットして人々の記憶に残ったわけでもなく、SF映画として特別優れているわけでもありません。

SF好きとしては「電波の届かない地中とどうやって通信しているんだ?」「その適当な配線で電力は得られないだろ!」と科学考証を始めればツッコミどころは多いのですが、CGの出来は現在のB級、C級SF映画に比べても見るに耐えられる仕上がりとなっており、『仲間の反目>一致団結>味方の死亡>事件解決>ハッピーエンド』というコテコテの王道をなぞっているだけあって、気持ちの良い作品には仕上がっています。

個人的には『アルマゲドン』の展開を期待して『アルマゲドン2007』から『アルマゲドン2013』などタイトル偽装映画を見るよりは『ザ・コア』を見た方がおそらく満足出来ると思います。

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