映画「サバイバルファミリー」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|矢口史靖

サバイバルファミリー

監督:矢口史靖 2017年2月に東宝から配給

サバイバルファミリーの主要登場人物

鈴木義之(小日向文世)
本作の主人公。頼りにならない父。いつもイライラしている。

鈴木光恵(深津絵里)
平凡な主婦。ひらめきで家族を引っ張っていく。

鈴木賢司(泉澤祐希)
大学生の長男。冷静。

鈴木結衣(葵わかな)
高校生の長女。わがまま。

サバイバルファミリー の簡単なあらすじ

世界全域を突然襲った大停電。

東京では生き延びれないと判断し、妻の実家・鹿児島へ行く鈴木家。

飛行機も飛ばないため、家族4人自転車で鹿児島に向かいます。

途中で台風に遭い、食料がダメになってしまいバッテリー液やペット用の缶詰でなんとかしのぐ家族。

ある時、この状況を楽しめるファミリーと出会いサバイバル術を伝授してもらいます。

サバイバルファミリー の起承転結

【起】サバイバルファミリー のあらすじ①

未曾有の大停電

サラリーマンの夫・義之、専業主婦の妻・光恵、大学生の長男・賢司、高校生の長女・ 結衣。

鈴木家は、中の上くらいの普通の家庭です。

ある朝、停電になりマンションの10階に住んでいる鈴木家は、エレベーターが動かず階段をつかいます。

電車も動かずホームに人が溢れていて、義之は、やっとついた会社も電機系がイカれて仕事になりません。

ただの停電とは違い電機系が全てやられているようで携帯、水、ガス、車の類も使えません。

すぐに復旧すると考えていた光恵は、むしろ料理も手を抜けると喜んでいました。

結局、夜になっても復旧せずにロウソクを照らしながら食事をとります。

ベランダに出た家族らは、いつもより星が見えることに驚きました。

停電になり3日目。

事態はだんだん深刻になりました。

洗濯物はドンドンたまり、回収されずゴミが溢れ、ATMからお金は引き出せません。

会社や学校も閉鎖状態でした。

マンションの住民もマンションを出て行く人たちに罵声を浴びせ、ペットを置いていく人、亡くなる年寄りなど状況は悪化する一方です。

【承】サバイバルファミリー のあらすじ②

人間が生きるために必要なもの

鈴木家もこのままではマズイと感じ、光恵の実家がある鹿児島県に行こうと考え、羽田空港まで自転車で行くことにしました。

義之は、結衣にこんな時までつけまつげをするのはやめろと言いますが、そんな義之もカツラをつけていて家族からヒンシュクを買うのでした。

自転車で羽田に向かう途中、ミネラルウォーターが1本千円で売っていました。

義之は、ぼったくりだと怒り買いませんでしたが、羽田に近づくにつれミネラルウォーターの値段は上昇します。

ノドの渇きが最高潮に達した時、ミネラルウォーターの金額は1本2500円でした。

しかし、光恵がカマを掛け見事値下げに成功します。

やっとたどり着いた羽田はやっぱり閉鎖していました。

仕方なく自転車で鹿児島に行くことにします。

地図では道が分かりにくくイライラしますが、光恵の提案で高速道路を使う事にしました。

16日が経過し、水も無くなりました。

義之はこらえきれず川の水を飲み下痢します。

さらに台風のせいで食料や衣類もダメになってしまいました。

子供たちがホームセンターに行きバッテリー液やペットの缶詰を取ってきて、それを食糧としてやり過ごします。

22日が経ち、鈴木家は知識が豊富なアウトドアの達人のファミリー・敏夫たちと出会い、水の調達方法や食べられる雑草、虫などを教えてもらいます。

敏夫は、人間が生きるために必要なのは、体温の確保、水の確保、火を起こせるかだと教えてくれました。

そしてアナログなカメラを持っていた敏夫の息子に写真を撮ってもらいます。

けれど敏夫ファミリーとは途中でお別れします。

【転】サバイバルファミリー のあらすじ③

命を頂くありがたみと義之のピンチ

43日目にして大阪に到着。

大阪も状況は同じでした。

大阪は停電していないという噂を信じていた鈴木家。

結衣は、大阪まで頑張ればいいと思っていたのでキレて、頼りない義之にあたります。

それに賢司も便乗すると、光恵は、お父さんがこういう人だと知っていたはずだというので、義之は精神的にこたえます。

大阪では水族館の魚を使って炊き出しがおこなわれていました。

しかし、鈴木家のところで品切れとなり義之は子どもたちの分だけでもと頭を下げ涙します。

67日目、もう限界です。

しかし、野原で豚を見かけます。

豚は逃げ足が速く捕まえるのに苦戦しますが、義之は家族のために豚を捕らえることに成功。

しかし、養豚場の主・田中に見つかってしまいます。

田中は、逃げた他の豚を捕まえてくれたら許してくれるといいました。

田中の家には井戸水があり、食料も豊富にあり義之たちは助かります。

ずっとわがままだった結衣は泣きながら食事をするのでした。

鈴木家は豚の解体を手伝い、代わりにお風呂とパジャマを借り、布団で寝ることが出来ました。

田中はこのままここに居ていいと言ってくれましたが、義之は光恵の父が心配だから鹿児島に行こうといいます。

鹿児島に向かう途中、川にぶち当たり橋がなく渡れません。

義之は率先していかだを作り、荷物と自転車を積んで川を渡りますが、途中で義之は自転車の下に入り込み行方がわからなくなってしまうのでした。

【結】サバイバルファミリー のあらすじ④

2年と126日

94日が経ち、光恵と賢司と結衣は歩いて鹿児島へ向かいますが、光恵は義之が居なくなって気力が失われてしまいました。

そして、結衣が考え無しに犬にエサをあげたせいでお腹を空かせ野犬と化した犬が集まって来てしまいます。

光恵は、犬に襲われ崖から落ち骨折してしまいます。

しかし、ちょうどその時SLが通りかかり助かります。

光恵たちは、乗客に水を分けてもらいケガの手当てをしてもらいました。

一方、亡くなったと思われていた義之は一命を取り留めていました。

あてもなく歩いた義之は、力尽き座り込みます。

しかし、SLを見かけた義之は発煙筒を上げ、光恵が気が付きSLを止め、義之は無事家族と合流できました。

そして義之は、SLからどんな時もかぶっていたカツラを投げ捨てます。

やっと鹿児島にたどりついた鈴木家は、光恵の父に会えるのでした。

2年と126日が経ち、そのまま鹿児島に残った鈴木家。

義之と賢司は漁をして、結衣ははたを織り、光恵は農作業をしています。

そしてある日突然電機が戻りました。

結局、全世界でおこった停電の理由は解明できていません。

そして東京に戻った鈴木家の元に、サバイバル中に撮った家族写真が届くのでした。

サバイバルファミリー を観た感想

サバイバルファミリーは、コメディだけれど家族の絆が試されるヒューマンだと思います。

最初は笑えるのですが、だんだんシャレにならなくなって行き、豚を食べた結衣が泣いたシーンは泣けました。

悪い人ではないけれど、あまり感じの良くない父・義之がどんどん変わっていくのが見どころです。

かつらを捨てた時に、プライドを捨てたのでしょう。

深津絵里さん演じる光恵が、とくに言葉で表さないけれど義之を愛しているのが伝わりました。

サバイバルな状況ではみな本性が出ますが、義之は家族を守ろうと感情がシフトしていってカッコよかったです。

未曾有の出来事が起こった今、家族で見て欲しい作品だと思います。

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