映画「涙そうそう」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|土井裕泰

映画 涙そうそう

監督:土井裕泰 2006年9月に東宝から配給

涙そうそうの主要登場人物

新垣洋太郎(妻夫木聡)
カオルをとても大切に想いカオルのために働く兄。

新垣カオル(長澤まさみ)
兄・洋太郎をにいにと慕い、ほのかに恋心を抱いている妹。

稲嶺恵子(麻生久美子)
洋太郎の恋人で医大生。

涙そうそう の簡単なあらすじ

血の繋がらない兄妹の洋太郎とカオル。

カオルは高校入学を機に那覇で一人暮らしをする兄・洋太郎ともう一度一緒に住み始めます。

洋太郎はキレイに成長したカオルに戸惑い、カオルも洋太郎に対して兄妹以上の感情をほのかに抱いていました。

洋太郎の夢は、自分で居酒屋を経営すること。

その夢もすぐに破れ洋太郎は、朝から晩まで働きどおしです。

ある日、カオルは、洋太郎が実の兄ではないと知ってしまいます。

そこから二人の関係は今までのようにはいかなくなるのでした。

涙そうそう の起承転結

【起】涙そうそう のあらすじ①

血の繋がらない兄妹

沖縄県那覇市で働く兄・洋太郎は、ボロい借家に一人で暮らしていました。

その洋太郎の元に高校生になった妹・カオルが沖縄の離島からやってきて二人はまた一緒に暮らし始めます。

カオルとまた暮らせることを洋太郎は、とても嬉しく思っているのでした。

久しぶりに会ったカオルは兄が大好きで甘ったれのままでしたが、洋太郎は少し戸惑います。

高校生になったカオルは、眩しいほどの美人に成長していたからです。

洋太郎とカオルは、実は血のつながらない兄妹なのでした。

洋太郎は母・光江のカオルは父・昭嘉の連れ子で、親が再婚したことで兄妹となりました。

それは、洋太郎が8歳の時のことです。

その後カオルの父は失踪し、そして洋太郎の母が亡くなってしまったため、洋太郎とカオルは離島に住むおばあに育てられたのでした。

出会った頃の二人はすぐに馴染みませんでしたが、次第に仲良くなり今では洋太郎はカオルをとても大事に想い、自分の夢を叶える資金とカオルの学費のために昼も夜もバイトをしていました。

【承】涙そうそう のあらすじ②

予想外の借金

洋太郎には、琉球大学に通う医大生の恵子という恋人がいました。

洋太郎は、恵子と友人の勇一をカオルに紹介し、カオルはすぐに皆と仲良くなります。

本当のところは、自分以外の女性を大事に思う兄にカオルは何ともいえない感情を抱きますが、しかし、恵子の方もカオルの存在に嫉妬していたのでした。

洋太郎の夢は自分の居酒屋を経営することです。

バイト先の居酒屋の常連・亀岡は、洋太郎に親切にしてくれ、ついに居酒屋を経営するというその夢が叶いかけています。

今まで働いていたバイト先の店主達に支えてもらい洋太郎は、手作りで自分の居酒屋のオープン準備をしていました。

しかし、オープンの日に本当の土地の持ち主が現れます。

その話は詐欺で洋太郎は、お金を持ち逃げされてしまうのでした。

亀岡は詐欺師だったのです。

さらにせっかく建てた洋太郎の居酒屋はすぐに取り壊され、洋太郎には借金だけが残ってしまいます。

借金を返すために、洋太郎はさらに仕事量を増やし、そんな洋太郎を見て心配する恵子でした。

【転】涙そうそう のあらすじ③

真実を知るカオル

ある日、恵子の父・義郎が洋太郎の家を訪れます。

恵子の父は、洋太郎がお金に困っていると知り大金を持ってきて、自分の娘と洋太郎はふさわしくないと言い別れて欲しいとお願いに来たのでした。

洋太郎はとてもお金に困っていましたが、手切れ金を受け取らず恵子の父を返してしまいました。

このことがキッカケとなってしまい、洋太郎は恵子を拒絶してしまいます。

結局、洋太郎と恵子は別れてしまうのでした。

恵子と別れてからはさらに、洋太郎にとってカオルが心の支えとなっていました。

一方、カオルは失踪していた実の父と再会します。

実の父から、洋太郎はカオルの実の兄じゃないと聞かされてしまうのでした。

そして、カオルは忙しく働く兄のために自分も出来ることを考えます。

洋太郎はカオルに大学へいって欲しいと考えカオルもそれにこたえようとしていましたが、勉強をしているフリをしてカオルはアルバイトを始めました。

しかし、洋太郎はそれを許しませんでした。

【結】涙そうそう のあらすじ④

兄との別れ

カオルは密かに感じていた兄への想いが実の兄妹ではないと知り確信に変わって行きます。

さらに、自分の存在が兄の重荷になっていることに耐えられなくなったカオルは、大学合格後は洋太郎と離れて暮らすことを決めました。

それからしばらく二人は会わなくなったのでした。

久しぶりにカオルから洋太郎の元に手紙が届きます。

その手紙には兄への想いと成人式には二人が育った離島に帰るという内容がしたためられていました。

ある日、巨大台風が沖縄を襲います。

カオルを心配した洋太郎は、カオルのアパートに向かいます。

カオルのアパートの窓に木が倒れ込み一大事となりますが、洋太郎が来てくれてカオルは安心するのでした。

しかし、洋太郎は熱があり救急車で運ばれます。

恵子は医者になっていて、恵子が働く病院に洋太郎は搬送されました。

洋太郎は、風邪の菌が心臓に入りあっけなく亡くなってしまうのでした。

借金返済のために洋太郎は、ずっと無理をし過ぎていたのです。

洋太郎の葬儀は、二人が育った離島で行われました。

洋太郎亡き後、カオルのために洋太郎から成人式の着物と手紙が届きカオルは兄を想って涙が止まらないのでした。

涙そうそう を観た感想

涙そうそうを見ると小説「賢者の贈り物」を思い出します。

お互いを想いすぎて行き違う切なさが似ています。

結局、兄妹でハッピーエンドになると思って観ていたのであっけなく洋太郎が亡くなりビックリしました。

思い返してみれば、洋太郎が咳をしている伏線があります。

さらに、普通のラブストーリーといえないのは、血の繋がらない兄妹の葛藤があるからです。

兄妹から恋人に変わるキッカケは兄側が、リードしてくれない限り皆無といえます。

カオルを大切に想う洋太郎は、カオルを自分の女にすることよりももっといい相手に嫁がすことをきっと考えたことでしょう。

洋太郎が生きていても結ばれることはなかったように感じます。

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