監督:三木孝浩 2010年4月にアスミック・エースから配給
ソラニンの主要登場人物
井上芽衣子(宮崎あおい)
仕事に向かないと思い会社を辞めてしまう。種田と同棲中。
種田成男(高良健吾)
デザイン事務所でバイトをしながらバンドを続けている。
山田二郎・ビリー(桐谷健太)
ロッチのバンドメンバー。実家の薬局を継いでいる。
小谷アイ(伊藤歩)
芽衣子の親友。加藤の彼女。
加藤賢一(近藤洋一(サンボマスター))
ロッチのバンドメンバー。大学6年生。楽器店でバイトしている。
ソラニン の簡単なあらすじ
芽衣子と種田は、同じ大学のサークルで知り合い現在同棲中。
芽衣子は特に夢もなく、種田は、中途半端にバンドを続けています。
仕事を辞めた芽衣子は、種田の音楽に対する姿勢に口うるさくなっていきます。
やがて種田は、もう一度曲を作り売り込みをするのでした。
しかし、音楽の夢は破れ、芽衣子に別れを告げます。
ですが、やはり離れられない二人です。
種田は、夢と現実と責任の狭間で押し潰されて行くのでした。
ソラニン の起承転結
【起】ソラニン のあらすじ①
同じ大学の軽音サークルに所属していた種田と芽衣子。
他にもビリー、アイちゃん、加藤といつもつるんでいました。
大学を卒業し芽衣子が社会人になってからアルバイトの種田は、芽衣子のアパートの部屋に転がりこみ同棲をしています。
種田は、デザイン事務所でアルバイトしているため納期に追われて徹夜もしばしば。
生活リズムが狂う種田は、朝ご飯当番をサボったりしています。
芽衣子は、とくに夢もなく会社では、要領の良い後輩に呆れたり、上司には叱られてばかりで社会人に向いていないのかと悩みます。
でも、なんとかやり過ごしていました。
しかし、上司に食事に誘われ、嫌気がさし早退してしまいます。
冗談っぽく仕事を辞めたいと種田に相談すると寝ぼけた勢いで「辞めちゃいなよ。
どーにかなるさ。」
と、「芽衣子さんと僕は世界の果てまでずっと一緒だ。」
と言ってくれたのでした。
鵜呑みにした芽衣子は、本当に仕事を辞め今まで我慢していた買い物をたくさんして気楽に暮らし始めました。
【承】ソラニン のあらすじ②
本当に芽衣子が会社を辞めるとは思っていなかった種田は焦ります。
どうせプロには慣れないと思いつつも、種田達ロッチのバンドメンバーは、仕事をしながらバンドの練習をやめられないでいました。
しかし、練習する曲はくだらない歌詞の変な歌ばかりです。
大きく出たものの、アルバイトをしながら音楽を続ける種田は芽衣子が仕事を辞めてしまって生活に不安を感じていました。
仕事を辞めてから、家事もおろそかで昼からビールを飲んでいた芽衣子は、種田の不安を知り明日からちゃんとすると誓うのでした。
そんな時、芽衣子の母がやってきます。
芽衣子が仕事を辞めたと知った母は、「実家に帰って来なさい。」
と言いますが芽衣子は反発するのでした。
芽衣子はビリーに人生について相談します。
ビリーはその悩みは種田に相談した方がいいと返しました。
加藤は、そろそろ本格的にバンドを再開したいと思っています。
加藤は種田についていくつもりでいると真剣です。
そして、だんだん音楽への情熱があやふやになって行く種田に芽衣子は苛立つことが増えていきます。
バンドについて悩みながらも種田はダラダラと過ごしていました。
芽衣子はそんな種田に「バンドをやって。」
と言います。
しかし、種田はフザけた返事をしてしまいます。
怒った芽衣子は種田に「好きな音楽を批判されるのが怖いのだ。」
と指摘します。
【転】ソラニン のあらすじ③
種田は芽衣子に叱咤され、新曲を作りました。
種田達、ロッチのメンバーはもう一度夢に向かって頑張ります。
種田は、音楽に集中するためにアルバイトを辞めてしまいました。
新曲「ソラニン」のデモCDが完成し、芽衣子はレコード会社やライブ会社にたくさん送ります。
一社だけから連絡が入り話を聞きに行く種田とビリーと芽衣子です。
しかし、これから売り出すアイドルのバッグバンドにならないかと言うのでした。
曲もレコード会社が提供してくれるといいます。
芽衣子は種田やビリーの意見を聞かずに断ってしまいます。
レコード会社の担当者は、種田が好きな元バンドマンでした。
バンドを辞めレコード会社で働く担当者は、「大切にするものが変わったんだ君もいつかわかる。」
と種田に言いました。
夢破れた種田は、突然芽衣子に別れようと告げます。
嫌だと言う芽衣子にじゃ実家に一緒に戻るか聞きます。
芽衣子は、種田と言い合いになりますが、結局離れられない二人でした。
また、芽衣子と頑張っていくように見えた種田でしたが、バイクの事故で急死します。
バイクには、ブレーキの痕はありませんでした。
【結】ソラニン のあらすじ④
残された芽衣子は花屋で働き始めました。
時折り、自分を責めて自暴自棄に。
周りのみんなは、特にビリーは芽衣子を心配しました。
しばらくして、種田の父が遺品を取りに来ました。
ギターが芽衣子を責めると思った父は、持ち帰ろうとしますが、芽衣子はギターを置いていってもらいます。
そして、芽衣子はビリーと加藤と一緒にバンドをやりたいとお願いします。
芽衣子とビリーと加藤は、ライブハウスで「ソラニン」を歌うため猛練習を始めました。
ライブ前日の練習に寝坊した芽衣子をビリーが、迎えにきます。
スタジオに向かう途中、ビリーは芽衣子に「種田のことはもう平気か?」と聞きました。
芽衣子は「平気じゃないけど、もう悲しんでばかりいてはダメだと思うようになった。」
といいます。
ビリーは毎日まだ泣いているといい、二人で泣くのでした。
いよいよライブ当日です。
緊張する芽衣子にビリーは、「人生は生きていくことだけでいい。」
とクサイ事を言って和ませます。
ロッチの演奏を見に、ソラニンのデモCDを聞いた担当者がきてくれます。
種田が亡くなったことを知らないので、ボーカルが女性になり戸惑います。
ライブから3か月経ち、季節は春になりました。
芽衣子はみんなに手伝ってもらい種田と暮らした家から引っ越しするのでした。
ソラニン を観た感想
ソラニンは若気の至りでは済まされない悲しい物語です。
現実でも良くある夢と現実にそして結婚に悩むカップルの話ですが、種田は芽衣子が思う以上に繊細だったのです。
残念なのが、ロッチを気に入ってくれたレコード会社の担当者が、大切なものが変わるってアドバイスをしてくれていて、種田も実家に帰ろうとしていたのに芽衣子がそうさせなかったこと。
さらに、アイドルのバックバンドでも、楽しくないと感じているデザイン会事務所のアルバイトよりはやってみる価値があったのかも知れないのに芽衣子が断ってしまったこと。
その後、芽衣子は自分を責め周りからも自分を責めるなと言われますが、いろいろ思い返してみると自分を責めずにいられないと思います。
付き合っているのにいつまでもさん付けで芽衣子を呼ぶ種田ですから、立場が弱くビシッと言えなかったのでしょう。
繊細なのに、芽衣子に大口をたたいたプライドの高い種田。
何かが少しづつ違えばと思ってしまう切なさが残りました。
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