映画「フォルトゥナの瞳」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|三木孝浩

フォルトゥナの瞳 三木孝浩

監督:三木孝浩 2019年2月に東宝から配給

フォルトゥナの瞳の主要登場人物

木山慎一郎 (神木隆之介)
本作の主人公 自動車修理工場で働いているが2号店を任される。

桐生葵 (有村架純)
本作の主人公 携帯電話のショップで働いている。

金田大輝 (志尊淳)
慎一郎と同じ自動車修理工場で働いている。

遠藤美津子 (斉藤由貴)
慎一郎の母親代わりで哲也の妻。

遠藤哲也 (時任三郎)
慎一郎の父親代わりで自動車修理工場の社長。

フォルトゥナの瞳 の簡単なあらすじ

木山慎一郎は、亡くなる前の人の体が透けて見える特殊能力を持っていました。

慎一郎は、携帯ショップで働く葵の体が透けていることに気が付き、そのことを知らせるために葵をカフェに誘うともう葵の体は透けていません。

その後、葵のいつも通る工場で爆発事故があり、慎一郎がカフェに誘ってくれなければ事故の時間にその場所を通っていたのでした。

そのため、葵は、慎一郎の仕事場所を探し、命の恩人だとお礼を言いに来てくれました。

しかし、慎一郎は余命短い人を救うたびに自分の命を削っていったのでした。

フォルトゥナの瞳 の起承転結

【起】フォルトゥナの瞳 のあらすじ①

葵の手

飛行機事故で生き残った少年、木山慎一郎は悲惨な事故現場で「助けて」っていう声が聞こえる中、何もできませんでした。

大人になった慎一郎は、自動車修理工で働きその修理工を営む遠藤夫妻は慎一郎を実の子のように可愛がっていました。

慎一郎は、最近よく人の体が透けて見える現象にかられます。

体が透けて見える人について行って見ると、その人はクルマにはねられて即死しました。

社長の遠藤は、仕事が丁寧な慎一郎に2号店の店長を任せたいと思っていますが、先輩の金田がやっかみ、慎一郎に嫌がらせをします。

そのせいで慎一郎の携帯電話の画面は割れて、近所の携帯ショップに行くと桐生葵という女性店員が画面にフィルムをはり、無料で応急処置をしてくれました。

それから、慎一郎は葵のことが気になって仕方ありません。

その後、携帯電話が応急処置では済まないくらい壊れて、慎一郎はまた携帯ショップに行くと葵の手が透けて見えてたので、大切な話があるとカフェに呼び出すのでした。

カフェに現れた葵の手はもう透けていなかったので、慎一郎は安心し葵と別れますが、その後突然心臓が痛むのでした。

【承】フォルトゥナの瞳 のあらすじ②

身を削る特殊能力

葵に会ってから慎一郎はとても明るくなり、2号店の店長を引き受けることにしました。

すると慎一郎が店長になった新しい職場に葵が訪ねてきて、命を助けてくれたお礼をいいます。

慎一郎が葵をカフェに呼び出したあの日、いつも通りに帰っていたら工場の爆発に巻き込まれていたのです。

しかし、慎一郎は偶然だとごまかしました。

ある日、金田が修繕中のお客の車を乗り回していたことが発覚し、社長の遠藤は金田をクビにします。

その後すぐに遠藤の手が透け始めて、慎一郎は遠藤の身を案じ食事に誘いました。

すると物陰から金田が金属棒を持って遠藤を襲い、慎一郎が遠藤をかばいますが、突然心臓が痛み慎一郎は倒れてしまいます。

慎一郎は病院で、心臓に特に異常がなく極度のストレスだと言われますが、病院にはまもなく亡くなる多くの人が透けて見えて慎一郎は戸惑います。

その様子を見た担当の循環器の先生は、慎一郎の特殊能力に気が付き、その能力は「フォルトゥナの瞳」だと教えてくれました。

そして、同じくフォルトゥナの瞳を持つその医師に、人の運命を変えると自分の命が削られると言われるのでした。

【転】フォルトゥナの瞳 のあらすじ③

慎一郎の葛藤

慎一郎は、もう一度葵の働く携帯ショップに行きカフェで会う約束をし、葵に付き合って下さいと言うと、葵はカフェを出てしまいました。

フラれたのかと思いきや、葵は誰にも自分の返事を聞かせたくなかったと言いOKするのでした。

それからは二人はいくつものデートを重ね、公園で家族を見て結婚を意識し、慎一郎は自分の生い立ちを初めて葵に話すと、葵は衝撃をうけるのでした。

その後、2号店に感じの悪い客がやってきますが、その人は昔慎一郎が付き合っていた同じ職場の女性・植松真理子とその後関係を持った客・宇津井です。

慎一郎は、真理子のその後のことを聞きましたが、宇津井は貢がせる金が無くなったから風俗を紹介したというのです。

慎一郎は怒りを抑え接客し、その話を社長の妻・美津子に話すとその人生を選んだのは真理子だからといい、でも宇津井には天罰がくだればいいと言いました。

修理したクルマを宇津井が取りにきましたが、慎一郎には宇津井の手が透けて見えたのです。

ためらった慎一郎でしたが、結局クルマの鍵を宇津井に渡してしまい、その結果、宇津井は亡くなりました。

宇津井の亡くなった原因は居眠り運転でしたが、知っていたのに何もしなかった慎一郎は自分を責め、葵に弱いと言われてしまいます。

落ち込み公園でボンヤリする慎一郎でしたが、同じ公園で遊ぶ園児たちが透けていることに気がつき、思わず園児の手を握った慎一郎は、不審者扱いされてしまうのでした。

園児が持っていた遠足のお知らせを見た慎一郎は、その後気になって駅に行ってみると多くの通勤客の体も透けていました。

【結】フォルトゥナの瞳 のあらすじ④

自分の運命に抗わず

その遠足の園児が電車に乗る時間に早番の葵も乗ってしまうので、慎一郎は葵を沖縄旅行に誘います。

しかし、その旅行は嘘で、慎一郎は葵の命とその電車に乗るお客の命を自分の命と引き換えに助けようと計画。

しかし葵は、旅行の当日仕事が休めなくなり駅にいました。

不審な行動をするあまり慎一郎の家に刑事がやってきますが、慎一郎は刑事をまいて、葵の元へと向かいます。

しかし、葵は電車に乗ってしまっていて慎一郎はタクシーで電車を追いかけ、タクシーを降りる時、発煙筒を持って降りクレーン車が倒れて電車に衝突すると気が着いた慎一郎は、発煙筒で合図して電車を止めました。

葵が慎一郎に駆け寄り抱きしめると慎一郎はすでに息を引き取っていたのでした。

葬儀の後、葵は美津子から慎一郎は葵と出会ってから良く笑うようになったと言われますが、幸せをもらったのは自分だと葵は言います。

実は葵も同じ飛行機事故の被害者で、フォルトゥナの瞳を持っていて慎一郎に運命を感じていました。

慎一郎は、子どもの頃飛行機事故で助けられなかった女の子のことを悔やんでいましたが、その女の子は葵で、実際は助けていたのでした。

葵は、運命を受け入れ死を覚悟していましたが、慎一郎がまたも葵を助けて命尽きてしまったのです。

この力があって良かったことは、このおかげで慎一郎と巡り合い愛されたことだと葵は感じます。

葵が慎一郎の部屋を片付けると結婚指輪と手紙を発見し、同じ選択を繰り返すけれど、本当は葵と一緒にいたい弱い男だと書いてあり最後には「愛してる」と記されていました。

葵は、指輪を見てプロポーズもされていないのに先走り過ぎだと泣き笑いするのでした。

フォルトゥナの瞳 を観た感想

ところどころで、葵もきっとフォルトゥナの瞳をもっているんだろうなという描写があります。

ラストやっぱりそうだとわかり、だったらそのことをなぜ葵は慎一郎に伝えないのかと思ってしまいました。

葵が「弱い」と慎一郎をたきつけたように見え、そのせいで慎一郎は葵のために命を投げ出したようにも見え、葵がふてぶてしい女性に思えました。

しかし最後までよく見ると、葵はお互いがお互いを想うあまり、結局どちらかが犠牲になることが目に見えていたので、葵は自ら運命に巻き込まれようとしていたとわかります。

結局それが仇となるのですが、お互いこの力があったおかげで出会い愛し愛されたと同じ想いでいたことが救いです。

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