「かもめ食堂」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|荻上直子

かもめ食堂

監督:荻上直子 2006年3月にメディア・スーツから配給

かもめ食堂の主要登場人物

サチエ(小林聡美)
フィンランドで1人で食堂経営を始める小柄な日本人女性。

ミドリ(片桐はいり)
かもめ食堂の2人目の客の大柄な日本人女性。

マサコ(もたいまさこ)
かもめ食堂のお手伝いをする事になる3人目の年配日本人女性。

トンミ・ヒルトネン(ヤルッコ・ニエミ)
かもめ食堂の初めての客。日本のアニメ好きの好青年。

マッティ(マルック・ペルトラ)
かもめ食堂の前の店舗のオーナー

かもめ食堂 の簡単なあらすじ

群ようこの小説を原作とする2006年3月公開の荻上直子監督による日本映画。

キャッチコピーは「ハラゴシラエして歩くのだ。」

フィンランドのヘルシンキで、女1人で食堂を経営する日本人女性の物語です。

お店での個性豊かなお客さんやヘルシンキの人々との出会いによって、かもめ食堂が徐々に活気づいていく様子を描く心温まるコメディドラマです。

かもめ食堂 の起承転結

【起】かもめ食堂 のあらすじ①

かもめ食堂のはじまり

爽やかな夏のある日、ゆったりと時間が流れる、自然豊かな美しい港町の通りに、かもめ食堂という小さな食堂がオープンしました。

日本人のサチエという小柄な女性が、もともと店舗だったテナントを借りて、1人で始めた食堂でした。

サチエはフィンランドのぷくぷくと太ったかもめを見つめながら、幼少期にかわいがっていた太ったノラ猫のナナオの事を思い出します。

誰にも懐かなずに嫌われていたナナオでしたが、サチエにだけは懐いていたのでよく餌をあげていました。

サチエは太った生き物が好きでした。

美味しそうにご飯を食べるの生き物を見るのが好きでした。

そして、街の人たちが通りすがりにふらっと入って来て、自由に思い思いの時間を過ごしてほしいという思いから、食堂をオープンしたのでした。

サチエはこだわりのおにぎりを作って、お客さんを待ちました。

しかし、小柄な子供のような容姿のサチエに対して、小さいこどものおかしな店だと、通りすがりのフィンランド人も物珍しそうに覗いてはみるものの、なかなかお客さんは入ってきませんでした。

【承】かもめ食堂 のあらすじ②

トンミとミドリとの出会い

そんなある日、かもめ食堂でお客さんを待つサチエの元ににアニメキャラクターのTシャツを着た、いかにも日本が好きそうなアニメオタクの青年がやってきました。

初めてのお客さんでした。

その青年はトンミという名前で、サチエに片言の日本語で挨拶をします。

初めてのお客さんに喜ぶサチエに、トンミはガッチャマンのテーマ曲の歌詞を教えてほしいと頼みます。

予想外の質問に戸惑うサチエは、どうにか歌詞を思い出そうとしますが、どうしても冒頭の歌詞しか思い出せません。

トンミはサチエに歌詞を思い出したら教えてほしいと頼んで帰ります。

そんな中、サチエが街のカフェに立ち寄ると、日本人らしき女性を見かけました。

ガッチャマンの歌詞が思い出せずにもやもやしていたサチエは、その女性にガッチャマンの歌詞を教えてほしいと頼みます。

ミドリというその女性は、突然の事に戸惑っていましたが、ガッチャマンの歌詞を完璧に覚えていて、ノートに書いてくれました。

ミドリは、世界地図を広げてたまたま指を指したところがフィンランドだったので、フィンランドに来たと話します。

2人は思いがけず、意気投合し、サチエはミドリを自分の家に招待することにします。

ミドリはそのお礼にかもめ食堂のお手伝いを始めるのでした。

相変わらず、かもめ食堂のお客さんは、アニメオタクの好青年トンミだけでした。

そんな食堂の状況を見て、ミドリは食堂をガイドブックに載せて宣伝する事を提案します。

しかし、サチエはガイドブックを見てくるようなお店でなくて、ふらっと立ち寄れるような食堂にしたいとミドリの提案を断ります。

地道にやるべきことをこなして、待っていればお客さんは必ずやってくると信じていたサチエでした。

【転】かもめ食堂 のあらすじ③

かもめ食堂での出会い

ある日、ひとりの男性がやってきて、美味しいコーヒーの入れ方を、サチエに披露してくれます。

そしてコーヒーを入れる時に、コーヒーが美味しくなるおまじないをかけました。

戸惑うサチエでしたが、本当にコーヒーは美味しくなっていました。

その男性はコーヒーは自分で入れるより、人に入れてもらった方が美味しいと話しました。

サチエはさっそく、教わったコーヒーの入れ方でいれたコーヒーをミドリに飲ませます。

いつもより美味しいと驚くミドリを見てサチエは嬉しくなりました。

かもめ食堂を繁盛させる為に、ミドリはおにぎりの具をフィンランドで定番のものにしてみてはどうかと提案しますが、サチエはおにぎりの具は、梅・シャケ・おかかだと断固譲りません。

そんな中、2人はフィンランドの人々に愛されるシナモンロールを作りはじめます。

その甘い香りに誘われて、次第にかもめ食堂にお客さんがやってくるようになるのでした。

そんな中、かもめ食堂にまた新たな日本人女性がやってきます。

荷物が届かないと困っているマサコをサチエは励ましますが、いつまで経っても荷物は見つからず、いつしかマサコもかもめ食堂の常連になっていました。

マサコが通い始めた頃、ミドリはいつも外からお店をじっと睨んでいる白人女性の存在に気付きます。

ミドリは警戒していましたが、ある日その女性は食堂に入ってきました。

リーサというその女性は、お酒を注文すると、サチエにも一緒に飲もうと誘います。

サチエの代わりにお店にいたマサコがリーサに付き合う事になりましたが、リーサはすぐに酔いつぶれてしまい、サチエ達はリーサを介抱します。

リーサは、ある日突然夫に逃げられて落ち込んでいたのでした。

そんな中、かもめ食堂に泥棒が入ります。

【結】かもめ食堂 のあらすじ④

かもめ食堂の穏やかな日常

かもめ食堂に入った泥棒の正体は、以前サチエにコーヒーの入れ方を教えてくれた男性でした。

かもめ食堂を始める前のお店の店主だったそうで、店を閉めてからそのまま放置してしまっていた機材を取りに来ただけでした。

その男性にサチエは、日本のソウルフードのおにぎりを振る舞います。

そしておにぎりもコーヒーと同じで、自分で作るより、人に作ってもらった方が美味しいことに気付きます。

それから、おにぎりもかもめ食堂のメインメニューとなるのでした。

いつしかかもめ食堂にもお客さんが増えて、マサコやリーサも常連として顔を出すようになり、毎日、平凡ながらも楽しい日々を過ごしていました。

そんな中、ずっと探していたマサコの荷物が見つかり、マサコが日本へ帰る事を決意します。

ミドリは寂しがりますが、サチエはその決意を受け入れます。

そして、ホテルで受け取った荷物を確認するマサコでしたが、その荷物の中身が自分のものではないと気付きます。

そして、落ち込んだマサコが向かった先は、かもめ食堂でした。

そんなマサコをみんなは温かく迎え入れ、またかもめ食堂の楽しく穏やかな日常がやってくるのでした。

かもめ食堂 を読んだ読書感想

荻上直子監督の作品の中で、かもめ食堂は特に大好きな作品のひとつです。

フィンランドという慣れない土地で、ひとりで食堂を始めたサチエが、個性豊かな優しい仲間たちに出会い、どんどんと成長していく姿はとても勇気づけられ、温かい気持ちになりました。

個性的な女優陣の演技も素晴らしく、3人の自然な会話はいつ観てもくすっと笑え、癒されます。

フィンランドのヘルシンキの町並みや食堂のインテリアもセンスが良くて、北欧の文化についても知りたくなりました。

この映画を観るといつも焼きたてのシナモンロールが食べたくなってしまいます。

出会いと別れ、そして人生に大切なことについても考えさせられる映画でした。

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