【ネタバレ有り】花物語 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:西尾維新 2011年3月に講談社から出版
花物語の主要登場人物
神原駿河(かんばるするが)
本作の主人公。悪魔に願ってしまったために左腕が猿の腕となっている。
沼地?花(ぬまちろうか)
かつての駿河のライバル。悪魔様を名乗る。
阿良々木暦(あららぎこよみ)
神原の先輩。何かとアドバイスをくれる。
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花物語 の簡単なあらすじ
阿良々木暦達も卒業し自身が3年生となった神原駿河。依然として左腕には怪異の跡が残っておりそれを不安に思う反面、楽しく日常生活を過ごしている。そんな矢先に、なんでも願いを叶えてくれる「悪魔様」のうわさを聞く。それを聞いた神原は「悪魔様」と接触を図るが、それは神原のかつてライバルだった沼地?花だった。果たして神原は、彼女を救えるのか。
花物語 の起承転結
【起】花物語 のあらすじ①
レイニーデビルの一件から月日も経ち、最上級生になった神原駿河は相も変わらない自身の左腕の事を不安に思っています。
忍野メメいわく「20歳を迎えるころには自然と消えているから」との事でしたが、どうにも気になります。
今でも時折元チームメイトからバスケの大会に出てほしいと言われますが、左腕の件もあり断ってきました。
一度は決心した神原ですが、まだバスケットボールをしたいという気持ちは心のどこかにあります。
この左腕さえなんともなければ大好きなバスケットボールが出来る、、そう何度も思う事が有りましたが叶わない事です。
そんな矢先に、彼女の後輩であり現在は男の姿と化けていた忍野扇から「悪魔様」の噂を聞きつけます。
どうやらその悪魔様は、なんでも願いを叶えてくれるようで中高生に支持を受けているそうです。
その話を聞き、不審に思った神原は悪魔様との接触を試みるべく暦の妹である阿良々木火憐らに協力をあおいでいくのでした。
【承】花物語 のあらすじ②
何でもいう事を叶えてくれるという点に於いて、自身の左腕のレイニーデビルと同じである悪魔様の存在を疑わしく思った神原は情報を収集しました。
暦の妹たちの力等も借りて、悪魔様と接触すべく彼女が根城にしている場所へ向かいました。
そこに居たのは、かつてバスケットボールをしていた際のライバル「沼地?花」でした。
彼女も怪我をして、バスケからは距離を置いていたという噂だけは聞いていた神原ですが、その変貌ぶりに驚きました。
そのプレイスタイルから「毒の沼地」と呼ばれており、決して明るい性格ではなかったものの、荒んだ様子には神原も目を疑いました。
そんな彼女に、なぜこんなことをしているのかと聞くと、沼地は「これは私の趣味だ」と言いました。
彼女曰く、悩み事を聞くだけ聞いて何もしていないそうです。
自分が「何とかしてあげる」というだけで依頼者はその不幸を思い悩むのを止め、そのうちに時間が解決するという信念の元に無償で活動していたそうです。
【転】花物語 のあらすじ③
そんな沼地の話を聞き、自分が心配するようなことではなかったのかと思う神原でしたが、かつてのライバルであったよしみからも、こんなことはやめた方がいいと諭します。
話しているうちに不意に沼地は神原の胸を揉みます。
これが阿良々木暦であれば神原もいつものような、おちゃらけた態度を取るのであろうが、触られた事には目もくれず話を続けます。
どうやら彼女は詐欺師の貝木の存在も知っており、そんな彼と違って不安をあおったりはしていない、という点で迷惑はかけていないと判断した神原は腑に履落ちないが、その場を後にしました。
その翌日、左手の様子がいつもと違うと感じた神原は包帯を取ってみるとそこにはレイニーデビルではなく、神原自身の腕が元に戻っていたのです。
戸惑いながらも日課のランニングに出た神原は、左腕の感覚が今までと違う事から転んでしまい傷を負います。
自身の左腕が戻った実感を改めて感じた神原は人目もはばからずに泣いてしまいました。
【結】花物語 のあらすじ④
左腕が戻ったことに戸惑いながらも嬉しい気持ちもあり葛藤している神原の前に、貝木が現れます。
折り合いの良くない神原は走り去って逃げようとしますが、すぐに追いつかれて一緒に食事をすることになります。
その際に貝木から沼地がレイニーデビルのパーツを集めていると聞きます。
自分の左腕の悪魔がいなくなったことにも合点がいきました。
更に沼地は、引退をした後すぐさまに自殺をしていたことが判明します。
それを聞いた神原は左腕を取りかえすべく、再び沼地と対峙します。
ルールはバスケのワンオンワンで、その勝負に神原は見事勝ち腕を返してもらいました。
その後、この話を暦にした際に、「私の決断は正しかったのだろうか」といかけます。
そんな神原に対して暦は、「お前のしたことが正しいという人もいれば間違っているという人もいる。
だけれどもお前は自身の行動を誇りに思うべきだ。
お前は青春をしたんだよと」と言いました。
その言葉に涙しながら、神原は暦に髪を切ってもらい心機一転しました。
花物語 を読んだ読書感想
今までの物語シリーズの中で、語り部が変わるという事もありましたが、概ねギャグパートが挟まれており、シリアスな中にも笑いがあるといった展開が多かったのですが、今作に限ってはシリアスパートが大多数を占めていました。
本来ならば煩わしかった左腕が元に戻ったことは、喜ばしい事なのだが、そんな左腕でさえ私が私である所以だといって、取り返すことを決意する神原のまじめさが伝わってきました。
自分が同じ立場だったら絶対に出来ない様な決断を、神原しかり暦はできるんだなと、改めて彼らの強い信念を感じ取ることが出来ました。
逆が苦手な人にもお勧めです。
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