【ネタバレ有り】12人兄弟 のあらすじを起承転結で紹介
さるのキモの主要登場人物
12人兄弟(じゅうににんきょうだい)
本作の主人公。兄弟で一致団結して生き抜いていく
ベンジャミン(べんじゃみん)
12人兄弟の一番下の子。幼く力も弱いが、家事が得意な優しい男の子。
妹(いもうと)
12人の兄弟たちの妹。行動力があり、意思を貫き通す心の強い女の子。
12人兄弟 の簡単なあらすじ
ある国の王様が次に生まれる子が女なら息子達をを殺すと言いました。兄弟達は城から逃げ森の奥で暮らしていました。そこへ妹も加わりました。ある時、兄達はカラスになりました。元に戻すには7年間笑わず話さないことです。妹は、王様と結婚しても処刑されそうになっても話しませんでした。死が目前に迫った時、7年目になり兄達が元の姿に戻り妹を助け、王様に事の経緯を話し妃の無実を知った王様は喜び皆で仲良く暮らしました。
12人兄弟 の起承転結
【起】12人兄弟 のあらすじ①
昔、ある国の王様とお后さまには12の息子たちがおり、皆幸せに暮らしておりました。
ある時、お后さまが妊娠しました。
それを知った王様は「次に生まれてくる子供が、女の子だったなら、財産と国がその子の物になるように12人の息子たちを殺してしまおう。」
とお后さまに言いました。
そして王様は、12個の棺を作らせて鍵のかかった部屋の中へしまいました。
お后さまには誰にも言わないよう言い、鍵を預けました。
お后さまは一日中座って嘆き悲しみました。
そしてとうとう、いつも一緒にいる末の息子のベンジャミンになぜ悲しんでいるのか聞かれました。
お后さまは話しませんでしたが、何度も聞かれるうちについに王様の恐ろしい計画を話してしまいました。
そしてお后さまは、「11人の兄達と森へ行き、一番高い木に登って塔を監視しなさい。
息子を生んだら白い旗を揚げるので戻っておいで。
娘を生んだら赤い旗を揚げるから急いで遠くへ逃げなさい」と言い聞かせました。
そして兄弟たちは森へ入っていき、毎日高い木に登って塔を監視していました。
ベンジャミンの番になった時、塔には旗が挙げられていました。
それは血のように真っ赤な旗でした。
兄たちがそのことを聞くと、「何故、一人の女の子のために死ななければならない。
許せない。
娘を見たら殺してやる。」
と言い、森の奥へ入っていき、小さな魔法の家を見つけそこで暮らすようになりました。
11人の兄たちは狩りをし、幼いベンジャミンが家事をすることになりました。
【承】12人兄弟 のあらすじ②
あれから、兄たちが兎や鹿などを狩り、ベンジャミンがおいしく調理をする生活が10年続きましたが、その期間が長いとは思いませんでした。
同じころ、お后さまの生んだ娘も大きくなりました。
美人で心優しく、額に金の星がついていました。
ある時、12枚のシャツを見つけた娘は、お后さまに尋ねました。
お后さまは沈んだ顔で、それは12人兄たちの物で、なぜ一緒に暮らしていないのか話しました。
すべてを聞いた娘は、12枚のシャツを持って兄たちを探して森へ入っていきました。
丸1日歩いた娘は魔法の家に辿り着きました。
そこには若者がおり、何用か尋ねられました。
娘は兄たちを探していると言い、12枚のシャツを見せました。
それを見たベンジャミンは妹だと分かり、喜んで娘と抱き合いました。
ベンジャミンは「他の兄たちにも会わせたいが、出会った娘は殺すと決めており会うのは難しい」と妹に言いました。
それを聞いた娘は、「12人の兄を救えるなら喜んで」と言いました。
妹を死なせたくないベンジャミンは、妹をたらいの下に隠し、夜になって帰ってきた兄たちに「最初に会った娘を殺さないと約束して」と言い「許すから早く話せ」と兄たちが 急かしました。
そしてベンジャミンは妹を兄たちに会わせました。
妹を見た兄たちは喜び抱き合い、心から愛おしいと思いました。
そして今度は、妹も一緒に暮らすようになり、ベンジャミンと一緒に家事をして兄妹仲良く暮らしました。
【転】12人兄弟 のあらすじ③
ある時、二人は宴の準備をしみんなで食べて飲んで大いに楽しんでいました。
もっと兄たちに喜んでほしいと思った娘は、小さな庭に生えている12本のユリの花を摘んで兄たちに一本ずつ贈ろうと決めました。
しかし、花を摘むのと同時に兄たちは12羽のカラスへと姿を変えて遠くへ飛んで行ってしまいました。
それだけではなく、魔法の家も庭もすべて消えてしまい、娘は荒涼で独りぼっちになってしまいました。
娘が辺りを見回すと、お婆さんが立っており「あのユリの花は、12人の兄たちで摘んではいけなかった。
兄たちは永久にカラスのままだよ。」
と言いました。
娘は泣きながら「兄たちを元に戻す方法は無いんですか?」と尋ねました。
「一つだけ方法がある。
7年間一言もしゃべらず、にこりと笑わないこと。
破れば兄たちは死んでしまう。」
とお婆さんは言いました。
兄たちを必ず元の姿に戻すと決心した娘は、高い木に座って一言もしゃべらず、笑いもせず糸を紡いでいました。
そこへ、犬を連れて狩猟に来ていた王様が現れ、娘の美しさに一目ぼれした王さまは娘に求婚しました。
娘は首を縦に振って頷き、求婚に答えました。
王さまは喜び、娘を木から降ろして、城へ連れ帰り、盛大に結婚式を挙げました。
その間も娘は一言も話さず、笑いませんでした。
【結】12人兄弟 のあらすじ④
それから2,3年二人は幸せに暮らしていましたが、ひとことも話さず笑いもしない娘に意地悪な継母が悪口を言うようになりました。
「この娘は乞食女で、ろくでもないことを考えているに違いない。
笑わない人間は悪い心を持っている。」
等と王さまにあることないことを吹き込み続けました。
最初は王さまも信じていませんでしたが、次第に影響され、とうとう説き伏せられ妃の処刑を決めてしまいました。
火刑に処せられることとなり、王さまは涙を浮かべながらいまだ愛している妃を見つめていました。
そして火が点けられ、服へ燃え移ろうとしたときついに7年の時が過ぎました。
すると、12羽のカラスが飛んできて地面に降り立つと、12人の兄弟へと姿が変わりました。
妹は兄を助けることができました。
そして兄たちも妹を救い、王さまに何故このようなことになったのか説明しました。
妃の無実を知った王さまは大いに喜び、末永く仲良く暮らしました。
意地悪な継母は裁判にかけられ、酷い死に方をしました。
12人兄弟 を読んだ読書感想
グリム童話の中で初めて読んだ作品でした。
グリム童話と言えば、誰もが一度は読んだことのある名作です。
その中でも今回の作品は、少しマイナーですが家族愛をテーマとした素敵な内容でした。
妹だけでなくすべての娘たちを恨み殺そうとしていた兄たちが、妹に会うことで心の傷を癒し、家族として受け入れ愛することが出来るようになる。
妹は、たとえ殺されても12人の兄たちを救えるなら喜んで命を差し出そうとする。
お互いに大きく深い愛がなければ出来ないことだと思いました。
家族に限らす、誰かを思い、許し、受け入れ、愛することの大切さを教えてくれる素敵な作品です。
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