監督:本広克行 1996年5月にフジテレビジョンから配給
7月7日、晴れの主要登場人物
望月ひなた(観月ありさ)
本作品のヒロイン。国際的に有名なアーティスト。ある日、健太に出会い、彼に興味を持ち好意を寄せ始める。
山部健太(萩原聖人)
自動車メーカーの営業を務める平凡なサラリーマンで、アウトドアが趣味。山で、偶然ひなたと知り合う。
神田絵里子(田中律子)
健太のキャンプ仲間の友人。とても優しい女性で、ひなたのことを友人として温かく受け入れる。
城戸英一郎(うじきつよし)
健太のキャンプ仲間の一人で、バーのマスター。いつも落ち着いた雰囲気で、大人のアドバイスをくれる。
岸和田聡(伊武雅刀)
健太の会社の上司で、会社の宣伝のために、ひなたを巻き込む。
7月7日、晴れ の簡単なあらすじ
世界的に有名な大物アーティストと平凡なサラリーマンの恋物語という夢のような話です。
自分が大物であることを全く知らない健太にひなたが興味を持つことから始まりますが、二人の交際が邪魔されながらも、キャンプ要素を通して二人が仲良くなり、一度裂かれながらも、日本全国を巻き込んだ事件を起こして感動の再会を果たす感動ストーリーです。
7月7日、晴れ の起承転結
【起】7月7日、晴れ のあらすじ①
自動車メーカーに勤める平凡なサラリーマンの健太は、アウトドアが好きでした。
その日も、健太は川で渓流釣りを楽しんでいます。
一方、大物アーティストのひなたは、ヘリコプターでキャンプ場にプロモーションビデオの撮影に来ていました。
ひなたは、休憩時間に付近を散策し、健太の姿を見つけます。
彼女は健太に「何してるの?」と問いかけます。
健太は「川で洗濯してるように見えるか?」とちょっとひねくれた返事。
そう、健太はひなたが大物アーティストであることなど知らないのです。
これが、ひなたのツボにハマりました。
ひなたは、「今度、東京でデートしようか?」と健太を誘い、健太の右手を取り自分の電話番号を手のひらに書きます。
まったく、その気がない健太はすぐに忘れてしまいます。
キャンプ場の仲間のもとに戻った健太は、「変な女がいた」と仲間に語ります。
どんな女だと尋ねる仲間に、「なんか、キラキラした洋服着てて、すらっとした感じ」と答え、仲間から笑られます。
キャンプ場からの帰り道、道中で健太がバイクを止めて空を見上げています。
車で追っていた仲間たちは、空に追いつき、健太の様子を見ると、「いたよ、彼女だ」と言いながら、大きな看板を指さすのです。
仲間たちは、「望月ひなた?」とびっくりするのでした。
【承】7月7日、晴れ のあらすじ②
ひなたのことを大物アーティストと知った健太は、仲間達からの応援もあり、デートをする気持ちになります。
そして、キャンプ当日撮影した写真を拡大して、彼女の電話番号を調べ出し、電話をかけるのです。
電話を切った健太は、「いたよ、本人だった」とつぶやくのです。
そして、デート当日。
待ち合わせ場所にはとびっきりの高級車で、ひなたが現れました。
そして、貸切の大きな映画館やイタリアンレストランでデートをします。
あまりの贅沢ぶりに、すっかり肩身が狭い健太でしたが、少し僻みが出て、日向に対して「俺のことからかってるんだろ?」と言ってしまいます。
でも、ひなたは泣き出しそうな表情で「ちがうの、私はただあなたとデートがしたかったの」と真剣に訴えるのです。
それから、二人の交際は本格的に始まります。
2回目のデートは健太によるプランニングでしたが、それは、街中でのデートでした。
二人で歩いていると、たくさんの人がついてきます。
「街中で、芸能人が歩いていても誰も気づかないって言ってたよね」というひなたですが、たくさんの人に追いかけられる羽目になってしまいました。
健太はキャンプ仲間にもひなたを紹介し、みんなでキャンプに行きます。
仲間は、ひなたを特別扱いせず、徹底的にリラックスさせてあげるのでした。
そして、ひなたはその夜初めて「天の川」を見ることになります。
【転】7月7日、晴れ のあらすじ③
ひなたと健太がファンたちに追いかけられているところを、会社の宣伝部の岸和田に目撃されていました。
岸和田は、ひなたを会社の宣伝材料にしたいという目論みがあり、ひなたと交際している健太を宣伝部に移動させました。
何も知らない健太は、新しい企画の仕事に熱を入れます。
彼の最初の仕事は、新しく販売される車の発表会のイベントでした。
健太の多忙により、二人は会う回数が減りますが、毎日深夜の電話でつながっていました。
岸和田は健太に、「望月ひなたを連れてきてくれないか」と言い出します。
それを聞いた健太は嫌な予感。
でも、ひなたは、健太の初めての大きな仕事なんだから、必ず行く!いや、行かせてと懇願するのです。
嫌な予感がしながらも、来るなとは言えない健太でした。
いよいよ、発表会の当日、会場で健太の女友達たちとひなたは合流し、客席のほぼ中央に腰を下ろします。
岸和田の計画は、突然、ひなたにスポットライトを当て、ステージに引っ張り上げるというものでした。
もちろん、健太には極秘です。
しかし、計画の半ば、健太は無線を聴き岸和田の計画を知ってしまいます。
ひなたを守ろうと健太は走り出しますが、他のスタッフに取り押さえられてしまいます。
大騒ぎする健太ですが身動きができません。
そして、ひなたにスポットライトが当たってしまうのです。
ひなたは動揺しませんでした。
なるで、予想していたかのようにすんなりとステージに上がり、スピーチするのです。
その様子は翌日新聞で大々的に封土づサレました。
健太の会社では、契約なしでの芸能人の起用が大問題になり、ひなたの事務所でも大騒ぎとなり、マネージャーが健太の元にやってきて、「ひなたと分かれてほしい」というのでした。
そして、健太は身を引くことにしたのです。
【結】7月7日、晴れ のあらすじ④
ひなたと健太が合わなくなりしばらく時が流れます。
そして、ひなたが、日本をさる日も近づいていました。
それを前に、ひなたによるラジオ生放送が開催されることが決定します。
健太はそのラジオを聞く気にはなりませんでしたが、強引に友人にラジオを持たされます。
いよいよ、ラジオが始まります。
ひなたは、マネージャーから台本をそのまま読むように、指示されていました。
台本を読んでいたひなたでしたが、「私の足元には、まるで天の川のような夜景が広がっています」と読んだところで、ひなたは「ちがうよ。
本当の天の川はこんなんじゃない。
こんな作り物じゃない」と台本にないことを言い出しました。
慌てるマネージャー。
でも、ひなたはやめません。
その頃、健太は友達からの電話を受け、「ラジオつけろ!ひなたのファンなら聞け!」と言われ、健太はラジオをつけます。
すると、ラジオからひなたが「会いたい、あの人に会いたい」という声が聞こえてきます。
そして、ひなたは、「お願い、灯を消して、天の川を見せて」と続けるのです。
すると、街中の明かりが消え始めます。
ひなたは、放送を放り出し、外に飛び出します。
健太も放送局に向けて走り出すのです。
そして、仲間の協力を得ながら放送局近くへ。
まるで二人は、お互いの居場所を知っているかのように走り、やっと再開します。
向かい合った二人は、出会った時のように、健太の「何してるの』という問いに対して、ひなたは「川で洗濯してるように見える?」と返し、二人は抱きしめ合います。
そして、「会いたかった」とひなた。
そんな二人の頭上には満天の天の川が広がっているのでした。
7月7日、晴れ を観た感想
この映画は、バブル時代を思い出せる爽やかな映画でした。
大物芸能人とさえないサラリーマンの恋なんてとても夢があって良いと思います。
そして、キャンプを通して、アウトドアや趣味仲間との交流の魅力も存分に伝えてくれたと思います。
また、ひなたの呼びかけによりどんどん街中の明かりが消えていく様子もとても感動的でした。
それも、街中全部が灯を消したら、確かに天の川が見えるはずで、ちょっと、ありえそうなフィクション具合がとても良かったです。
なお、会社の仕事のシーンなども、ある程度リアルで、会社員の私としても親近感を覚えました。
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