「ビューティーキャンプ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|林真理子

「ビューティーキャンプ」

【ネタバレ有り】ビューティーキャンプ のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:林真理子 2016年2月に幻冬舎から出版

ビューティーキャンプの主要登場人物

並河由希(なみかわゆき)
ヒロイン。 アメリカ留学中にMBAを取得。

エルザ・コーエン(えるざ・こーえん)
由希のボス。ミス・ユニバース日本事務局のディレクター。

村井桃花(むらいももか)
両親の離婚後に母と暮らす。 モデル事務所所属。

谷口美優(たにぐちみゆ)
有名私立医大の4年生。

大野カレン(おおのかれん)
帰国子女。 日本でモデルを続ける。

ビューティーキャンプ の簡単なあらすじ

アメリカの大学を卒業した並河由希が選んだ就職先は、ミス・ユニバースの日本事務局です。美の伝道師としてベストセラーを発表し続けているエルザ・コーエンのもとで、ファイナリストを鍛え上げる「ビューティーキャンプ」に臨みます。12人のメンバーはそれぞれが複雑な事情を抱えながらも、優勝を目指して頑張っていくのでした。

ビューティーキャンプ の起承転結

【起】ビューティーキャンプ のあらすじ①

世界への狭き門

アメリカの大学でビジネス・マネジメントを学んだ並河由希は、何とかMBAの学位を取得することができました。

ロサンゼルス空港から日本へ帰る飛行機の中で、由希はエルザ・コーエンという女性の名前を知ります。

彼女は美容関連の随筆家としてだけではなく、ミス・ユニバースの日本事務局でトップディレクターを務めていることでも有名です。

帰国してからアシスタントの募集ページを見つけた由希は、パソコンからエントリーして面接を受けるとすぐに採用されました。

手取りが12万円で人使いが荒いために、これまでのアシスタントは半年と持ちません。

由希は学生時代にモデルをしていた経験と海外で身につけた語学力で、エルザの信頼を勝ち得ていきます。

今もっとも力を注いでいるのは、12人のファイナリストたちを2週間かけてトレーニングする「ビューティーキャンプ」です。

グランプリに選ばれて世界大会へ進出できるのは、12人のうちの1人にしか許されていません。

【承】ビューティーキャンプ のあらすじ②

1番の問題児

村井桃花は12人の中でも最年少で、高校在学中からモデルのアルバイトをしていたという19歳です。

エルザからはこのキャンプが終わるまでに5キロ以上体重を落とすように言われていましたが、桃花はなかなか買い食いを止めることができません。

厳しいレッスンに音を上げてリタイアしそうになると、由希はその度に声をかけて彼女を励ましていました。

シングルマザーに育てられた桃花は、ミス・ユニバースの日本代表の座を手に入れて親孝行を考えています。

事務局に「湯浅興業」と書かれた名刺を持つふたり組のガラの悪い男が訪ねてきたのは、テレビでビューティーキャンプの様子が放映された次の日です。

以前に付き合っていた彼氏のために湯浅興業から300万円を前借りしていたという桃花は、事務局に迷惑をかけないためにファイナリストを降りると言い出します。

エルザの幅広い人脈で大手プロダクションの会長が解決に乗り出してくれたため、桃花は安心してビューティーキャンプを続けることができました。

【転】ビューティーキャンプ のあらすじ③

誰ひとり欠けることなく本番を迎える

大会本番が近づく中で、神奈川県からやって来た谷口美優が突如として出場を辞退しました。

ルックスとスタイルに恵まれているばかりではなく、私立の医大に通っているというプロフィールは間違いなく優勝候補です。

他のメンバーが泊まっている新宿のホテルにも、エルザや由希たちスタッフが常駐している南青山のオフィスにも美優は姿を見せません。

テレビ局との打ち合わせやらスポーツ新聞の取材やらで忙しいエルザに代わって、由希が代理として美優を迎えに行きます。

彼女が待ち合わせ場所に指定してきたのは、私鉄の駅前にある洋菓子店のティールームです。

美優は岐阜県の大きな病院の跡取りだという大塚と付き合っていて、頭の固い彼は自分の恋人が観衆の前で水着姿になるのが我慢なりません。

ビューティーキャンプにはニューヨークの本部から、1人当たり300万円以上の予算がついています。

日本大会に出ない場合は多額の賠償責任が発生すると聞いて、ようやく大塚を納得させて美優を連れ戻すことができました。

【結】ビューティーキャンプ のあらすじ④

大番狂わせ

日本大会当日、会場となる東京国際フォーラムには午前中から全員が集合して念入りなリハーサルが行われていました。

エルザは自分が表参道でスカウトしてきた、 大野カレンというモデルに一流のスタイリストをあてがっています。

シアトルのガレッジに留学していた経験もあるカレンは英語も堪能で、世界を舞台にしても十分に戦うことができるでしょう。

その一方ではファイナリストの中で唯一の10代として脚光を浴びている桃花や、スピーチで審査員に好印象を与えた美優も負けてはいません。

準グランプリには美優が選ばれて、前評判が高かったはずのカレンはベスト4にも残りませんでした。

ミス・ユニバース・ジャパンのグランプリを手にしたのは、ビューティーキャンプの落ちこぼれだった桃花です。

喜びと驚きの余りに桃花は泣きじゃくり、司会者のインタビューにも答えることができません。

スポットライトと大歓声に包まれた桃花を、 エルザは世界一の美女にすることを誓うのでした。

ビューティーキャンプ を読んだ読書感想

美しき女性たちによって繰り広げられていく、華やかな戦いの舞台裏を垣間見ることができました。

それぞれが抱えている複雑な家庭の事情や、周囲の人間関係まで浮かび上がっています。

「ビューティーキャンプ」という奇麗な響きに似つかわしくない、 過酷なトレーニングの風景が驚きです。

たスレンダーな女性たちが、ベンチプレスやランニングマシーンで汗を流すシーンも印象的でした。

外見的な美しさばかりでなく、内面的な魅力を磨く大切さについて考えさせられます。

夢に向かって突き進む12人を、優しく見守る並河由希やエルザの存在も感動的です。

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