スウィートヒアアフター(よしもとばなな)の1分でわかるあらすじ&結末までのネタバレと感想

スウィート・ヒアアフター

【ネタバレ有り】スウィートヒアアフター のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:よしもとばなな 2013年8月に幻冬社から出版

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スウィートヒアアフターの主要登場人物

小夜子(さよこ)
28歳。突然の事故で瀕死の大怪我をし、なんとか助かる。

洋一(よういち)
小夜子の恋人で芸術家。小夜子を乗せた車が事故に遭い、亡くなる。

新垣さん
小夜子の行きつけの沖縄バーのマスター。

あたるさん
近所のアパートで知り合ったゲイの男性。

スウィートヒアアフター の簡単なあらすじ

28歳の小夜子は、恋人の洋一が運転する車で事故に遭い、生死をさまよう大怪我を負います。洋一はその事故で死んでしまい、遺された小夜子はなんだか人が変わったようになり、この世のものではない人が見えるようになりました。そんなある日、近所のアパートである女の人の幽霊に魅入った小夜子は、その女の人の息子である男性に出会います。深く傷ついた人が、少しずつ少しずつ、新しい日常を紡いでいく物語。

スウィートヒアアフター の起承転結

【起】スウィートヒアアフター のあらすじ①

洋一の死

28歳の小夜子は、芸術家である恋人の洋一の運転する車で京都のアトリエから温泉に向かう途中、突っ込んできた居眠り運転の車をよけようとして大事故に遭います。

洋一の作品用に車に積んでいた鉄の棒がお腹に刺さったことで、小夜子は大怪我をして生死をさまよい、死んだ愛犬やおじいちゃんに会います。

おじいちゃんに洋一の死をさらされ、同時に自分はまだ生きていることをなんとなく知らされた小夜子は、目を覚ましてこの世に戻ってきます。

おじいちゃんに知らされた通り、恋人の洋一は即死だったとのことでした。

小夜子は少しずつ身体が回復していく中で一回り小さくなってしまい、周りから「人が変わったようだ」と言われながらも少しずつ日常を取り戻していきます。

洋一の家族とは今も関わり続けており、家に遊びに行って洋一の作品の今後についてを一緒に話し合う日々が続きました。

そして事故から2年が経ち、ついに京都のアトリエをたたむことになります。

【承】スウィートヒアアフター のあらすじ②

いない日々

心はぽっかりと穴が開いたような気分ですが、確実に洋一がいない日々は流れていきます。

仕事も恋人も失って、人生が白紙に戻ったような気分の小夜子は、毎晩近所の沖縄バーに2000円分お酒を飲みに行きます。

少し酔っ払って帰り、寝ている家族の存在を感じ、次の日の朝はきちんと起きて走りに行って、帰ってきてから3人分の朝ごはんを作ります。

また、洋一の遺した作品管理の仕事があることで、小夜子は洋一とのつながりや世界とのつながりを保っているような気がしています。

沖縄バーの店長からは「小夜子ちゃんは事故でまぶいを落としてきたね、きっと必要なタイミングでまたまぶいを取り戻すよ」と言われ、そんなもんかなと思いながらも、なんだか不思議な気持ちで日々が過ぎていきます。

また、小夜子は、事故の後から「この世のものではない人」が見えるようになっているのでした。

そのことは家族には言えず、自分ひとりでその事実を受け止めています。

【転】スウィートヒアアフター のあらすじ③

近所のアパート

ある日、近所のアパートを通りかかると、ある部屋に、この世のものではない女の人がいるのが見えました。

そして、その女の人はとてもにこにこして幸せそうな表情で、小夜子は「そんな人でも成仏せずにとどまることがあるんだな」と感じました。

そこからなんとなくその女の人が気になり、何度か見に行く日々が続きました。

そんなある日、そのアパートから男の人が出てきて、「母が見えますか?」と尋ねてきます。

小夜子が見ていた女の人は、その男性の亡くなったお母さんの若き日の姿だということがわかり、喜んだ男性は小夜子に部屋に上がってはどうかと伝え、花を買いに行きました。

帰ってきた男性と話しているうちに、小夜子はその男性と自分に共通のなにかがあることに気付きます。

そして小夜子もうすぐ取り壊されるというそのアパートに引っ越すことを決意しました。

その男性はあたるさんといい、ゲイでした。

引っ越してきた最初の夜には二人で沖縄バーに行き、新垣さんはそれを見て喜んでいました。

【結】スウィートヒアアフター のあらすじ④

新しい暮らし

そうしてアパートで暮らし出した小夜子ですが、寝付こうとすると様々な声や音がしてきてなかなか眠れません。

どうやら、このアパートにはこの世のものでない人や動物がたくさん住んでいるようでした。

最初は眠りが浅かった小夜子ですが、少しずつその暮らしにも慣れていきます。

ある日、小夜はあたるくんと一緒に行きつけの沖縄バーに行きました。

あたるくんは「あのマスターは小夜ちゃんに惚れている」と話します。

そして、いよいよ洋一のアトリエをたたむ日がやってきました。

小夜子は京都に行き、後輩と一緒にアトリエの片付けをします。

そしてその次の日には、あたるさんが約束通り京都に遊びに来てくれました。

ふたりで京都観光をしているうちに、洋一との想い出だらけでつらいはずの京都が、少しずつ、「小夜子にとっての」京都に変わっていくのを感じます。

アトリエをたたんで東京に戻り、また新しい日常が始まりました。

小夜子は、事故の前と後で自分はまるっきり人が変わってしまったけれど、今の自分を肯定できるようになった気がします。

「なんでもいいじゃない。

だって今ここにいるんだから」

スウィートヒアアフター を読んだ読書感想

この小説は、東日本大震災後で被災した全ての人へ向けて書かれた本だとあとがきに書いてありました。

生きることと死ぬことは日々紙一重で、私たちはそのことをいつも忘れてしまいがちです。

自分の大切な人がいなくなったり、自分が命の危機にさらされたり、そういうことがあって、人は初めて「生きること」を意識するのかもしれません。

この小説は、その「生きること」の奇跡に気付くためのヒントがたくさん散りばめられています。

読んだあとに、自分が今ここにいることの奇跡や、日常のなにげないきらめきがふわっと香ってくるような物語でした。

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