著者:東野圭吾 2022年4月に集英社から出版
マスカレード・ゲームの主要登場人物
新田浩介(にったこうすけ)
警視庁捜査一課の係長で、本作では警部に昇進しています。
山岸尚美(やまぎしなおみ)
コルテシア・ロサンゼルスのスタッフです。
梓真尋(あずさまひろ)
警視庁捜査一課の警部です。
能勢(のせ)
所轄からの叩き上げの刑事です。
沢崎弓江(さわざきゆみえ)
ホテル・コルテシア東京の宿泊客です。
マスカレード・ゲーム の簡単なあらすじ
3件の殺人事件が発生します。
殺された人物には前科があったので、警察はそれぞれの前科とその被害者の関係者達を疑います。
被害者の関係者がホテル・コルテシア東京に同じ日に宿泊することを知った警察はコルテシアに潜入捜査に協力するように依頼します。
今までの経緯からコルテシア側も「ホテルのルール順守」を条件に了承し、潜入捜査が始まります。
警官とホテルマンという異色のコンビが事件を解決へと導きます。
マスカレード・ゲーム の起承転結
【起】マスカレード・ゲーム のあらすじ①
少年院から出た入江悠斗がナイフで刺されて亡くなるという殺人事件が発生します。
また、懲役18年の刑期を終え、出所した高坂義弘が殺されるという殺人事件が発生します。
さらに元恋人の全裸画像などをインターネットで公開し、有罪判決を受けていた村山伸司が殺されるという殺人事件が発生します。
警察は「殺された人物には前科がある」という共通点から各事件の被害者の前科に注目します。
警察はそれぞれの前科とその被害者の関係者達を疑いますが、関係者にはアリバイがありました。
被害者の関係者がホテル・コルテシア東京(以下、コルテシア)に同じ日に宿泊することを知った警察はコルテシアに潜入捜査に協力するように依頼します。
今まで二回ほど警察の潜入捜査に協力したことがあるので、コルテシア側も「ホテル内のルールを順守すること」を条件に了承します。
新田浩介は三度、フロントクラークになり、フロント業務に励みながら不審な人物を捜索します。
潜入捜査の始まりです。
【承】マスカレード・ゲーム のあらすじ②
警察はコルテシア内に警察官を配備して、不審な人物がいないかをチェックします。
過去の事件の捜査に参加した刑事はおのおのベルボーイや清掃係などに扮しています。
一方、今回から事件の捜査に加わった梓真尋は「ホテル内のルールを順守する」という決まり事を軽視し、強引な捜査を行います。
お客様に無断で部屋に侵入するだけでなく、お客様の鞄を勝手に開けるなど「お客様のプライバシー」を軽視します。
その結果、コルテシア側から問題視され、新たな騒動の火種となります。
新田はコルテシアのスタッフから注意するように言われます。
新田は真尋に二度にわたる潜入捜査の経緯を話し、コルテシア側との信頼関係を壊さないように忠告します。
注意された真尋はその時は大人しく従います。
その後、新田は支配人である藤木に支配人室に来るように言われます。
新田は「真尋のことで苦情を言われる」と思いながら支配人室へと向かいます。
ノックして支配人室に入ると部屋の中にいたのは…
【転】マスカレード・ゲーム のあらすじ③
支配人の藤木に呼ばれた新田は支配人室で山岸尚美に再会します。
尚美は「潜入捜査に慣れている」という理由で、一時帰国しました。
一方、真尋は「ホテルの宿泊客である森元雅司と神谷良美が部屋を出た」と聞いて盗聴器を仕掛けます。
サイバー課によってホテルの宿泊客である森元が10年前に立ち上げたブログが見つかり、「犯した罪に対して刑罰が小さいという記事」を見た神谷と前島隆明(ホテルの宿泊客)が森元雅司と接触した可能性があるという情報が現場に伝わります。
また、ブログには「大畑誠也を刺し殺した長谷川奈央が薬物中毒下での心神喪失状態で不起訴処分になっている」という記事もありました。
新田はヤメ検弁護士の葉月(ホテルの宿泊客)からから佐山涼(ホテルの宿泊客)の動向を教えてほしいと頼まれます。
佐山涼は沢崎弓江(ホテルの宿泊客)と一緒にいた男性で新田の中では「弓江は金持ちで佐山とは釣り合わない」という印象でした。
一方、尚美は真尋が仕掛けた盗聴器の存在に気づき、各部屋を回って回収します。
過去の事件の被害者の顔写真を見た新田は偽名で宿泊していることに気がつきます。
新田と真尋は偽名で宿泊している客から事情を聴き、「ファントムの会」の存在がを知ります。
「ファントムの会」とはインターネット上で犯罪被害者の家族が集う会です。
SNS上で運用されています。
新田と真尋は双方の情報を交換し、「ファントムの会」の「長谷部奈央」という人物が3つの事件の容疑者として認識しました。
【結】マスカレード・ゲーム のあらすじ④
奈央のブログを見た新田は「奈央と弓江が同一人物であること」に気がつきます。
宿泊客からの情報提供に基づいて「葉月がチェックインする時の画像」を確認し、「葉月の狙いは奈央だったこと」に気がつきます。
すぐに彼女の部屋を訪ねると「葉月と奈央は共同生活をしていること」と、「奈央が罪の意識にさいなまれていること」、「奈央が偽名を使ってファントムの会に参加していること」を話します。
奈央は「ファントムの会」に参加しているうちに自分がメンバーに代わって復讐することが自分の役目だと思うようになり、最後はコルテシアで命を絶とうとしていました。
山岸は容疑者に遭遇し、ケガをしてしまいます。
最終的に新田と真尋が容疑者を確保します。
事件は無事に解決しますが、新田は違法捜査をしたこと、民間人を巻き込んでしまったことの責任を負い、警察官を辞職します。
支配人は「警備部門を新設する」という理由で新田をコルテシアで働くよう、誘います。
マスカレード・ゲーム を読んだ読書感想
マスカレードシリーズは「最後まで誰が犯人がわからない」ので、面白いです。
いつも予想とは違う展開で驚いています。
このシリーズは全部、読んでいます。
いままでずっといた山岸さんがいないので、最初は違和感がありました。
違法捜査と民間人に怪我をさせた責任をとって新田が刑事をやめる時は「このシリーズはこれで完結かな」と思いました。
「加賀恭一郎しりーず」のように主人公の立場が変わっても、まだまだ続編がありそうで楽しみです。
しかし、次の事件が発生すると四度目です。
ホテル・コルテシア東京は事件に巻き込まれ過ぎです。
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