「どちらかが彼女を殺した」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|東野圭吾

「どちらかが彼女を殺した」

【ネタバレ有り】どちらかが彼女を殺した のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:東野圭吾 1999年5月に講談社から出版

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どちらかが彼女を殺したの主要登場人物

和泉康正(いずみやすまさ)
主人公。 豊橋警察署の交通課に所属。

和泉園子(いずみそのこ)
康正の妹。 電子部品メーカーの販売部に勤務。

佃潤一(つくだじゅんいち)
デザイン事務所を手伝いながら画家を目指す。

弓場佳世子(ゆみばかよこ)
園子の県立高校時代のクラスメート。

加賀恭一郎(かがきょういちろう)
練馬警察署の刑事。

どちらかが彼女を殺した の簡単なあらすじ

若くして両親を失った警察官の和泉康正にとっては、妹の園子はたったひとりの大切な肉親です。都内で独り暮らしを送っている園子の異変に気がついた康正は、慌てて彼女のもとへ駆けつけましたが既に亡くなっています。一見すると自殺に思えていた現場に不自然な点を発見した康正は、自らの手で犯人を裁くことを誓うのでした。

どちらかが彼女を殺した の起承転結

【起】どちらかが彼女を殺した のあらすじ①

妹の自殺を疑う兄

愛知県の名古屋で生まれ育った和泉康正と園子は、早くに両親を病気で亡くしました。

兄の康正は豊橋警察署の交通課に勤務していて、妹の園子は電子部品メーカーの東京支社で働いています。

康正が園子の異変に気が付いたのは、12月の金曜日の夜に「信じていた相手に裏切られた」と電話をかけてきた時のことです。

勤務を終えた康正は月曜日の明け方に車で都内へ向かい、妹が独り暮らしをしている練馬のアパートを訪ねました。

合鍵を使って部屋の中に入った時には、園子はベッドの上に横たわっていて息がありません。

彼女の胸と背中には剥き出しになった電源コードが貼り付けられていて、タイマーによって電流が流れてショック死する仕掛けがしてあります。

自殺と思いかけた康正が見つけたのは、調理台の包丁についた電源コードのけずり屑です。

園子は左利きであるために屑は刃の左側に付着するはずですが、実際には右側についていました。

康正がようやく警察に通報したのは、部屋の隅に落ちていた3種類の髪の毛と「カヨコ」と「J」の電話番号をメモした紙をポケットに入れた後です。

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【承】どちらかが彼女を殺した のあらすじ②

「カヨコ」と「J」に行き着く康正

練馬警察署の刑事たちによって園子の死が自殺と断定された後、康正はメモにあった「カヨコ」と思しき女性に電話をかけてみました。

弓場佳世子とは面識はありませんでしたが、生前の園子から高校時代からの親友だったと聞いています。

現在は東京で働いている佳世子は、名古屋で行われる園子の葬儀にも参列してくれるようです。

通夜にやって来た佳世子と言葉を交わした際に、康正はひそかに彼女の髪の毛を抜き取っておきました。

園子の部屋の3種類の髪のうちのひとつと一致したために、康正は彼女への疑惑を募らせていきます。

メモのもうひとり「J」についてのヒントを与えてくれたのは、練馬警察署の刑事・加賀恭一郎です。

園子の手帳を調べていた加賀は、デザイン事務に勤務する佃潤一に注目していました。

潤一こそが「J」だと検討をつけた康正は、中目黒にある彼のマンションを訪ねてごみ箱から掃除用の粘着シートを拾っておきます。

シートに残されていたのは、潤一の髪の毛だけではありません。

佳世子の髪も付着していたために、ふたりが事件の直前に園子の部屋を訪れていたことは明白です。

康正は佳世子か潤一か、どちらかが園子を殺したと確信しました。

【転】どちらかが彼女を殺した のあらすじ③

園子を死に追いやったふたり

園子が潤一と知り合いになったのが去年の10月で、初対面から4日後にはふたりは付き合い始めました。

今年の7月には彼氏として、潤一のことを佳世子に紹介します。

潤一から「自分のことは忘れて欲しい」と言われたのは、12月に入った今週のことです。

園子のマンションに佳世子をおびき寄せた康正は、彼女に包丁を突き付けて睡眠薬を飲ませます。

左手で袋を破って粉末を飲み込んだ佳世子は、意識を失う寸前に電話で潤一に助けを求めました。

彼女の胸に電気コードの一端を、もう片方は駆け付けてきた潤一の背中に。

康正がスイッチを入れた瞬間に、ふたりは愛する妹と同じ目に遭うことでしょう。

凶行を止めるために部屋の中に乗り込んできたのは、練馬署の刑事の中でただひとり園子の自殺を疑っていた加賀です。

康正がまだ見つけていない園子の死の真相があるという加賀は、睡眠薬で眠りこけていた佳世子をアンモニア水の入った瓶で起こしたあとに3人に真実を告げました。

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【結】どちらかが彼女を殺した のあらすじ④

悪魔のスイッチ

ふたりの関係を知った園子は、 佳世子の過去を暴露して報復しようとしていました。

園子が殺される前の火曜日に、彼女は顔を隠した格好てレンタルビデオ店に出掛けています。

佳世子が以前に1本だけ出演したことがあるアダルトビデオを借りて、テープをダビングして潤一の両親に送り付けたり世間に公表するためです。

計画を実際に行うぎりぎりのところで思い止まった園子は、「今そのスイッチを入れることは、悪魔に魂を売ること」と便箋の切れ端に書き残していました。

その言葉の意味を知った康正は、手のひらに握りしめていた電源コードのスイッチを押します。

思わず犯人は絶叫しましたが、もともとスイッチはつながっていない状態で康正には命を奪うつもりはありません。

康正にとっては潤一と佳世子のうち、どちらが妹を殺したのかさえはっきりすれば満足です。

後は加賀が犯人を署まで連行していくだけで、ドアを開けて外に踏み出した康正は涙がこぼれるのを防ぐために空を見上げるのでした。

どちらかが彼女を殺した を読んだ読書感想

被害者の親友の弓場佳世子が殺したのか、かつての恋人の佃潤一が殺したのか悩まされました。

最後のページには「犯人が絶叫した」としか書かれていないため、 出版された当初は編集部に問い合わせの電話が殺到したという逸話も残っています。

主人公の和泉康正が事件現場で発見した包丁によると犯人は右利きで、睡眠薬の袋を左手で破っていた佳世子ではなく潤一を犯人と考えるのがオーソドックスなようです。 読む人によっては、 別の答えを導き出せるのかもしれません。

東野圭吾の作品の中でも人気のキャラクター・加賀恭一郎も登場するために、正統派の推理小説としても楽しむことができました。

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