「風と共に去りぬ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|マーガレットミッチェル

「風と共に去りぬ」原作版

著者:マーガレットミッチェル 2015年4月に新潮社から出版

風と共に去りぬの主要登場人物

スカーレット(すかーれっと)
主人公、アメリカ南部の大農園「タラ」に生まれる。独特の美貌と激しい気性の持ち主

レット・バトラー(れっと・ばとらー)
密輸で巨万の富を得た破天荒な男。スカーレットよりかなり年上。

アシュリ(あしゅり)
スカーレットの幼なじみで片思いの相手。紳士的で繊細な性格。

メラニー(めらにー)
アシュリのいとこで婚約者。体が弱いが高潔な心を持つ。

風と共に去りぬ の簡単なあらすじ

アメリカ南部の大農園に生まれたスカーレットは、その輝くばかりの魅力で近隣の男性をとりこにしていたが、思いを寄せるアシュリだけは別だった。

アシュリがメラニーとの婚約を発表し、自暴自棄になったスカーレットは別の男との結婚を決意するが、そんな時南北戦争が始まり、戦争の渦に巻き込まれていく。

風と共に去りぬ の起承転結

【起】風と共に去りぬ のあらすじ①

失恋するスカーレット

16歳のスカーレットは、男性を翻弄するしぐさに長けていて、どんな男性も夢中にさせてしまう自信がありました。

パーティーのたびに男性に囲まれるスカーレットですが、彼女が思いを寄せ、結婚を夢見ているのは紳士的な幼なじみ、アシュリ一人だけでした。

それにもかかわらず、アシュリが彼のいとこのメラニーと婚約したとの話を聞き、スカーレットはひどく動揺します。

彼女の父親に確認すると、その情報は本当で、アシュリはスカーレットとは全く違う価値観に生きている青年であり、彼のことはきっぱりとあきらめてこの農園を一緒に運営していける別の男性を探せ、土地はこの世で唯一信頼できるものだ、と説得されてしまいます。

しかしスカーレットはめげずに次のパーティーの際にアシュリに自分の気持ちを告白しますが、断られてしまい、そのあげくその現場をレット・バトラーに見られてしまいます。

自暴自棄になったスカーレットはその直後彼女に言い寄ってきたメラニーの兄、チャールズと勢いで結婚を決めてしまうのでした。

【承】風と共に去りぬ のあらすじ②

南北戦争の勃発

結婚直後に戦争に行ってしまったチャールズはすぐに戦死してしまい、スカーレットは子どもを授かったもののすぐに未亡人となってしまいました。

チャールズの伯母、ピティパットと妹メラニーとアトランタで暮らすことになりますが、南北戦争は過激化し、一緒にパーティーに行っていた男性たちもどんどん戦死したとの情報が入ってきます。

そんな時、同じく戦争に行っていたアシュリが一時帰宅します。

メラニーとスカーレットは歓迎し、スカーレットはまた彼に変わらぬ思いを伝えようとするものの、アシュリからは「メラニーを頼む」と言われてしまい、アシュリは戦地へと戻っていきます。

その後戦いが激化し、アトランタも激しい攻撃を受けることになったため、スカーレットは実家であるタラに戻る決意をしますが、そんな時に妊娠していたメラニーが産気づいてしまいます。

医者もいない中子どもを取り上げたスカーレットは、激しい戦いの中、レット・バトラーの用意した馬車にお産直後のメラニーと赤ん坊を乗せ、死に物狂いでタラに戻るのでした。

【転】風と共に去りぬ のあらすじ③

もう絶対に飢えはしないと決意するスカーレット

どうにか実家に帰ったスカーレットだったが、母は亡くなり、父は呆けたようになっていました。

頼る人がいない中で、しかし自分のこの土地を守り抜く、何としてでも飢えず生き抜いて見せると決意します。

戦争に負け、度々北軍の残りの兵士たちが家のものを強奪しにやってきます。

そんな時メラニーと助け合いどうにか切り抜け、スカーレットは虚弱で頼りないと思っていたメラニーがいかに精神的にしっかりとしているか思い知ります。

妹たちとメラニーと綿花の栽培をして生計を立てていくことを決めましたが、突然土地に高い税金が掛けられることが決まります。

どうにか税金を払うためにレット・バトラーに頼むことに決め、会いに行きますが断られ、それどころか頼み方がよくないと説教されてしまいます。

憤慨するスカーレットでしたが、その直後遭遇した妹の婚約者、フランクが事業で成功していることがわかり、レットに言われたことを活かして擦り寄り、フランクと結婚を決めてしまいます。

妹からは恨まれるものの、家の危機を脱することには成功するのでした。

【結】風と共に去りぬ のあらすじ④

事業での成功とレットとの結婚

スカーレットはフランクの事業をほとんど自分で動かすようになり、手腕を発揮し成功をおさめます。

しかし派手で冷徹な仕事ぶりから、周囲から恨まれるようになり、そんな中で夫フランクが暴漢に襲われ亡くなります。

自分のせいだと落ち込むスカーレットでしたが、慰め、求婚してきたレット・バトラーを愛していることに気が付き、結婚を決めます。

2人は、事業で成功したお金でタラに豪邸を建てます。

レットとの間に娘も生まれ、レットは娘を溺愛しますが、相変わらずスカーレットは子どもには興味を持てません。

そして、いまだにアシュリに気持ちが残っていることをレットに気付かれてしまいます。

夫婦仲は冷えはじめ、さらに娘が乗馬に失敗し事故死してしまいます。

また、もともと体の弱かったメラニーも亡くなり、スカーレットもレットも心の支えを失います。

レットは家を去り、一人残されたスカーレットは、それでもあきらめず、また困難に立ち向かいながら生きていく覚悟をします。

風と共に去りぬ を読んだ読書感想

マーガレットミッチェルの唯一無二の傑作「風と共に去りぬ」海外では聖書の次に売れているベストセラー作品です。

主人公スカーレットのキャラクターが強烈なので苦手という方も多いようですが、彼女の戦争に負けない不屈の精神、何度辛いことがあっても「明日は明日の風が吹く」と考える強さには胸を打たれます。

体は弱いメラニーの精神的な芯の強さもすばらしく、二人で悲惨な戦争を乗り越える場面はとても感動します。

読む側の年齢によって印象が変わる作品だと思うので、前にあまり合わず読み進められなかった経験のある方も、ぜひ再度読んでみてほしいです。

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