著者:新海誠 2016年6月にKADOKAWA/メディアファクトリーから出版
小説 君の名は。 の主要登場人物
宮水三葉(みやみずみつは)
本作の主人公。もう一人の主人公の立花瀧と入れ替わる。東京での暮らしに憧れを持つ女子高校生。宮水神社の巫女でもある。
立花瀧(たちばなたき)
本作の主人公。もう一人の主人公の宮水三葉と入れ替わる。父と2人で東京に住んでいる。絵を描くことが得意。
宮水四葉(みやみずよつは)
三葉の妹。祖母や姉と一緒に神社の儀式などを行うしっかりした性格の持ち主。
小説 君の名は。 の簡単なあらすじ
岐阜県の山深い田舎町糸守町に暮らす女子高校生の宮水三葉は、東京での暮らしに憧れを持っていて、ある日目が覚めると、男の子になっていて、東京で過ごすことに。
一方の男子高校生立花瀧も目を覚ますと、自分が知らない風景が広がっていて、お互いに夢の中で入れ替わっている?ー。
大ヒット映画「君の名は。」
の新海誠監督みずから執筆した原作小説です。
小説 君の名は。 の起承転結
【起】小説 君の名は。
のあらすじ①
岐阜県の山奥の田舎糸守町に住む女子高校生の宮水三葉は、いつものように目が覚め、朝食を食べていると一緒に暮らしている祖母の一葉と妹の四葉から今日は普通だね。
と不思議なことを言われます。
三葉は何のことかさっぱり分かりません。
そして、テレビでは1か月後に接近するティアマト彗星に関するニュースが流れ、三葉は身支度を整えて四葉と一緒に家を出ます。
通学路で三葉は親友の名取早耶香とてっしーこと勅使河原克彦と会い、2人からも今日は普通と言われてしまいます。
2人によると昨日の三葉はまるで別人のようだったというのです。
そう言われてみると、三葉は昨日の記憶があまりなく、詳細なこともあまり思い出せずにいました。
そして、三葉は授業中にノートに「お前は誰だ?」という殴り書きを見つけますが、これも全く覚えていないのでした。
昨日のことを何も思い出せないまま、夜になると、三葉は四葉とともに宮水神社の儀式を行っていました。
三葉は宮水神社の巫女であり、儀式の口噛み酒を作るのですが、同級生には気持ち悪いという人もいて、そんな三葉は生まれ変わったら、東京に住むイケメン男子になりたいと叫ぶのでした。
【承】小説 君の名は。
のあらすじ②
東京に住む高校2年生の立花瀧は、ある日目が覚めると、自分が知らない世界が広がっていました。
身体は女の子になっていて、胸を触っているとちょうど部屋を開けた四葉に見られてしまいました。
一方で、三葉は瀧の部屋で目が覚め、中身は三葉のままですが、身体は男の子になっていました。
三葉は戸惑いながらも瀧が通う高校に行き、友人たちとおしゃれなカフェでパンケーキを食べたり、レストランでアルバイトをして、無我夢中で働き、瀧として1日過ごしたのでした。
翌朝、三葉と瀧はともに自分の部屋で目が覚め、お互いに身に覚えのない手の平の落書きやスマホの日記を見て驚き、友人たちにも「別人のようだった」と話を聞かされても、ほとんど本人たちの記憶がないため、2人は困惑します。
初めは受け入れがたかったお互いが入れ替わっているという事実もお互いに認め合い、それぞれの生活をするうえでルールを作りました。
ルールを守りながら、お互いの生活に慣れたころ、糸守町では町でお祭りが行われようとしていて、テレビで映っていた彗星が見れる日でもありました。
三葉は早耶香と勅使河原とともに夜空に輝く彗星を見上げていましたが、その日を境に2人の入れ替わり現象はなくなったのでした。
【転】小説 君の名は。
のあらすじ③
入れ替わり現象がなくなり、三葉へのメールや電話も途絶えた瀧は、自分の記憶や飛騨地方の資料等を参考に糸守町の絵を描き、その絵を持って友人の司とバイト先の奥寺先輩とともに三葉を探す旅に出ます。
手がかりが絵だけだったため、なかなか旅は難航したのですが、たまたま入ったラーメン屋さんの人が絵を見て、糸守町だと気がつきます。
糸守町と聞いて、司と奥寺先輩は3年前の彗星が町に落ちた災害事故のことを思い出していました。
災害後の糸守町は誰も住んでおらず、町も消滅していました。
その後瀧はその災害に関する資料を調べているうちに犠牲者名簿を見つけ、そこには三葉と四葉、友人の早耶香と勅使河原の名前も載っていたのでした。
衝撃の事実に瀧は言葉を失い、今までのことは何だったのかと自問をしているうちに、瀧は、司と奥寺先輩を宿に残し、宮水神社があるご神体の祠に向かい、三葉の口噛み酒を飲めば何か変わるかもしれないと思い、飲んだ瞬間に、瀧は彗星が落ちた日の三葉になって目覚めるのでした。
さっそく瀧は早耶香と勅使河原に今夜起こることを話し、2人にも協力を仰ぎ、糸守町の住民の避難計画を立て始め、瀧は山頂のご神体へと向かうのでした。
【結】小説 君の名は。
のあらすじ④
必死で山頂を目指し到着した瀧は、大声で三葉と名前を叫びます。
三葉もその声に気がつき、瀧の名前を呼び、空がかたわれ時になったその時、ようやく2人は出会ったのでした。
短い時間の中で、2人は言葉を交わし、お互いの名前を忘れないようにと互いの手に名前を書き合いますが、瀧の手の平に三葉の名前を書き切る前にかたわれ時が終わり、三葉の姿が消えてしまいます。
一方の三葉は瀧の託された想いを胸に町に戻り、住民を助けるため避難の呼びかけを必死に行い、その後糸守町には彗星が落下しました。
目を覚ました瀧は山の上にいて、なぜ自分がここにいるのか、そして司と奥寺先輩と別れて帰ったことも覚えていませんでした。
それから5年が経ち、瀧は就職活動で日々忙しい生活を送っていましたが、彗星がある町に落ちて、その町ではたまたま町で避難訓練をしていて、奇跡的に住民が助かっていたというニュースが瀧の心に残っていました。
日々瀧はずっと誰かを探し続けている感覚を抱えながら生きていました。
就職が決まり、出勤中の電車の中から、別の電車に乗っている女性と目が合い、2人は衝動的に電車を降りて、お互いを探します。
街の階段でお互いが再会し、2人で「君の名前は?」と尋ねるのでした。
小説 君の名は。 を読んだ読書感想
2016年大ヒットアニメーション映画「君の名は。」
の新海誠監督みずからが執筆した原作小説です。
私自身この映画を2~3回見るほど大好きな作品で、原作も読みたいと思い、手に取った次第です。
小説は映画と大きく違うなと思うこともなく、描写がとても丁寧に描かれており、映画のシーンを振り返りながら、サクサクと読み進めていました。
結末を知っているにも関わらず、個人的にはかたわれ時のシーンがとても好きで、小説でも案の定泣いてしまいました。
小説を読んだ後にもう一度映画を観たくなり、映画を観た後に、もう一度小説を読みふけたいと思える作品です。
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