【ネタバレ有り】高校事変 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:松岡圭祐 2019年5月にKADOKAWAから出版
高校事変の主要登場人物
優莉結衣(ゆうりゆい)
17歳の女子高生。テロ事件を起こして死刑となった半グレ集団のボスの次女。武器の知識と戦闘の経験を持つ。
濱林澪(はまばやしみお)
結衣の同級生。他の同級生が結衣を敬遠するなかで、唯一彼女に味方する。
矢幡嘉寿郎(やはたかずお)
総理大臣。64歳。高校を訪問中、武装集団に襲われる。
錦織清孝(にしきおりきよたか)
総理を守るSP。30代の警部。
ジン
高校に侵入した武装勢力のボス
高校事変 の簡単なあらすじ
矢幡総理が、帰化した有名スポーツ選手の在籍する、武蔵小杉高校を訪問することになりました。
ところが同じ高校に、父親がテロ事件を起こして死刑になった優莉結衣も通っていました。
総理が学校内をめぐっている最中に、武装集団が圧倒的な花器を用いて、学校を占拠します。
総理はSPとともに現場を逃れます。
一方、結衣は唯一の友人の澪とともに、自分の能力の限りをつくして、武装した兵を倒し、逃げ回ります。
彼女たちはやがて総理の一行と合流し、武装勢力のボスと交渉をするのですが……。
高校事変 の起承転結
【起】高校事変 のあらすじ①
神奈川県立武蔵小杉高校には、ベトナムから帰化して、バドミントンで活躍した少年が在籍しています。
矢幡総理は、高校生の学力向上を呼び掛けるパフォーマンスを兼ねて、少年と面会に行きます。
一方、同じ高校に、17歳の優莉結衣も在籍していました。
彼女の父親は、かつて半グレ集団をとりまとめ、平成最大と言われるテロ事件を起こし、死刑になっていました。
結衣自身も、幼いころから武器の知識を習得し、戦闘能力を持っていました。
さて、矢幡総理が各教室を順に訪問していくと、突然、武装集団が現われ、大量の火器を使って、生徒たちを無差別に殺し、学校を制圧してしまいました。
矢幡総理は教師の機転もあり、SPとともに小屋へ逃げこみました。
一方、結衣は、盗撮マニアの問題児の教師と、友人の澪とともに、総理の目にふれないよう、辺ぴな教室に閉じこめられていたおかげで、最初の銃撃を逃れることができました。
結衣は、見回りに来た兵士をあり合わせの物で作ったトラップで倒します。
問題教師はドローンによる攻撃で殺されました。
グラウンドには、敵の応援勢力が、収集車に偽装した車で入りこんできました。
【承】高校事変 のあらすじ②
矢幡総理が武装勢力の手に落ちたということで、政府は国務大臣の柚木若菜が総理代行を務めます。
しかし、男の大臣たちは今ひとつ彼女の指示には従わない様子です。
さて、武装勢力は数か所に生き残った生徒と教師を集め、兵士のための慰安婦を差し出させます。
自発的に志願する女子生徒がいる一方で、強制的に連れていかれる女子生徒もいました。
結衣は澪とともに校内を逃げ回ります。
問題教師が盗撮をしていたマンホールに澪を隠し、プールの近くに潜んでいた総理が捕えられそうになったのを防ぐために、プールにナトリウムを放りこんで水を爆発させたりしました。
途中、数名の兵士をナイフを使って殺しもしました。
兵士の幹部は、死んだ問題教師のスマホから、結衣の存在に気がつきます。
逃げ回っていた結衣は、総理の一行と出会いました。
結衣は、自分も総理を殺したいのだ、と武装集団をだまして、教室にたてこもります。
そして、手に入った証拠の品物と総理の手紙を即席のロケット弾につめて、外部へ飛ばしたのでした。
【転】高校事変 のあらすじ③
武装兵力の進入路がわかりました。
放水路の点検口から侵入したのです。
彼らは、今日、教師のひとりが企画したサバイバルゲームに乗じて、大量の本物の兵士を投入したのです。
サバイバルゲームのつもりで入ってきた一般人はすでに殺されています。
武装兵力のボスのジンが、結衣に見せしめの生徒を連れてきます。
いつも結衣をイジメていた亮子という女子校生の体に時限爆弾をつけ、いっしょに爆死するところを見物しよう、というのです。
結衣は亮子を教室にとりこみ、爆弾を解除します。
これで、結衣がテロリストなどではないことが、敵にバレてしましました。
さて、結衣の放ったロケット弾は回収され、政府に届けられました。
総理代行を務める柚木大臣は、先週、矢幡総理から、「もしものときには強行突破をためらわないように」という指示を受けていたことを、大臣たちに話し、学校へ強行突入することを決めます。
学校では結衣たちが攻撃を受け続けています。
総理は戦略上、いったん敵に投降しました。
残った一行に敵が襲いかかってきます。
そこへ、自衛隊が強行突入してきました。
【結】高校事変 のあらすじ④
強行突入のため、空から自衛隊のヘリが降りようとすると、ゴミ収集車に仕込まれた対空ミサイルやガトリング砲によって、すべて撃ち落されてしまいました。
武装勢力は総理大臣代行の身柄を要求してきます。
まるで生贄のように、柚木大臣は行かざるをえなくなってしまいます。
泣きそうになりながら、敵地へおもむいた柚木大臣でしたが、ジンと対面すると、がらりと変わります。
実は、柚木こそが武装勢力を裏からあやつっている黒幕なのでした。
彼女は次期総理になるためのステップとして、この大事件をもくろんだのです。
柚木はジンの不手際をののしります。
ジンは矢幡総理に、自分たちを超法規的に免罪する書類にサインするように迫ります。
そのとき、結衣が手作りしたEMP(電磁パルス)爆弾が破裂します。
武装勢力の電子機器はすべて役立たずになりました。
自衛隊が突入してきます。
勢力が逆転しました。
結衣は武装勢力の幹部たちと対峙し、全員を殺しました。
柚木大臣も射殺しました。
そうして、囚われていた生徒たちを救出したのでした。
高校事変 を読んだ読書感想
とにかく文章が非常に読みやすいです。
すいすい読めてしまいます。
そこがまず大きな魅力です。
その文章で、高校に武装勢力が侵入して制圧される、というドラマをサスペンスいっぱいに描いてくれています。
読み始めると、ページをめくる手を止めることができませんでした。
そして、なんといってもヒロインのキャラがいいです。
人殺しに長けて、殺すことをなんとも思わない、むしろ殺すことを楽しんでいる17歳の女子高生。
めちゃくちゃアブナイ人です。
マシンのように非情なのですが、ときおり見せる人としてのやさしさが、彼女をヒロインにしています。
まわりにある、ありあわせの品物を使って、武器を作る、というのも(変な言い方かもしれませんが)好感度が持てます。
ダークヒロインとして、これからの活躍が楽しみです。
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