「高校事変 Ⅱ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|松岡圭祐

「高校事変 Ⅱ」

【ネタバレ有り】高校事変 II のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:松岡圭祐 2019年7月25日にKADOKAWAから出版

高校事変 IIの主要登場人物

優莉結衣(ゆうりゆい)
17歳の女子高生。テロ事件を起こして死刑となった半グレ集団のボスの次女。武器の知識と戦闘の経験を持つ。

嘉島奈々未(かしまななみ)
18歳。結衣と同じ児童養護施設にいて、結衣と同じ葛飾東高校に通っている。風俗のアルバイトをして拉致された。

嘉島理恵(かしまりえ)
13歳、中学1年生。奈々未の妹。姉の捜索を結衣に頼む。

タカダ(たかだ)
本名、辻舘鎚狩(つじたててがり)。風俗店の謎の客。店のトラブルメーカー。

城山譲二(しろやまじょうじ)
風俗店の経営者。

高校事変 II の簡単なあらすじ

養護施設で暮らす嘉島奈々未は、施設の入所費用を払うために風俗のバイトをしていましたが、あるとき、評判の悪い客に拉致されてしまいました。

奈々未の妹の理恵は、警察が本気で動いてくれないため、同じ施設にいて、奈々未と同じ高校に通っている優莉結衣に姉の捜索を依頼しました。

結衣は、テロ事件を起こして死刑になった男の次女で、高い戦闘能力を持っています。

彼女はしぶりながらも、理恵の頼みに応じて、奈々未をさがしはじめるのですが……。

風俗店員、暴力団員、サイコキラーなど、凶暴な男たちが結衣の前に現れてきます。

高校事変 II の起承転結

【起】高校事変 II のあらすじ①

 

奈々未の失踪

嘉島奈々未は18歳の高校3年生。

妹の理恵(中学1年生)とともに、養護施設で暮らしています。

両親はいますが施設の入居費を払ってくれないため、奈々未は風俗店でアルバイトをしています。

風俗店では本番を強いる客も多く、奈々未は妊娠してしまいました。

体調が悪化した奈々未は風俗店を休みます。

しかし、タカダというやっかいな客に対応するために、店長の城山は、無理やり奈々未を出勤させます。

タカダは奈々未に暴力をふるい、拉致しました。

施設のほうでは奈々未の失踪について警察に相談しますが、本気でとりあってもらえません。

そのうちに、奈々未がコンビニでセーラー服に着替えたところが、監視カメラに映っていたことがわかります。

姉のアルバイトは清掃の仕事だと信じていた妹の理恵は、同じ施設にいる優莉結衣に相談します。

結衣はテロ事件を起こして死刑になった男の次女で、犯罪に詳しく、戦闘能力があります。

そのために公安警察が結衣の監視を続けています。

結衣は公安の目をくらまして、理恵とともにコンビニへ行き、防犯カメラの映像を見ます。

そこには奈々未が風俗用の扇情的なセーラー服姿に着替えた姿が映っていたのでした。

【承】高校事変 II のあらすじ②

 

奈々未の捜索

結衣は自分と奈々未が通っている葛飾東高校へ行き、JKフーゾクのアルバイトをしている少女たちをつかまえて、東京でJKフーゾクをやっている大手業者の情報を聞き出しました。

結衣は、JKフーゾクでアルバイトをしようとしている女子高生をよそおって、城山のもとへとたどり着きました。

そこで騙される寸前だった別の女子高生を助けた結衣は、城山をおどし、奈々未を連れ去ったのがタカダという男であることを聞きだしました。

結衣は、警察に匿名で情報をタレこみます。

実は風俗店から失踪していた少女は、東京都内に30名以上いたのでした。

警察はタカダがその犯人だと考えました。

またタカダの携帯電話の番号から、本名は辻舘鎚狩(つじたててがり)であることがわかりました。

鎚狩は、自社製高級精肉をウリにしたスーパーの社長の三男で、痴漢と盗撮の前科があります。

警察は辻舘の家に行き、任意聴取しようとします。

しかし、鎚狩は別棟に、拉致した奈々未と住んでいました。

警察の動きを察した鎚狩は、奈々未を車のトランクに放りこみ、逃亡してしまったのでした。

【転】高校事変 II のあらすじ③

 

理恵の危機

警察が辻舘鎚狩の話をしているのを聞きこんだ理恵は、彼に会いにいきました。

しかし、不在で会えません。

そこで、姉のメモにあった城山の部下のサトシに電話しました。

サトシが理恵を城山のもとへ連れて行くと、城山は、いま依頼がきている「生け簀」に、理恵を放りこもうと考えます。

「生け簀」とは、大勢の客のなかにいたいけな少女を放りこんで、輪姦させ、最後には殺してしまう、というものでした。

しかも、今回の依頼は、暴力団なのでした。

理恵を牛頭組系の佐藤一家の事務所に届けた城山は、辻舘鎚狩が未成年少女と淫行していた情報を、父親の啓壱に1億円で売ろうとします。

喜一は金の受け取り場所として、自社の使われていない精肉工場を指定しました。

その精肉工場で、鎚狩が誘拐した少女たちを精肉していたことがわかりました。

啓壱はお金を渡すつもりなどなく、城山とサトシを殺すつもりでした。

啓壱がつれてきた巨漢にサトシが殺され、城山もあわやというときに、結衣が登場しました。

高校でJKフーゾクの元締めをしている教師からの情報により、見当をつけたのでした。

【結】高校事変 II のあらすじ④

 

理恵と奈々未の救出

結衣は巨漢を倒し、啓壱も殺します。

城山を脅しつけ、理恵が暴力団事務所にいることを聞きだします。

「生け簀」が始まるのは午後6時。

出口へ向かう結衣の背中に、城山が襲ってきますが、結衣はそれを返り討ちにしたのでした。

結衣は精肉工場の死体のことを、匿名で警察にタレこんでから、準備をして牛頭組系、佐藤一家事務所へと行きました。

「JKフーゾク店から今夜のパーティーに行くように言われた」と話すと、中に入れてもらえました。

入ったとたん、結衣は奪ったナイフや銃を使って、暴力団員たちを次々と殺していきます。

最後に佐藤一家を代表する市正を銃殺し、理恵を救出しました。

ふたりで事務所から逃げだそうとしたところへ、牛頭組の本体が応援にやってきました。

結衣は即席で作った超電磁砲で、彼らを粉みじんに粉砕しました。

翌日、結衣は、鎚狩がレンタルしたキャンピングカーのGPS情報を入手し、彼が山中に潜んでいることを知ります。

結衣はムササビスーツを着て、ランドマークの屋上近くから、鎚狩のいる山中へと飛んでいきます。

鎚狩はいままさに奈々未を処分しようとしているところでした。

結衣は鎚狩を半殺しにした上で、崖の上から道路上へと突き落とし、通行するトラックに粉砕させました。

奈々未を救出して施設にもどった結衣は、出ていくことを考えます。

しかし、理恵の頼みにより、奈々未が卒業するまではいることを約束したのでした。

高校事変 II を読んだ読書感想

武装勢力が高校に突入したという第1巻に比べると、失踪したひとりの女子高生を探す、という第2巻は、スケール自体は少し落ちるかもしれません。

しかし、一方で、身近な個人の拉致監禁という話だからこそ感じるサスペンス、つまりハラハラドキドキが間違いなくあります。

もちろん、殺して殺しまくる、というこのシリーズの醍醐味は健在で、暴力団相手に、女子高生がひとりで立ち向かって全滅させる、という爽快感も得られます。

また、公安に監視され続けている結衣が、犯行を隠すためにいろいろと細工をする、というのが、ひとつの知的なゲームとなっていて、楽しめます。

全体に血なまぐさいストーリーではあるのですが、あくまで虚構であり、言ってみればゲーム感覚で割り切って楽しめばよいのではないでしょうか。

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