【ネタバレ有り】魔女は甦る のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:中山七里 2011年5月に幻冬社から出版
魔女は甦るの主要登場人物
槇畑啓介(まきはたけいすけ)
本作の主人公。捜査員歴が12年。上司の渡瀬からは熱く信頼されている優秀な捜査官。
桐生隆(きりゅうたかし)
事件の被害者。スタンバーク社の研究員。物静かな性格で両親を亡くしたことで莫大な保険金を得た。
毬村美里(まりむらみさと)
薬科大学三年生。桐生の恋人。事件の真相に誰よりも早く気が付いて独自に捜査をしていた。
魔女は甦る の簡単なあらすじ
槇畑啓介は凄惨な事件現場を目の当たりにします。殺されていたのは桐生隆という製薬会社の研究員でした。調べていくうちに桐生がヒートという覚せい剤を作り、町に流していたことが発覚します。その薬のせいで凶暴化したカラスによって桐生は殺されました。槇畑はそのカラスたちを何とか撃退します。しかし薬の効果で多くの獣が凶暴化しており、槇畑も凶暴化したカラスによって襲われてしまいました。
魔女は甦る の起承転結
【起】魔女は甦る のあらすじ①
槇畑啓介は捜査官として12年働いて最も凄惨な現場を見ます。
死体の損壊度が激しく槇畑は吐き気を催すほどでした。
被害者は身分証から桐生隆だとわかります。
桐生は現場のすぐ近くにあるスタンバークという製薬会社に勤めていました。
現場には騒ぎを聞きつけて?村美里がやってきます。
毬村は桐生の恋人でした。
槇畑は桐生のことを調べるために最近訪れた歯科医に向かいました。
院長の藤村は桐生とよく会話をしていた仲で桐生は薬学に関してかなり偏った思考の持ち主だとわかります。
そして桐生は自身のことを魔女の末裔だと称していました。
捜査会議の最中に宮條貢平が入ってきます。
そこで宮條は桐生が務めていたスタンバーク社について情報を開示します。
スタンバーク社は新種の覚せい剤を作り、それを巷に流していたという疑惑がありました。
その覚せい剤はヒートと呼ばれ、攻撃本能をひたすら上げるという副作用がありました。
最近、都内で起きた凄惨な事件はヒートによって引き起こされたものでした。
【承】魔女は甦る のあらすじ②
事件現場の近くで今度は嬰児が誘拐されました。
しかも猫が9匹もいなくなっているという報告もあります。
槇畑は宮條と2人でスタンバーク社の研究所を訪れました。
そこで都内で事件を起こした少年たちの証言でヒートを流していたのが桐生だと判明しました。
その後、独自に捜査を続けていた宮條が行方不明になりました。
行方不明になった苦情を見つけるために再び、研究所を訪れます。
そこで?村に会い、彼女はモデルガンで撃ったカラスを検査するように槇畑に渡します。
そのカラスからヒートが検出されました。
その時?村からメールがあり、槇畑は彼女の元へ向かいます。
毬村は早くに事件の真相に気づき、独自に動いていました。
槇畑は?村の意向を読んで、止めに来ていました。
槇畑も鑑識の結果、スタンバーク社の元研究員の証言、麻薬取締官の話のそれらを総合して事件の真相にたどり着いていました。
桐生を殺したのはヒートによって凶暴化したカラスでした。
毬村はそのカラスに復讐をしようとしていました。
【転】魔女は甦る のあらすじ③
桐生を殺したのはヒートに汚染されたカラスでした。
少年たちでヒートの実験をしたところ予想以上の効果があり、スタンバーク社はすぐに会社を閉め、薬を処分し、実験に使った小動物も殺しました。
しかしその動物をカラスたちが食べたために凶暴化したカラスが生まれました。
?村は復讐のためにカラスのねぐらに向かいます。
槇畑はそれに同行しました。
2人はねぐらである洞窟の奥で宮條の死骸を発見しました。
そこで潜んでいた30匹のカラスに襲われ、2人は一目散に逃げ出します。
2人はスタンバーク社の研究所へ逃げ込み、そこで槇畑は気を失いました。
地下室で目を覚ました槇畑は?村と研究施設を探索します。
そこで桐生が作成していたヒートの解毒剤の作り方を発見します。
それで解毒剤を作ろうとしますが、そこでカラスに襲われます。
そこで槇畑は片目を失います。
ここでカラスを撃退するために槇畑は爆弾作りを考え、美里が作り上げます。
その爆弾の威力で業火に研究所は包まれてカラスたちは死んでいきます。
2人も火に包まれそうになりますが、間一髪で渡瀬たちによって救い出されます。
【結】魔女は甦る のあらすじ④
命からがら研究所から助かった槇畑は病院に入院していました。
槇畑はヒートの力を使って逃げ出すことができました。
しかもおびただしい出血のおかげでヒートの成分は体に蓄積せずに体外に排出されて、後遺症も残らずに済みました。
上司の渡瀬からは退職願を破棄されて、現場にもすぐ復帰するようにと言われます。
ただ槇畑の気持ちは晴れません。
まず右眼を失っているので捜査員として力になれるかが不安でした。
次が毬村のことでした。
毬村は今も集中治療室で昏睡状態が続いています。
命に別状はないものの、体の3割を火傷していました。
加えて恋人である桐生が生み出したヒートの解毒剤やその製造方法も全て研究所ごと灰になってしまいました。
事件の立件も困難でした。
桐生や宮條を殺したのがカラスではどうすることもできません。
リハビリに向かう途中で渡瀬は不気味な話をしました。
桐生の事件現場の近くで主婦が野犬に襲われています。
その時の野犬が非常に凶暴だったという話です。
そこで槇畑はヒートによって凶暴化した獣たちの事件が増えることを予期します。
そこで槇畑と同じように片目のカラスが槇畑を襲ってきます。
松葉杖で応戦しますが、すぐに槇畑の視界は黒く覆われました。
魔女は甦る を読んだ読書感想
おどろおどろしい物語の始まりだったので、単なるミステリーではないなと思っていました。
しかし犯人がカラスというのは予想していませんでした。
海外の製薬会社が絡んだ事件ということで大きな組織との戦いかと思っていました。
しかし後半は完全なスプラッター映画のような展開でした。
最後に危機を脱したかと思いきや、またカラスに襲われる展開なんて見たことありました。
でも小説でこういうジャンルに挑戦するということが素晴らしいと思います。
いろいろ説明不足なところも勢いで読ませる力もあってすごくいい作品だったと思います。
このシリーズには2作目があるみたいなのでそちらが完結編のような感じになるのかもしれませんね。
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