「ダークゾーン」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|貴志祐介

「ダークゾーン」

【ネタバレ有り】ダークゾーン のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:貴志祐介 2011年2月に祥伝社から出版

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ダークゾーンの主要登場人物

塚田裕史(つかだひろし)
本作の主人公で赤の王将。過去には将棋のプロを目指す奨励会の三段だった。現在はゲームプログラマーとなり仕事は深夜に及ぶ事も多い。

井口理紗(いぐちりさ)
本作のヒロインで囲碁会のアイドル。死の手であり一撃で相手を倒せる。

奥本博樹(おくもとひろき)
塚田のライバルで同じ奨励会三段だったが、盤外戦術で塚田に勝ちプロになる。青の王将。

水村梓(みずむらあずさ)
奨励会に在籍していて難病で亡くなった兄がおり、プロ棋士を目指す塚田に親近感を覚えて付きまとう。蛇女で理紗と同じく相手を一撃で殺せる。

銘苅健吾(めかるけんご)
ゲームデザイナーで塚田の同僚。ダークゾーンというゲームをデザインした。青軍の歩兵の一人。

ダークゾーン の簡単なあらすじ

塚田は目が覚めると自分はプロ棋士を目指す大学生だという声と、自分は赤の王将だという声の異なる二つの声が内側から聞こえてきます。周囲にはどこか見覚えのある顔をした異形の怪物達がおり、一つ眼からゲームのルール説明があります。ここはダークゾーンと呼ばれる空間であり、七番勝負で先に四勝した方が勝者となり敗者は消えて無くなるだろうと言われます。相手の青軍が今にも襲ってくる為戦いの準備が必要であり、訳も分からないまま塚田は戦いに身を投じることとなります。

ダークゾーン の起承転結

【起】ダークゾーン のあらすじ①

ダークゾーン

塚田は戦い続けろという心の声に目が覚めると、見知らぬ暗い所にいました。

記憶を辿ると自分はプロ棋士を目指す大学生の塚田だという声と、自分は赤の王将だという声の異なる二つの声が内側から聞こえてきます。

周囲にはどこか見覚えのある異形の怪物達がおり、赤ん坊のような一つ眼が説明を始めます。

ここはダークゾーンという空間であり、小さな島の中で相手の青軍と戦いが始まると言います。

味方は全部で十八体おり、中には塚田の恋人である理紗、奨励会の世話人、棋士の先輩、大学関係者や看護師など塚田には見覚えのある顔が多くいますが、異形の姿をしている為にハッキリとは判別できない者もいます。

また、それぞれに駒のように役割があり、能力も異なるようです。

王将は全ての駒に命令することが出来ます。

歩兵とDFは6体ずつおり、歩のような役割です。

偵察用の皮翼猿、遠距離攻撃のできる火蜥蜴、ほぼ無敵の鬼土偶、一撃即死の攻撃が出来る死の手、テレパシーや千里眼などの超能力を持つ一つ眼を上手く使って戦う、将棋のようなゲームのようです。

相手にも名前の異なる同じ役割の手駒がおり、倒すと自駒として使えるようになり好きな場所とタイミングで実体化出来る為非常に有利です。

緒戦は相手の先制攻撃で駒を取られるものの、早々に遠距離砲を使ってしまった相手のミスにも助けられて赤軍が勝利します。

この中で、相手の王将は将棋のライバルである奥本だと分かり、駒の使い方やこの世界の様々なルールを確認出来ます。

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【承】ダークゾーン のあらすじ②

現実と異世界

現実世界の回想では、塚田は奨励会を抜け出しプロに上がるための三段リーグで苦戦していました。

上位に入る実力はあるものの、いつも二位いないという厳しい条件をクリア出来ません。

徐々に年齢制限も迫ってきており、彼女の理紗や後輩の梓、友人の河野と遊園地で息抜きをしていてもイライラした気持ちを抑えることが出来ません。

ダークゾーンでの第二戦では、新たに昇格のルールを知ります。

王将とDF以外の各駒はポイントが一定以上になると強力な能力を得ることが出来、パワーバランスが大きく崩れることになります。

今回は作戦負けで塚田は敗北します。

第三戦の最中、敵駒の中にいた銘苅と話し、ダークゾーンはゲームデザイナーの銘苅が考えたゲームだと判明します。

この戦いでも塚田は作戦負けします。

第四戦目では、河野の偵察ですぐに相手の居場所が分かり、塚田は速攻をかけます。

最後に王将同士が対峙するかのような流れに持っていき、王将と見せかけて死の手を使ってトドメを刺し塚田が勝利します。

【転】ダークゾーン のあらすじ③

辛い現実

塚田はアパートで目を覚ますと今日は理紗と奥本の命日だと思い出します。

通勤列車に乗ろうとすると、水村梓を見かけてギクリとします。

二人が死ぬ事になった遠因は梓にあると考えており、顔も合わせたく無かったので塚田は電車を見送ります。

理紗と同棲を始めた頃に梓はストーカーのように塚田に付きまとい、挙句の果てに理紗は奥本と浮気をしているなどとありもしない嘘を塚田に吹き込みました。

奥本は理紗が行きたいと言った軍艦島への旅行を企画し、探検部を誘って無断上陸する計画を立てます。

島でゲームをしていると、梓が塚田に近寄ってきて理紗は妊娠しているかもしれないが、塚田の子供では無いなどと言い出します。

塚田はうんざりするものの、少しずつ疑心暗鬼になっていきます。

ダークゾーンでの第5戦目は、塚田が上手く戦いを進めて歩兵を昇格させ勝ちを確信しますが、相手の策にはまり毒蜥蜴が昇格してしまい敗北し塚田はこれで3敗目となります。

第6戦目は互いに牽制し合って長期戦となり、狂瀾のステージという状態になり全ての駒が昇格します。

しかし、昇格した一つ眼は未来予知能力があり互いに何をするのか分かりすぎてしまい、決着がつかずに引き分けとなります。

第7戦目では、混戦の中で両軍の王将が建物崩落に巻き込まれ塚田は上手く瓦礫を防いで生き埋めになります。

しかし、奥本は大ダメージを受けたようで塚田は敵兵に発見されそうになった所で辛くも勝利を収めます。

そしてこの戦いの中で、青軍には刑事や警察官が混ざっていることに気づいていました。

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【結】ダークゾーン のあらすじ④

ダークゾーンの真実

最終第8戦目では、次々と仲間を犠牲にしながら塚田はある作戦を進めます。

詰み将棋の要領で王将を追い詰め、最後に理紗を実体化させて奥本と相打ちにさせます。

塚田は奥本が理紗を殺したんだと恨みを抱きながら、これで現実に戻れるはずだと考えます。

軍艦島への旅行時に、理紗は両親の思い出の場所へと塚田を案内し、これから生まれてくる子供への期待を口にします。

しかし、塚田は自身がプロになれずにいることを棚上げして理紗を責めます。

さらには本当に自分の子供なのかなどと理紗を疑うような発言をして傷つけます。

それでも理紗は縁結びの神社へ共に行こうと塚田を誘いますが、塚田は断り、雨の中理紗は一人で神社へと向かいます。

しばらく経っても戻ってこないことを心配した奥本に促されて塚田が理紗を探しに行くと足を滑らせて転落し大量出血している理紗を見つけます。

救急が駆けつけた時にはDOAであり理紗は亡くなり、さらには司法解剖の結果子宮外妊娠していたことが判明します。

塚田はその後、最後の三段リーグで奥本と対戦して盤外戦術で敗れプロへの道が閉ざされ、逆に奥本はこの勝利でプロになります。

塚田はゲームプログラマーに就職しましたが、一年半後に奥本から誘われて軍艦島へと行きます。

奥本は最後の対局時に使った盤外戦術を汚い手だったと謝罪しますが、塚田は理紗の死の原因は本当は奥本にあったと一方的に信じ込んでおり、奥本を殴殺した後焼き払います。

塚田はゲームデザイナー銘苅と共にダークゾーンというゲームを開発しており、夜遅くまで仕事した後で部屋に戻ると夢を見ます。

その夢こそが全8戦の戦いであり、長く感じた戦いも実は一晩の間の出来事でした。

銘苅からの電話で目覚めて出掛けようとした所、警察がやってきた為慌てて道路に飛び出すと車に轢かれます。

植物状態となった塚田は永遠に自身の意識の中でダークゾーンの戦いを続けることとなりました。

ダークゾーン を読んだ読書感想

本作品では、主人公がかなり酷い性格です。

将棋のプロを目指しているという事はかなり頭は良いはずですが、結局プロになる為の努力は足りておらず、それに自分で気づいた時には既に手遅れでプロになる事は出来ませんでした。

しかも、大学時代には彼女の理紗や友達と息抜きと言い訳をしながら遊んでいてプロになれていないにも関わらず、全て棚上げして自分の身勝手で妊娠させた理紗を責めたり、ライバルの奥本を疑ったりします。

挙句の果てに理紗が亡くなる最大の原因となりますが、それも認めずに奥本に罪を着せようとし、最後に奥本まで殺すという暴挙に出た上で警察に捕まりそうになると逃げ出して車に轢かれます。

さらに悪運の強い事に生き残り、意識の中でダークゾーンの戦いを続けることになりますが、自分の意識の中なので最後には必ず勝ちますしゲーム中には理紗とイチャついたりします。

味方の軍勢には仲の良い人、お世話になった恩師や先輩、一方的に好意を持っていたアイドルの稲田などが集まっており塚田にはさぞ居心地が良かった事でしょう。

ある意味ではとても印象に残る主人公ですので、そのあたりは貴志さんの計算通りなのかも知れません。

また、防犯探偵榎本シリーズに登場する蜘蛛を愛する市役所職員の古溝俊樹、悪の教典である生徒が大ファンであるアイドル稲田耀子など、他作品に関連する人物が出てきます。

貴志祐介さんの他作品を読んでいる方にはさらに楽しめる小ネタとなっています。

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