夏目漱石「道草」のあらすじ&ネタバレと結末を徹底解説

夏目漱石「道草」

【ネタバレ有り】道草 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:夏目漱石 1951年11月に新潮社から出版

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道草の主要登場人物

健三(けんぞう)
主人公。 海外で暮らした後に帰国して現在は大学で働く。

御住(おすみ)
健三の妻。

御夏(おなつ)
健三の姉。

比田寅八(ひだとらはち)
御夏の夫。

島田(しまだ)
健三の育ての親。

道草 の簡単なあらすじ

健三は妻とふたりの娘の4人で平穏無事な暮らしを送っていましたが、彼のもとには親類が入れ替わり立ち替わり無心にやって来ます。腹違いの姉から遊び好きな義理の兄に、育ての親から果ては妻の父親まで。これまでは言われるままにお金を渡してきた健三の心の奥底にも微妙な違和感が沸いていき、さらには忘れていた自身の過去も思い出していくのでした。

道草 の起承転結

【起】道草 のあらすじ①

養父から頼まれる

外国から帰ってきた健三は御住という女性と結婚して、間もなくふたりの娘を授かりました。

駒込の一軒家に所帯を構えて、大学生を相手に講義をしつつひそかに執筆活動に励んだりもしています。

健三には年の離れた兄の長太郎と、16歳年上の姉・御夏の他にはきょうだいはいません。

3人の父親は既に亡くなっていますが、健三を3歳から7歳までの期間に引き取って育ててくれた島田は今でもまだ元気でいるようです。

彼とは長らく疎遠になっていましたが、ある日突然に島田の代理人と名乗る吉田虎吉が訪ねてきます。

吉田の話ではお人よしの島田は頼まれるとすぐにでも友人にお金を貸してしまい、今現在では自分の方が困っているようです。

遠まわしに経済的な援助を求められていることは健三にも察しが付きましたが、年末には御住が3人目の子供を出産する予定で何かと物入りでした。

やんわりと断って帰ってもらいましたが、その後も吉田はちょくちょく無心にやって来ます。

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【承】道草 のあらすじ②

姉からも頼まれる

健三の姉・御夏の家は四ッ谷の大通りから、 1町(約100メートル)ほど奥に引っ込んだ場所にあります。

御夏の夫は健三から見るといとこに当たる、比田虎八という中年の男性です。

かつては真面目に四ッ谷の区役所に勤めていた比田でしたが、 仕事を辞めた後は芝居見物や寄席など遊び歩いていて家にはほとんど帰ってきません。

しばらく会わなかった御夏は随分と老け込んでいる様子で、持病のぜんそくも一段と悪化していました。

姉の話というのは健三が予想した通りで、彼女に月々手渡している小遣いの金額をもう少しアップしてくれとのことです。

お金に困っているわりには、姉は今日のような急な来客のある日には高級寿司屋から出前を取り寄せてごちそうを振る舞っています。

以前には島田はこの家にも顔を見せていたようで、そんな時にはウナギを食べさせない限りは決して帰ろうとしません。

島田の現在の住まいは御夏も知らないようで、 明くる日からは仕事に追われていた健三は島田のことを忘れてしまいました。

【転】道草 のあらすじ③

義父の再出発と妻の3度目の出産

健三が御住と結婚したのは今から7〜8年ほど前のことでしたが、口数の少ない彼女は自身の家族についてほとんど語りません。

そんなある日のこと、結婚式の前に一度だけ夕食をともにしたことがある御住の父が突然に訪ねてきます。

以前はシルクハットを被ってフロックコートで官邸に出勤していた義父は、今では上着すら持っていないために健三は自分の古着を渡しました。

官僚として失敗した彼の次の野望は、関西にある私営の鉄道会社の社長に就任することです。

銀行家や実業家とのコネを持っている義父でしたが、社長に選ばれる条件は会社の株式を何十株か保有している必要があります。

健三に義父を助ける義務はありませんでしたが、身重の妻から懇願されれば断る訳にはいきません。

友人たちの伝を頼り金策に走り回った健三は、ようやく自らの月収の3カ月分に匹敵する400円ほどかき集めます。

妻が女の子を出産したのはそれから年末の頃で、年明けには義父の事業が本格的に始動するでしょう。

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【結】道草 のあらすじ④

過去を片付ける2枚の紙

再び島田の使いがやって来たのはいよいよ今年も残りわずかとなった日のことで、健三は期末テストの答案の採点に追われていました。

赤いインクで汚れた指先を洗うこともなく座敷に出てみると、縞模様の羽織姿に真っ白な足袋を履いた商人のような紳士のような男が待ち構えています。

幼い頃の健三の面倒を島田と一緒になって見ていたという彼の要求は、今度こそ最後だという幾らかのまとまったお金です。

ふたりの間には長太郎と比田が仲介役として入り、年明けに全ては事務的に処理されました。

金100円を確かに受け取った、向後いっさいの関係を断つ。

1枚の真新しい紙切れに古風な口調で書かれていて、島田の印がしっかりと押されています。

もう1枚の紙はやたらと古びていて、それは7歳の健三を金銭と引き換えに島田から取り返した時に作った書類です。

子供の頃に実の父によって厄介払いされていたことを思い出した健三は、全てを片付けるために古い方の紙を破り捨てるのでした。

道草 を読んだ読書感想

実際に著者が巻き込まれたトラブルを元にしたという、 お金に踊らされる明治時代の庶民たちのどろどろとした人間模様に圧倒されました。

小さなふたりの子供と出産を控えた妻・御住がいるのを承知の上で、主人公・健三の収入源を当てにする周りの人たちの強欲さにはあきれ果ててします。

です。

「世の中に片付くなんてものはほとんどありゃしない。」

という健三のセリフには、切っても切れない親族のしがらみを感じます。

全てをお金で解決しようとしていた健三が、かつては自分自身が金銭的な理由から赤の他人に預けられていたことを思い出すラストが皮肉です。

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