「さがしもの」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|角田光代

「さがしもの」

【ネタバレ有り】さがしもの のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:角田光代 2005年5月にメディアファクトリーから出版

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さがしものの主要登場人物

しの(しの)
都内のアパートで一人暮らしをしている女子大生。誰とでも寝るので「やりまん」と陰口を叩かれている。伝説の古本を何の気なしに探している。

サカイ テツヤ(さかい てつや)
しのと同じ大学に通う学生。ドイツ概念論講義で席が前後。たまたま仲良くなり、一緒に伝説の古本を探している。

塚田(つかだ)
しののアルバイト先の客。しのより七つ年上で大学OB。伝説の古本を知るきっかけとなる。

上垣(うえがき)
しのと同じ大学に通う学生。しのの噂を聞きつけ下心みえみえで食事に誘う。

さがしもの の簡単なあらすじ

誰とでもすぐに寝るしのは、周囲から「やりまん」だの「男好き」だの「公衆便所」だのと陰口を叩かれています。噂と違うのは、しのにとって男の子は全然大したものじゃないということ。好きでもなければ嫌いでもなく、ご飯をおごってくれ、夜道家まで送ってくれることに対してのお礼が寝ることであって、その行為は、しのにとっては別段意味はありません。そんな荒んだ生活を送るしのに変化の兆しがあらわれて……。

さがしもの の起承転結

【起】さがしもの のあらすじ①

やりまんの男好き?

誰とでもすぐに寝るしのは、周囲から「やりまん」だの「男好き」だの「公衆便所」だのと陰口を叩かれています。

噂と違うのは、しのにとって男の子は全然大したものじゃないということ。

好きでもなければ嫌いでもなく、ご飯をおごってくれ、夜道家まで送ってくれることに対してのお礼が寝ることであって、その行為は、しのにとっては別段大した意味はありません。

それ以外のお礼が思い浮かばないというのが本当のところです。

ずっと女子高で育ってきたしのにとって、男の子は未知の生物でしたが、数回食事をして、数回ベッドをともにすると、全然大したものじゃないとわかりました。

その夜も、しのの噂を聞きつけた大学のクラスメイトの上垣から下心みえみえの誘いをかけられても、拒絶することなく付いていきました。

『親交を深めよう』なんて言っておいて、しのを連れて行ったのは学生街一番安い居酒屋で、つまみはどれもこれも不味く、お酒にいたっては全部が全部ぬるいそんな店で、上垣は『しのちゃん家に行きたい』と連呼しているのでした。

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【承】さがしもの のあらすじ②

伝説の古本

目的は一つだとわかっていながら、しのは上垣を家に連れて帰りました。

部屋が見たいと散々わめいていた上垣でしたが、玄関に入るなり部屋も見ずに押し倒してくる始末。

事を終えてやっと落ち着いたのか、上垣はシャワーも浴びずに寝てしまいました。

暇つぶしに上垣のカバンを漁ると古本屋で買ったであろう本が出てきました。

しのは探している伝説の古本かと期待しますが違っていました。

伝説の古本の話をしたのは、しののアルバイト先のお客さんの塚田でした。

食事をごちそうになり、その夜も、しの流のお礼を返した後、塚田が伝説の古本について話し出しました。

その本は背表紙にびっしり書き込みがしてあり、内容は『夕方六時に、向かいのマンションの明かりが、ぱちぱちと灯る』といったものや、『夏の昼下がり、住宅街の路地でカレーのにおい』といったよくわからないものだそうで、その意味不明な書き込みはどんどん増えていて、あちこちの古本屋をぐるぐる回っているというのです。

【転】さがしもの のあらすじ③

休講

ずいぶんつまらない伝説だと思ったしのでしたが、塚田から話を聞いて以来、何の気なしにその古本を探すようになります。

しのが通う大学近くには古本屋が数件軒を連ねており、塚田はそこで見かけたと言っていました。

その日は、講義が休講になった為、時間潰しで古本屋をまわることにしたしのは、店先に出ているワゴンの本を片っ端から検分していました。

そこへ、見知った顔がしのへ声をかけます。

どうやら彼も、休講になったドイツ観念論を受講している学生のようです。

名前が思い出せず愛想笑いするしの。

彼はいつもしのの席の前に座っていると言います。

彼も時間を潰しているらしく、二人でワゴンの本を漁り始めますが、黙ったままなのも気まずく、しのは彼に伝説の古本の話をします。

先日寝た上垣は、伝説の古本の話にまったく乗って来ず、目の前の彼もそうかと思ったしのでしたが、予想外に興味を示します。

立ち話もなんなので、近くの喫茶店に移動した二人。

塚田から聞いた伝説の古本についてしのは語り出します。

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【結】さがしもの のあらすじ④

サカイテツヤ

しのが伝説の本について語り終えると、彼は真剣な顔で、『それは、いろんな人の記憶じゃないかな』と見解を話します。

一番大切な記憶かもしれないし、一番最初の記憶かもしれない。

あるいは、一番満たされている時の記憶かもしれないという彼の意見に、しのは大きく同意します。

次の講義の時間になっても、二人は席を立ちませんでした。

お互い、伝説の古本について想いを巡らせていました。

しのが一番最初の記憶となるのは母親の二の腕でした。

けれど、一番大切な記憶、満たされている時の記憶となると何も思い浮かびません。

そのことに、しの自身驚愕していました。

そして、好きでもない男の子と寝るのはものすごく寂しく、つまらないことなのではないかと、この時に初めて思ったのでした。

別れ際、やっと彼の名前を聞き出したしの。

この日を境にすぐに男の人と寝ることをやめたしのは、ちょっとづつ変わりつつありました。

冬が過ぎて春になり、伝説の古本はまだ見つからず、しのは伝説の古本に書き込める大切な体験はまだしていません。

チャイムが鳴る中ぼんやり歩くしのの肩を、あの日一緒に探した男の子・サカイテツヤが叩きました。

遅刻すると声をかけ、しのの手首を掴んで走りだます。

触れられたところが熱く、急に恥ずかしくしの。

新緑の草木が春の日差しに照らされて、世界が色づいて見えます。

その景色の美しさに、しのははっと息を飲みました。

さがしもの を読んだ読書感想

本にまつわる9編の短編が収録されている『さがしもの』。

今回はその中で、誰とでも寝てしまい、自分の中で大切なものを見失っている女子大生・しのが初めて恋に落ちる『引き出しの奥』をご紹介しました。

伝説の古本なんて馬鹿馬鹿しいと思っていながら、大切ななにかを見つけようとするしの。

体目的の男のたちはしのの話には耳を傾けず、しのもそんな男のたちに何も期待していません。

それがしのにとって当たり前だから。

そんなしのの前にあらわれたサカイテツヤは、しのの伝説の古本についての話を馬鹿にすることなく真剣に聞いてくれます。

ラスト2ページは圧巻です。

世界が一気に華やぎ、色彩豊かに変化する様がしのの初恋にのせ見事に表現されています。

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