「森に眠る魚」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|角田光代

「森に眠る魚」

【ネタバレ有り】森に眠る魚 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:角田光代 2008年12月に双葉社から出版

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森に眠る魚の主要登場人物

小林瞳(こばやしひとみ)3歳の息子がいる。高校時代、接食障害になったことがある。夫に委縮してしまいがちである。

久野容子(くのようこ)
瞳の息子と同じ年の子がいて幼稚園入園をきっかけに知り合う。思い込みの激しい性格である。

高原千花(たかはらちか)
瞳の息子と同じ年の息子がいて、幼稚園が一緒。自分とは全く異なる自由奔放な妹がいてコンプレックスを感じている。息子に色々な習い事をさせている。

繁田繭子(しげたまゆこ)
27歳。産婦人科で瞳と知り合い仲良くなる。田舎者だが都会に憧れ、義父の遺産を頭金にして、無理をして高級マンションに引っ越してくる。

江田かおり(えだかおり)
瞳と同じ高級マンションに住むセレブ主婦。一人娘を私立の小学校に通わせている。

田山大介(たやまだいすけ)
かおりの長年の愛人。かおりの元上司。

森に眠る魚 の簡単なあらすじ

東京の文教地区の街で知り合い、子育てを通じて心を通わせるようになった5人の母親たちが主人公です。一緒に写真を撮ったり、ピクニックをしたりと良好な関係を築いていきますが、ある日、たまたま受けた「お受験」がテーマの取材をきっかけにして、その関係性が少しずつゆっくりと変わっていきます。取材する前までは受験に否定的であった母親たちですが、取材が元で、自分たちの子どもを受験させようと躍起になっていきます。そして、そのことで良好な関係に亀裂が生まれ、いつしか、お互いの心に嫉妬、羨望、優越感、劣等感が生まれてくるのでした。

森に眠る魚 の起承転結

【起】森に眠る魚 のあらすじ①

森の前で出会った彼女たち

田舎出身で、都会に憧れ文教地区に引っ越してきた繭子、会社経営の夫をもつ高原千花、宗教家の夫をもつ瞳、まじめな性格の容子は子供を通じて出会い、仲良くなります。

ある日、繭子のもとに、引っ越しの日に知り合った同じマンションに住むセレブのかおりから連絡がきます。

それは、4人に取材をしたいという話でした。

かおりは以前出版社に勤めていたのですが、その時の同僚でフリーライターの橘ユリが子供の教育に非常に興味があり、同時に加熱している小学校受験に疑問も感じており、私立幼稚園に通わせている母親に話をききたいとうことでした。

その時点では小学校受験など考えていなかった瞳は取材の話を断るつもりでいました。

しかし、幼稚園の他の母親から「のんきなふりして子供に色々習い事をさせている」と揶揄されている千花の姿をみて考えが変わり、教育観については人それぞれであることを橘ユリに話してやろうと意気込み、取材を受けることにしたのでした。

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【承】森に眠る魚 のあらすじ②

森の入り口

取材の当日、瞳は橘ユリに、確かに教育熱心な母親もいるが、自分たちはそうではない。

有名小学校に行かせたからといって幸せとはかぎらないと頬を熱くして語ります。

容子も同調する。

橘ユリはその話を聞いて、「私立を受験させることを、ブランドのバッグを持ち歩くようなおかあさまもいるが、そのことをどう思うか」とたずねます。

すると、瞳と容子も、受験熱心な母親たちを揶揄して笑います。

その様子をみていた千花は、橘ユリが、あらかじめ受験をする母親としない母親の敵対関係を筋書きにして、瞳と容子に誘導尋問していることをみぬきます。

千花は、そのことをやんわりとユリに指摘すると、ユリは「あなたも受験はさせないと決めているのか」と質問します。

千花は、「うちは子供の意思にまかせる。

子供が受験したいといえば準備する」と冷静に語ります。

そんなことを話す千花を初めてみる瞳と容子は驚きます。

もちろん、千花は、橘ユリの思うとおりになりたくないのでその場しのぎの話をしただけですが、瞳と容子は、千花が受験を考えていたことに内心驚きます。

そして、このことがきっかけで、彼女たちの関係性がかわることになるのです。

【転】森に眠る魚 のあらすじ③

森に迷いこんだ彼女たち

 橘ユリの取材をきっかけに、容子は子どもを幼児教室に体験入室させます。

それまでは受験に夢中になっている母親たちを軽蔑していたのに、千花が受験を考えていることを聞き、急に不安になり慌てて体験の予約をしたのでした。

しかし、子供の一俊はうつむいて泣いてしまい、体験レッスンについていけません。

その帰りに、瞳に連絡をとり、幼児教室でのことを相談します。

瞳は、自分が実は小学校受験をして短大まで付属の学校に通っていいた過去を話します。

学校になじめなかった瞳は高校の頃に摂食障害になったが、学校側が自分を見捨てなかったこと、そしてそれは私立だったからではないかと話すのでした。

そして、千花も誘い、三人で受験教室を探そうと提案します。

千花がいくつかの幼児教室を探して、三人で体験レッスンにいきますが、ここで瞳の息子、光太郎だけの出来がよく、容子と千花の子供たちは体験レッスンにうまく参加できませんでした。

そのことで千花は瞳、そして光太郎に嫉妬を感じてしまいます。

さらに容子は一俊を幼児教室にいれることはあきらめ、家でプリントをやらせることにします。

結局、三人は同じ幼児教室に通うことはなく、それぞれが別々の方法で小学校受験を目指すことになるのですが、次第に三人の距離は少しずつ離れていってしまいます。

そして、同じころ繭子は、自分の娘をタレント事務所に登録し、お金を稼がせて高級マンションのローンや生活費をねん出しようとしていました。

お金がほしい繭子は、幼児教室に光太郎を連れていく瞳に、下の子を預かると話しをもちかけて、ベビーシッター代を請求します。

ここでも、繭子と瞳の関係性もまたしだいにくずれてゆくのでした。

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【結】森に眠る魚 のあらすじ④

迷いこんだその先へ

子どもをタレント事務所に登録し、そのために洋服などをサラ金で借りていた繭子は、そのことを夫に知られ、住んでいたマンションを売却して借金を返して新生活をスタートさせました。

第一子の長男をお受験教室に入れて、私立の名門小学校受験に奔走していた千花ですが、結局息子の雄太は受験に失敗してしまいます。

千花は最初は現実を受け入れられずにいらいらとしていたが、自分自身が変わるしかないと決意して、雄太の区立小学校入学の準備にいそしむ。

そして、確執のあった妹とも和解の兆しをみせます。

セレブ妻のかおりは、一人娘の衿香を私立の小学校に入学させて順風満帆と思われました。

が、衿香はその後、精神のバランスを欠くようになってしまいます。

かおりは現実を受け入れ、娘と一緒にカウンセリングを通じて向き合います。

そして、衿香と夫を大切にすることを決め、愛人の大介と決別をするのでした。

瞳の息子、光太郎は私立の小学校に合格します。

しかし、千花、容子とはよそよそしくなってしまったことで瞳は落ち着かない日々を過ごし、過食に走る自分をとめることができない日々を送っています。

容子の息子国立大付属の面接で不合格になってしまい、瞳や千花と以前のように仲良い関係には戻れず、鬱蒼とした気持ちで過ごしていましたが、ある日待望の第二子の妊娠がわかり、優しい気持ちになれます。

瞳の過食がなおっていないというダークな部分もありつつ、容子のお腹に新しい命がやどっている未来という兆しをみせたところで、物語は終わります。

森に眠る魚 を読んだ読書感想

育児を通じて心を通わせていたママ友たちが、「お受験」をきっかけに、だんだんとその関係にひびを生じてしまう変化がとても丁寧に描写されていました。

彼女たちが子育てをきっかけに、助け合ったりはげましあったりしてともて仲良く過ごしているのは、読んでいて本当に羨ましいとさえ感じました。

しかし、子どもを通じて友情というのは本当に難しいものであるということを深く考えさせられます。

女同士の友情はただでさえうまくいかないケースが多いといわれます。

そこに、子ども、そして受験などがからんでしまったら、もう壊れていくしかないのか、、、と読んでいて希望すら失ってしまいました。

しかし、それでも、ラストは絶望ではなく、かすかな光がみえたことがこの物語の救いになっていると思います。

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