「at Home」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|本多孝好

「at Home」

【ネタバレ有り】at Home のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:本多孝好 2010年10月に角川書店から出版

スポンサーリンク

at Homeの主要登場人物

森山和彦(もりやま かずひこ)
父親。泥棒をして家族を養う大黒柱。

森山皐月(もりやま さつき)
母親。結婚詐欺をして家族を養っている。

森山 淳(もりやま じゅん)
長男。高校は進学せず、パスポート偽造屋で働いている。

森山明日香(もりやま あすか)
長女。中学三年生で受験を控えている。

森山隆史 (もりやま たかし)
次男。小学六年生で大のゲーム好き。

at Home の簡単なあらすじ

家族五人賑やかに暮らす森山家には秘密がありました。父親は泥棒、母親は結婚詐欺師、長男はパスポート偽造をして生計を立てている犯罪一家なのです。ある日、母親の皐月が結婚詐欺のターゲットとして狙っていた人物に逆に誘拐されてしまいます。身代金一千万を要求され、助けに向かう父・和彦と主人公の淳でしたが、思わぬ展開が待っており……。

at Home の起承転結

【起】at Home のあらすじ①

森山家

家族五人で暮らす森山家には秘密がありました。

父親は泥棒、母親は結婚詐欺、長男は高校へは進学せずパスポート偽造をして生計を立てているのです。

両親と長男が犯罪者にもかかわらず、森山家は明るく、家族仲良く暮らしていました。

長男の淳は頭が切れ、パスポート偽造職人として腕をふるう傍ら、父親の和彦が盗んでくる窃盗品の管理や、長女・明日香の高校進学準備、母親の皐月の白髪染めまで手伝っています。

長女の明日香は学校が終わると友達とカラオケやゲームセンターで遊ぶことなく図書館で少し勉強をし、その後は買い出しをしたりクリーニングの受け取り、夕ご飯作りに洗濯や掃除など家事全般をこなしています。

次男の隆史は学校が終わるとまっすぐ家に帰ってきて、夕ご飯ができるまで部屋にこもってゲームに没頭しています。

現実世界で友達はいらないと感じていますが、小学六年生にしてもう彼女はいるようで、兄の淳は小学六年生の弟に先を越され複雑な心境です。

普通の家庭ではありませんが、助け合いながら家族仲良く暮らしています。

スポンサーリンク

【承】at Home のあらすじ②

ターゲット

とある日、夕食の席で母親の皐月が次の結婚詐欺のターゲットについて話し始めました。

土地持ちのボンボンで月収一千万円の三十四歳だというこの男。

皐月がいつも狙っているのは若いイケメンの金持ちばかりで、引き出す金額も五〜六十万、多いときで百万円でしたが、今回は相手が相手だけに金額も強気に出ようと考えていました。

家族総員で作戦を練る森山家。

借金を背負ったことにして相手からお金を引き出すことを思いつきます。

IT系は皐月がコンピューターに疎く説得力に欠ける為、白金あたりで洋服やジュエリーのセレクトショップを開業したがさっぱり売れず、仕入れや改装費、利子が積もりに積もって一千万の借金ができてしまったというところで話がまとまります。

そこにターゲットのボンボン・ミツルから皐月の携帯に連絡が入ります。

再来週にミツルの両親の結婚パーティーがあるので、参加用のドレスを明日にでも買いに行こうとの誘いでした。

ミツルは皐月に夢中のようです。

【転】at Home のあらすじ③

皐月はミツルとデート為出掛けていきました。

そろそろ一回寝てあげなきゃと意気込んでいたので夜遅くまで帰らないことは家族全員承知でしたが、それにしても帰りが遅いので心配しています。

普段の仕事なら遅くとも終電までには帰宅していますが、今回は日付が変わっても連絡はありませんでした。

ターゲットの男といる中、家族からする連絡は控えているので、皐月からの連絡を待つしか他はありません。

和彦と淳が居間で待機しているところに皐月の携帯から着信が入ります。

和彦が電話に出ると、聞きなれない男の声がしました。

緊張が走る和彦。

皐月は麻酔薬で眠らされ拘束されているようです。

相手は皐月がカモにしようとしていたミツルという男でした。

口悪く皐月を罵った後に身代金一千万を要求します。

なんと相手も皐月と同じ結婚詐欺師だったのです。

翌朝までに身代金を用意しろという指示で電話は切れます。

森山家にはもちろんそんな大金はありません。

相手を殺すことが頭をよぎる淳でしたが、その一線は越えてはいけないと和彦は諭します。

冷静になった淳は、パスポート偽造の師匠であるゲンジに一千万円分の紙幣偽造を依頼します。

スポンサーリンク

【結】at Home のあらすじ④

家族

ゲンジに偽札を用意してもらった淳と和彦、弟の隆史は、皐月救出に向かいます。

隆史は現場近くで待機し危険が及んだ場合警察に連絡する役目を担います。

ミツルから連絡がはいり、ホテルに誘導された淳と和彦は指定の部屋まで辿り着きました。

全裸になるよう指示され中に入った二人はミツルと対面します。

目つきに品がなく、普段の皐月なら相手にしないような男でした。

皐月は明日香の高校進学の為に、危険と承知で仕事に臨んでいたのです。

皐月が横たわっている映像を見せ、このホテルのある部屋に皐月を隠したと言い、ミツルは一千万を持って逃亡しようとします。

そこに近くで待機していた隆史が部屋に突入してきます。

皐月が暴行されたことを知った隆史は激高。

拳銃でミツルの足を撃ちます。

必死で止める和彦と淳ですが、皐月に暴力を振ったミツルを許せない隆史は止まりません。

隆史の皐月への気持ちを汲んだ和彦は、隆史を殺人者にしないが為に、ミツルに向けて発砲しとどめを刺します。

警察の捜査が家族に及ぶことを危惧し、ミツル殺しで出頭。

皐月がしてきた結婚詐欺の部分にスポットが当たらぬよう、森山家を守る為の苦渋の選択でした。

十二年の刑期を終えて出所した和彦を森山家の面々は温かく迎え入れます。

淳と明日香が結婚し、子供もできていました。

実は森山家は誰一人血は繋がっていなかったのです。

行く当てのなかった者同士が集い身を寄せ合って暮らすうちにひとつの家族ができ、生活を共にしていたのでした。

和彦を迎え入れ、新たなスタートをきる森山家の姿がそこにはありました。

at Home を読んだ読書感想

父親は泥棒、母親は結婚詐欺、長男はパスポート偽造とくれば暗い家族の物語かと思い読み始めましたが、序盤からコミカルな軽い雰囲気で読みやすい作品でした。

読みやすいと言っても内容が浅いというわけではなく、家族の在り方について考えさせられる内容になっています。

隆史の皐月を守ると約束したというシーンから始まる、本当の意味での森山家の秘密は胸にぐっときました。

血のつながらない人が身を寄せ合って家族になるという設定は『万引き家族』も同じですね。

豊かになったと言われる現代日本でもスポットが当たらないだけで、こうして「家族」として暮らしている人たちはいるんでしょう。

コメント