「ジェシーの背骨」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|山田詠美

「ジェシーの背骨」

【ネタバレ有り】ジェシーの背骨 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:山田詠美 1986年7月に河出書房新社から出版

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ジェシーの背骨の主要登場人物

ココ(ここ)
ヒロイン。 恋人の連れ子に悩まされる。

リック(りっく)
ココの恋人。 サンフランシスコ出身。

ジェシー(じぇしー)
リックが先妻の日本人との間に授かった息子。 11歳。

アレックス(あれっくす)
ジェシーの親友。

グレゴリー(ぐれごりー)
ココのかつての恋人。

ジェシーの背骨 の簡単なあらすじ

ココはクラブで意気投合したリックの家に招かれた末に、彼の11歳になる息子・ジェシーを紹介されます。突如として目の前に現れた父親の年若い交際相手に対して、ジェシーは敵意を隠すことはありません。思い悩みながらも一途な愛情を注いでいくココを見ているうちに、頑なだったジェシーも少しずつ心変わりをしていくのでした。

ジェシーの背骨 の起承転結

【起】ジェシーの背骨 のあらすじ①

小さな悪魔のような11歳

ココはクラブで友人たちを引き連れて大騒ぎをしているときに、静かにお酒を飲んで佇んでいるリックに興味を抱きました。

離婚した妻との間に授かった11歳の息子、彼との間に築き上げた親子ではなく親友のような関係。

リックの話に心惹かれていったココは、そのまま彼の家に行き一夜を共にします。

次の日に朝食のテーブルについたココが目の当たりにしたのは、彼女に対して軽蔑したかのような眼差しを向ける東洋人の血が混じった男の子の姿です。

ジェシーと名乗ったその少年は挨拶も食事もそこそこにして、 仲の良いアレックスの家に避難してしまいました。

以後週末になるとココはリックのもとに通うようになりましたが、なかなかジェシーとは打ち解けることが出来ません。

そのうちにお酒好きなリックの父が危篤になっため、実家のサンフランシスコへ10日ほど滞在することになります。

ココは不安を感じながらも、 自らがこの家に残ってジェシーの面倒を見ることを申し出ました。

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【承】ジェシーの背骨 のあらすじ②

強力な助っ人を呼ぶ

ココがジェシーとのふたりっきりの生活をスタートさせた途端に、心配した彼女の友達が代わる代わる様子を見に来るようになりました。

相変わらずジェシーはココに慣れようとはせずに、自分の部屋に閉じ籠もったままで音楽ばかり聴いています。

忙しい仕事の合間を縫ってココは手作りした料理をご馳走しようとしますが、ジェシーは手を付けません。

思い余ったココが助けを求めた相手は、以前に短期間だけお付き合いをしていたことがあるグレゴリーです。

ココと別れた後にグレゴリーは別の女性との間に子供を設けて、今ではすっかり1児の父親といった貫禄がありました。

グレゴリーは言葉巧みにジェシーに取り入って、あっという間に仲良しです。

リビングルームでふたりでテレビゲームに興じたり、お風呂に入れてあげたり、歯を磨かせた後に早めに寝かしつけたり。

血の繋がりがないグレゴリーとジェシーが心通わせている姿を見て、ココも僅かながら救われたような気持ちになっていきます。

【転】ジェシーの背骨 のあらすじ③

別れた後も未練がましい母

ココは自分のアパートから身の回りの持ち物をリックの家に運び込んで、 本格的な同棲生活を始める覚悟を固めました。

リックからは電話で連絡があって、父の容態は幸いにして持ち直したようであと3日ほどで戻ってくることが決まります。

せっかくのリックからの朗報にも、ジェシーはまるで関心を示すことはありません。 ジェシーの態度が俄に一変したのは、リックが帰ってきて以前のように3人での暮らしが再開してからのことです。

まるで赤ちゃん返りしたかのように、盛んにリックにまとわり付くようになりました。

そんなある日のことリックが家の中に招き入れたのは、元妻でありジェシーにとっては生みの親でもある女性です。

息子の様子を心配してやってきた女性は、 突如としてジェシーに二者択一を迫ります。

リックとココと一緒にこの場所に残るのか、母親と彼女の再婚相手を交えた3人で新しい家族になるのか。 ジェシーのが出した答えは、「今は、ここにいる」です。

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【結】ジェシーの背骨 のあらすじ④

ふたりの距離を縮める夜の炎

その晩リックは行き先を告げずに家を飛び出したままで、 一向に帰ってくる気配がありません。

厄介事に直面するとアルコールに逃げてしまうのは、 彼の悪い癖でもあり父親譲りでもあるのでしょう。

ココとジェシーの気まずい沈黙は、火災を知らせる消防車のサイレンによって破られました。

リックたちの家のすぐ近所で発生したようで、隣の住人の騒ぐ声も聞こえてきます。

バルコニーに出たふたりが目にしたのは、空を赤く染め上げていく輝きです。

徐々に身体を震わせながら怯えた表情を浮かべていくココに、ジェシーは出会ってから初めて優しく思いやりのある言葉をかけました。

大人の女性と小さな子供というこれまでの立場は、この非常時ばかりは真逆です。

ようやく火が消し止められて部屋の中に戻る時に、ココは後ろからジェシーの背中を押してあげます。

小さな骨で組まれた背骨が彼女の手のひらに当たった時に、憎しみでも愛でもない不思議な気持ちを感じ取るのでした。

ジェシーの背骨 を読んだ読書感想

恋人の連れ子に振り回されていくヒロイン・ココの悪戦苦闘ぶりが、時にシリアスに時にはユーモアを交えて描かれていました。

若干11歳ながらも大人の女性を手玉にとってしまう、ジェシーの抜け目の無さには驚かされます。

その一方では実の母親から得ることができなかった愛情を、憎んでいるはずの父の恋人に対して求めてしまう姿が何ともいじらしいです。

年齢の離れたふたりの男とひとりの女によって繰り広げられていくメロドラマで終わることなく、血の繋がりに依存することのない新しい家族の可能性についても考えさせられるストーリーでした。

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