「くっすん大黒」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|町田康

「くっすん大黒」

【ネタバレ有り】くっすん大黒 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:町田康 1997年4月に文藝春秋から出版

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くっすん大黒の主要登場人物

楠木(くすのき)
主人公。映画俳優を辞めて現在は無職。

夏子(なつこ)
楠木の妻。

菊池元吉(きくちもときち)
楠木の後輩。大学生。

吉田(よしだ)
古着屋「紅津」の従業員。

上田京一(うえだきょういち)
画家。現在は消息不明。

くっすん大黒 の簡単なあらすじ

ある日突然に仕事を辞めた楠木は、妻にも見放されて家で無為な時間を過ごしています。部屋の隅っこに転がっていた大黒の置物に不吉な予感を感じた楠木は、捨てる場所を探しに外を出歩きますがなかなか見つかりません。後輩の菊池元吉の家にまで持ち込んだ大黒は、相変わらずブヨブヨした顔に不気味な表情を浮かべているのでした。

くっすん大黒 の起承転結

【起】くっすん大黒 のあらすじ①

私にそっくりな大黒

楠木は3年間毎日家でお酒を飲んでばかりで、仕事に行くこともありません。

かつてはハンサムだったその顔も酒ぶくれと運動不足でブヨブヨになり、あきれ果てた妻の夏子は金目の物を持って何処かへ消えてしまいました。

最近になって楠木が気になっているのは、15センチくらいの大きさの金属でできた大黒の置物です。

膨れ上がったその顔面はまさに今現在の楠木のようで、だらしなく横に倒れていて起き上がることがないのは重心のバランスが悪いためでしょう。

不愉快な大黒を古新聞に包んで家の近所のコンビニ前のプランターに捨てようとしましたが、交番勤務の巡査に呼び止められた末に不審者と誤解されてしまいます。

更新期限切れの免許証を提示してようやく解放された楠木は、大黒を捨てる場所を探してあちこちを彷徨い歩いてばかりです。

ふとした瞬間に後輩の菊池元吉のことを思い出したために、待ち合わせ場所を駅の改札口に指定して彼に会いに行くことにしました。

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【承】くっすん大黒 のあらすじ②

厭々ながらもバイトを始める楠木

菊池元吉は岩手県から上京して来た大学生で、裕福な実家から仕送りを受けながら独り暮らしを送っていました。

これ幸いと楠木は大黒を片手に菊池の自宅に転がり込んで、気が向くままにお酒を飲んだりギターを弾いたりする毎日です。

やがてお金が無くなった菊池は古着屋のアルバイトを見つけてきて、ふたりで代わり番こに働くことになります。

1日目に「紅津」に出勤した楠木でしたが、もうひとりの店員・吉田はまるで仕事をしません。

チャアミイと名乗った常連客らしき中年女性と、無駄話をしたりお茶を飲んだりして寛いでいました。

慣れないながらも何とか接客対応からレジ番までを独りでこなした楠木は、午後2時から7時までの勤務が終わると早々と退散します。

次の日は菊池が出勤する日でしたが、吉田とチャアミイにたっぷりと可愛がられたようです。

菊池の履歴書を見たチャアミイから電話がかかってきために、楠木は大黒を置きっぱなしにして自宅へ逃げ帰りました。

【転】くっすん大黒 のあらすじ③

忘れられた蛸アーティスト

吉田とチャアミイに恐れをなした菊池も勝手についてきて、しばらくは楠木の家に隠れていました。

10年ほど前に映画に出たことがある楠木に、 久しぶりに仕事が舞い込んできます。

上田京一という現在行方不明の芸術家の足跡を追うドキュメンタリービデオへの出演依頼で、楠木の役はリポーターです。

3泊4日で10万円というギャラを聞いた楠木は、菊池をマネージャー代わりに連れて撮影に向かいました。

現場を仕切るのは女性ディレクターの桜井で、彼女は上田の作品に心底惚れ込んでいるようです。

蛸のような奇妙な絵ばかりを描いている冴えない画家の、どこが良いのか楠木にはさっぱり理解出来ません。

当初の打ち合わせでは楠木が上田にゆかりのある人たちに話を聞く予定でしたが、2日目あたりから桜井がインタビュー中に口を挟むようになります。

最終日に上田の弟子であり愛人でもあった女性たちから袋叩きに遭った桜井は、ショックから滞在中のホテルの窓から飛び降りてしまいました。

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【結】くっすん大黒 のあらすじ④

報酬を受け取り別れる菊池とくっすん

桜井が宿泊していた部屋はホテルの2階で下は植え込みが設置していたために、幸いにして軽い捻挫で済み病院へと運ばれていきました。

事態が収集するまで待機指示が出ていた楠木と菊池は、喫茶店できつねうどんを食べたり波打ち際で亀を捕まえて遊んで時間を潰しています。

浜辺を散歩していたふたりの背後にいつの間にやら近づいてきたのは、黒いスーツを身に纏った強面の男性です。

彼こそが失踪していた上田で、つい最近まで人里離れた場所で創作活動に没頭していたと悪びれる様子もありません。

上田は出演料として約束していた10万円に、桜井と弟子たちが起こした騒ぎの口止め料として8万円を上乗せして楠木に手渡しました。

受け取った紙幣を山分けすると、菊池はひと足先に東京へ帰るようです。

砂の上に寝っ転がる楠木を見ていた菊池は、親しみを込めて「くっすん」と呼びかけます。

家に置いてきた大黒を捨ててもいいか尋ねてきた菊池に、楠木は「好きにしろ」と答えるのでした。

くっすん大黒 を読んだ読書感想

小説家としての執筆活動ばかりでなく、映画出演からミュージシャンまで幅広いジャンルで活躍している町田康の衝撃的なデビュー作です。

本能の赴くままに生きる楠木と、彼を取り巻く奇妙な人間模様が心に残りました。

いい年をしてお酒が大好きで労働が嫌いな破天荒な主人公にも、何時しか不思議な愛着が湧いてきます。

洋服屋のアルバイトからドキュメンタリー作品の案内人まで、意外にも様々な職種を器用にこなしてしまう順応性がユーモアたっぷりです。

朝会社に出勤するのが気が重い方や、働くことに疑問を感じている皆さんは是非この本を手に取ってみて下さい。

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