「ツバキ文具店」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|小川糸

「ツバキ文具店」

【ネタバレ有り】ツバキ文具店 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:小川糸 2016年4月に幻冬舎から出版

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ツバキ文具店の主要登場人物

雨宮鳩子(あめみやはとこ)
ポッポちゃんと呼ばれている。文具店を営みながら、代書屋をやっている。

バーバラ婦人
ポッポちゃんの隣に住む上品な夫人。

先代
鳩子の亡くなった祖母。

男爵
鳩子の幼少期を知る人物

QPちゃん
近くに引っ越してきた5歳の女の子

ツバキ文具店 の簡単なあらすじ

文具店を営んでいる雨宮鳩子は、代書屋でもあります。幼少のころから、先代の祖母に育てられ、厳しくしつけられました。そのことに反発し、一時は家を出て暮らしていましたが、先代が亡くなったことをきっかけに文具店に戻り、後を継ぎました。ツバキ文具店には様々な事情を抱えたお客さんが訪れて、鳩子に手紙の代書を依頼します。

ツバキ文具店 の起承転結

【起】ツバキ文具店 のあらすじ①

代書屋への目覚め

夏のある日、紺地に白い水玉模様のワンピースを着た女性(マダムカルピス)がツバキ文具店へやって来ました。

マダムカルピスは、お悔やみの手紙の代書を依頼しに来たのです。

代書をするためにポッポちゃんは、故人に関するエピソードを聞き出そうとします。

そして、依頼者の気持ちに寄り添いながら筆を走らせ一気に書き上げます。

次の依頼者は、離婚を報告する手紙の代書です。

元夫は、「離婚することになったが、それまでは幸せな結婚生活だったことも書いて欲しい」と言います。

この手紙を出すことによって「終わりよければすべてよし」というものにしたいと要望します。

ポッポちゃんは、文章を考え元夫へ確認しながら進めて行きます。

手紙に使う便せん、封筒、横書きか縦書きかを一つずつ考え、最善のものへと仕上げます。

切手にもこだわり、結婚当時に発売されたものを取り寄せました。

この代書を成し遂げたポッポちゃんは、代書屋としての自負が芽生えていました。

そして、ツバキ文具店はお盆休みに入りました。

ある日、バーバラ婦人からディナーのお誘いがあり出かけます。

楽しい時間を過ごしたポッポちゃんは、自宅へと帰って行きました。

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【承】ツバキ文具店 のあらすじ②

代書屋への思い

季節は秋になりました。

今回の依頼は、結婚を約束していたにもかかわらず結婚できなかった彼女に「僕が生きていることだけを伝えて欲しい」と言います。

依頼者に思いやエピソードを聞き、気持ちを込めて手紙を書きあげました。

10月のある日、男爵が店にやって来ました。

自分に来た手紙に返事を書いて欲しいとの依頼です。

友人から借金の申し込みの内容で、「お金は貸せないが恨まれても困る」と男爵は言いたいことだけ言って去っていきます。

預かった手紙を一読したポッポちゃんは、感じた気持ちを表すために下書きなしの一発本番で書き上げた。

そして、男爵は代書に満足したのか「鳩子、おごってやる」といい、鰻屋へ行きます。

色々な話をするうちに鳩子のおしめを替えたこともあると言います。

言葉は偉そうに発する男爵ですが、その言葉には暖かさがにじんでいます。

男爵は代書屋として先代から引き継いだ鳩子を見守っているのです。

そんなことがあった翌週に、背が高いきれいな女性がツバキ文具店へやって来ます。

女性は自分の字が汚いので、義理の母への手紙を代書して欲しいと言います。

書き上げた手紙を見て、この女性は涙を流して喜びました。

【転】ツバキ文具店 のあらすじ③

代書屋のスランプ

正月が明けました。

深刻な表情をした男性がツバキ文具店を訪れました。

「母を楽にしてあげて欲しい」という依頼です。

例のごとくポッポちゃんは、男性から話を聞き出します。

90歳を過ぎた母親は現在施設に入居していて、亡くなった夫から手紙が来るはずだから家に帰りたいと言っているのです。

家を整理していると父親と母親がかつてやっていた手紙のやり取りが束で見つかりました。

その束をポッポちゃんに預けて天国から母親宛の手紙を依頼し帰って行きました。

ポッポちゃんはすべての手紙を読み、悩みました。

スランプ状態です。

そんな時、隣のバーバラ婦人から七福神巡りに誘われます。

男爵も一緒で、パンティーというパンを焼くのが好きな女性も一緒に行くというのです。

気晴らしに出かけて楽しい一日を過ごし、帰りにフラッと立ち寄った喫茶店で突然ひらめき、手紙を一気に書き上げます。

そして数日たったある日、男性が店を訪れ母親が手紙を読んだ後、静かに息を引き取り天国へ旅立ったとのことでした。

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【結】ツバキ文具店 のあらすじ④

代書屋の決意

ツバキ文具店の郵便受けに、一通の手紙が入っていました。

5歳の少女で近所に引っ越してきたQPちゃんからで、手紙の文字は所々、鏡文字になっていますが一生懸命書いています。

QPちゃんには母親がいなくて父親がツバキ文具店の近所でカフェを営んでいます。

ポッポちゃんは、早速QPちゃんへ返事の手紙を書きます。

クレヨンを使いカラフルに仕上げます。

それから数日たったある日、絶縁状を書いて欲しいという依頼が来ます。

ポッポちゃんは、匿名さんと名付けたそのお客さんから、相手とのエピソードを聞き出そうとします。

相手は大の親友で姉妹と間違われるほどの仲だったと言います。

でも今は、関係を断ちたいと思っているとのことで、またまた悩んでしまいます。

そんな時、QPちゃんから手紙が届きます。

QPちゃんの鏡文字を見て、絶縁状にも鏡文字で書こうとひらめきます。

書き上げた手紙を投函した数日後、再び絶縁状の依頼が来ます。

今度は、ポッポちゃんの同級生の舞ちゃんが依頼人です。

宛先はお茶の先生に対してでした。

舞ちゃんの気持ちを代弁し手紙を書きあげます。

舞ちゃんの旅立ちの手紙です。

それからポッポちゃんは、先代に対して手紙を書きました。

生前に言えなかったことをしたためた後、眠りに就きました。

ツバキ文具店では、先代の気配を感じながら代書屋を続けて行きます。

ツバキ文具店 を読んだ読書感想

鎌倉の街のイメージにピッタリのツバキ文具店は、心温まるエピソードがいっぱいです。

一時は反抗し先代の元を離れ、家から出たポッポちゃんですが、結局は先代のおばあちゃんと同じ代書屋になります。

バーバラ婦人をはじめ、男爵やパンティーなど周囲の人々に見守られながら代書屋としての矜持を培って行く姿は、読者の心に響くものがあります。

様々な依頼者と様々な内容の手紙を、それぞれの立場や状況にあった便せんを選び、文字すら依頼者のイメージに合った形を生み出し、切手にまでこだわり、依頼者の気持ちに寄り添って行く懸命さが印象的です。

悩むこともありますが、これからも代書屋を続けていく決意が最後に見られて良かったなと思いました。

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