「失踪HOLIDAY」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|乙一

失踪HOLIDAY(乙一)

【ネタバレ有り】失踪HOLIDAY のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:乙一 2001年1月に角川書店から出版

失踪HOLIDAYの主要登場人物

菅原ナオ(すがわらなお)
本作の主人公。中学二年生。家出をし、誘拐の自作自演を計画する。

楠木クニコ(くすのきくにこ)
菅原家の使用人。二十代半ば。ナオの家出と誘拐の計画に加担する。

キョウコ(きょうこ)
ナオの義理の母で父の再婚相手。ナオとは仲が悪い。

パパ(ぱぱ)
ナオの義理の父親。死んでしまった母の再婚相手。お金持ち。

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失踪HOLIDAY の簡単なあらすじ

菅原ナオはキョウコとの不仲が原因で家出をする。数日後には家に戻るが、菅原家の使用人である楠木クニコの部屋に居候を始める。しばらくクニコの部屋にいたナオであったが、帰ろうと決意する。しかしキョウコたちの談笑する声を聞き、帰ろうという意志はしぼんでしまう。キョウコたちを困らせようとナオは自分が誘拐されたことに。そして身代金を用意させるという計画をたてた。

失踪HOLIDAY の起承転結

【起】失踪HOLIDAY のあらすじ①

家出少女

菅原ナオは六歳になるまで母と二人、普通のボロアパートで暮らしていましたが、母が再婚し、暮らしが少しだけ豊かになります。

しかし裕福な家に来て二年後、母が病気で死んでしまいます。

ナオが中学二年生になると父がキョウコと再婚をします。

ナオが家出をしたのは十二月二十日のことでした。

原因はキョウコとの不仲でした。

友人の家に二泊三日ほど潜み、その間、いろいろな場所へ行きました。

ナオは不意に、そろそろ家へ戻ってみようかという気になり、友人と別れ菅原家へ戻ることにします。

家に戻ると家の中は無人でした。

菅原家には「母屋」と「離れ」があり、ナオは離れに行ってみます。

声を出して呼んでみると、二階のほうから使用人の誰かが返事する声がします。

ナオが二階に行ってみると、楠木クニコという使用人がいました。

ナオはクニコの部屋に入りました。

なぜ家に誰もいないのかとナオが尋ねると、クリスマスのショッピングに出かけたとクニコは言います。

それからナオはクニコの部屋に住み着くことになります。

 

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【承】失踪HOLIDAY のあらすじ②

誘拐計画

クニコの部屋に居座ることを決め、すぐにナオはその準備を行いました。

母屋の自室へ戻り、自分の生活に最低限必要なものを持ってきました。

次の日、二十三日も、ナオはクニコの部屋に居座ります。

二十四日のお昼、窓の隙間から監視を続けます。

すると父とエリおばさんの会話が聞こえてきます。

どうやら父は誘拐されたと思い、警察に電話しようとしますが、エリおばさんがそれをとめます。

困ったナオは次の日のクリスマス、クニコに便箋と封筒を買ってこさせ、家族あてに手紙を書きました。

手紙をクニコに渡し、その日のうちにポストへ投函させます。

自分が無事だということを説明しておけば、父も警察に連絡しないだろうと考えたのでした。

クニコの部屋に居座り続けて、十日以上経過しました。

家に帰ろう。

ナオはそう思い、クニコの部屋で暮らし始めて十三日目、一月三日の夜に離れを出ました。

しかし家の中から父やキョウコの談笑する声が聞こえてくると、「帰ろう」という意志が急速に萎えてしぼんでしまいます。

ナオは離れへもどり、娘を誘拐したという文面の手紙を書きました。

 

【転】失踪HOLIDAY のあらすじ③

計画の実行

夜中にクニコが帰ってくるころ、ナオを誘拐した犯人からの手紙は、ほぼ下書きが完成していました。

夜中の三時、クニコは封筒を郵便受けにいれるために部屋を出ました。

次の日の朝、封筒が発見されます。

警察の人間が数名、菅原家にやってきます。

夜になり、クニコが部屋に戻ってきます。

クニコの話では、警察や父やたちはじっと犯人からの連絡を待っているとのことでした。

そんな中、ナオは身代金を要求する案を考えます。

ナオは早急にこのくだらない騒動に決着をつけたかったのでした。

身代金を用意すること、受け渡しには使用人の楠木クニコを使うこと、そして、金と娘の交換を明日行うことなどを手紙に書きます。

クニコは封筒を持って、部屋を出てきました。

菅原家から三軒ほど離れた家の奥さんが問題の封筒を運んできたのは夕方の四時頃でした。

ナオは数時間の仮眠をとり、深夜の十二時に、現金の受け渡しに関する小道具などを製作し始めました。

手紙を作成しながら、クニコと打ち合わせをします。

早朝、まだ暗いうちにナオは家を出ました。

 

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【結】失踪HOLIDAY のあらすじ④

決着と事件の真相

朝の六時、ナオは家から一時間ほど歩いた先にある十代橋駅前のコンビニで、朝食にパンを買いました。

九時になるとナオは駅構内の片隅にある自動販売機へ向かい、その裏側へ、封筒を差し込みます。

ナオは鷹師駅へ向かい、改札を出ると駅前のポスト裏に二通目の手紙を貼り付け、鷹師緑地公園へ向かいます。

公園の風景を眺めながら、頻繁に腕時計へ視線をやっていました。

やがて時計の針が「12」の文字上で重なります。

ナオは公衆電話のボックスに入り、家の番号を押しました。

呼び鈴が鳴ると父がでます。

ナオは父と電話すると、目標のビルの中に入って公園を眺めます。

計画通りクニコがやってきます。

そのとき、クニコの後ろに、おかしな人影がありました。

男は徐々に歩みを速め、クニコに近づき、クニコの抱いていた鞄をつかみました。

ひったくりだと思ったナオはとっさに出ていきますが、男に衝突してしまい意識を失ってしまいます。

目を覚ますと家の中でした。

ナオがクニコのことを尋ねますが、クニコは家を出て行ったということでした。

その後、ナオはクニコに再会し、ことの真相を聞きます。

クニコはナオの計画を利用して身代金をとっていたのです。

クニコの鞄をひったくった男はクニコの旦那だったのです。

 

失踪HOLIDAY を読んだ読書感想

誘拐を自作自演するという一風変わったストーリー。

大どんでん返しとまではいきませんが、意外な結末が待っている作品です。

計画に利用していたと思っていたナオは実は計画に利用されていたというわけです。

しかも犯人はいかにも冴えない使用人のクニコ。

この点も意外です。

彼女はナオに利用されているふりをして、着実に計画を遂行していたのです。

さすが乙一といいたいところですね。

こういった意外な結末を用意しているのは乙一氏の人気ある所以だと思います。

ところどころに笑えるところもあっておもしろいです。

失踪HOLIDAY、とても楽しめる作品です。

乙一氏作品はやはり期待を裏切りません。

 

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