【ネタバレ有り】響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:武田綾乃 2017年9月に(株)宝島社から出版
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編の主要登場人物
黄前久美子(おうまえ くみこ)
2年生 ユーフォニアム担当 ユーフォの中では一番の実力者 1年生指導係 面倒見はよいが少し気が弱い。
久石奏(ひさいし かなで)
1年生 ユーフォニアム担当 礼儀正しく敬語を使う 友達は多く1年生の中で顔が広い
鈴木美玲(すずき みれい)
1年生 チューバ担当 おとなしく友達付き合いが苦手 演奏技術は高い
鈴木さつき(すずき さつき)
1年生 チューバ担当 明るく誰とでも話ができるが、人の心を読むことは苦手
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 の簡単なあらすじ
北宇治高校吹奏楽部も新しい年度を迎え、多くの1年生が入部してきました。ところが、低音パートに入部してきた1年生は一癖も二癖もある個性豊かな子達ばかりです。そんな1年生を早く低音パートの一員として大きな輪を作っていくために先輩達は苦慮していきます。
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 の起承転結
【起】響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 のあらすじ①
北宇治高校吹奏楽部は卒業していった先輩の推薦により、新部長には吉川優子、副部長には優子と犬猿の仲である中川夏紀が就任しました。
4月になり昨年度全国大会に出場した事もあり、多くの1年生が入部してきました。
低音パートではチューバに無駄に明るい経験者の鈴木さつきと表情が暗くおとなしそうな経験者の鈴木美玲、2人は小学校の同級生でした。
コントラバスには中性的な顔立ちをして無気力な感じの経験者の月永求、ユーフォニアムには人懐っこそうで言葉遣いが丁寧な経験者の久石奏。
どの1年生も経験者でこれからを楽しみにする先輩達でした。
いよいよ1年生も含めて練習が始まり、1年生の本性が見え隠れしてきました。
月永求はいつも不機嫌そうでツンツンし、久石奏は相手の事を考えずずばずばものを言い、求と奏の関係は最悪でした。
鈴木さつきは人懐っこいが鈴木美玲に対し妙に馴れ馴れしく、この2人の関係も微妙なのです。
吹奏楽部は1年生が43人入部し総勢89人となりました。
吹奏楽部の昨年の目標は「全国大会出場」でした。
弱小だった吹奏楽部は新しい顧問である滝昇を迎え、山ほどの問題を乗り越えその目標を達成しました。
しかし、全国大会では銅賞でした。
そして今年の目標を「全国大会金賞」と決めました。
【承】響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 のあらすじ②
今年黄前久美子は1年生指導係という役職を2年生の加部友恵と一緒に任されていました。
加部はトランペット担当で優子部長とも仲の良い人です。
加部は経験者を、久美子は初心者を担当する事になっていました。
パート練習ではコントラバス担当の2年生の川島緑輝が月永求の指導をしていました。
緑輝はコントラバスの上級者であり昨年のAメンバーです。
緑輝に対しても横柄な態度をとっていた求は緑輝の演奏を聴いて、自分の演奏とは全く違う事を知り、弟子にしてほしいと頼み、緑輝に対しての求の態度は豹変したのです。
ユーフォニアムの奏は人を頼るのが上手く久美子によく教えてもらいに来るのですが、同じパートの3年である中川夏紀には一度として助言を請うた事はありません。
チューバのさつきは同じ楽器の2年生加藤葉月と仲が良く、残って練習するのでみんなと仲良くなるのですが、美玲は練習が終わると早く帰るので孤立し居場所がなくなっていました。
そこで久美子は先輩を警戒している美玲に対して、奏に助け船を出してもらう事にしました。
奏では快く美玲と友達になる事を引き受けてくれました。
ただし、1つ条件がありました。
【転】響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 のあらすじ③
奏の条件は剣崎梨々花の相談に乗る事でした。
梨々花はオーボエ担当の1年生です。
相談はオーボエ担当の3年生である鎧塚みぞれ先輩と仲良くなれなれないと言う事でした。
みぞれと仲の良い久美子は、みぞれ先輩は嫌っているわけではなく、かなりの人見知りで警戒心が強いので仲良くなるには根気が必要と伝えました。
久美子に相談に来たのは優子部長の指金だったようです。
低音パートでは奏の助けもあり、美玲は少しずつ話ができるようになってきました。
さつきと葉月との関係は進展がありません。
低音パートの先輩達は美の心を開かせようと苦慮していました。
そんな時、美玲は久美子に口を開きました。
美玲の演奏技術は高く、中学校1年生の時からAに選抜されていて、自分より下手なのに葉月やさつきが楽しそうに部活をやっているのを見るとイライラする、みんなと仲良くやっているさつきの方が評価されるのは間違っている、と訴えました。
久美子はみんな美玲の事を正しく評価していることを伝え、みんなからあだ名で呼んでもらうことを提案しました。
そして、また一歩は心を開いて低音パートに溶け込んでいきました。
そしてサンライズフェスティバルのパレードも無事終わり、吹奏楽部は一気にコンクールにモードに突入しました。
【結】響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 のあらすじ④
1年生指導係の加部先輩は初心者指導に熱が入っていました。
加部は高校から吹奏楽部に入り、音楽初心者で、1年2年とBでした。
吹奏楽部に入った時は何も分からず部で問題が起きたときも蚊帳の外でそれを今後悔していたのです。
今年の1年生にはそんな思いをさせたくない、知識も技術も1日でも早く上達させてあげたい、と言う強い思いを持っていたのです。
コンクールのためのオーディションの練習が佳境に入っているところで突然加部から発表がありました。
奏者を辞めてマネージャーになるというのです。
特に昨年BでAを目指している部員には動揺が走りましたが、部長や副部長が上手く話をました。
低音パートでは、久美子が奏から相談持ちかけられました。
久美子は1年生から黄前相談所と言われているらしいです。
相談というのは夏紀先輩のことでした。
嫌いな夏紀先輩ができないところを教えてと言ってくる事でした。
先輩より上手な後輩は微妙な立場です。
特にその先輩がみんなから信頼されている3年生ならなおさらです。
久美子は夏紀先輩を嫌いなのではなく、心苦しく思っているのではないかと問いただしました。
そしてオーディションの日です。
奏では今まで一度も外したことのない音を外しました。
廊下で聴いていた夏紀は「あの馬鹿」と言って音楽室の中に乱入して奏を引きずり出し、「どうしてわざと下手くそに拭いた!」「次手を抜いたら私はオーディションを辞退する!」と激怒します。
久美子はみんなが夏紀にAになってもらいたいと思っているが、奏を落ちろと思っている人はいない、それは奏の甘えだ、今奏が居るのは北宇治高校吹奏楽部だと諫めました。
そして、ユーフォニアムは夏紀、久美子、奏の3人がAに選出されました。
選抜に漏れた2年生の葉月は選出され申し訳なさそうにしていた美玲に明るく「やったやん」と声をかけました。
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 を読んだ読書感想
部長の優子、副部長の夏紀、犬猿の仲ではあるがベストパートナーです。
脇目も振らずまっしぐらに突進する優子を諫めることができるのは部の中では夏紀しかいないのです。
犬猿の仲でありながらお互いを認め合っている2人なのです。
夏紀としては実力不足で副部長と言うのは針のむしろだったと思います。
しかし、それは優子のためだと分かって引き受けたのではないでしょうか。
それにしても個性豊かな低音パートの1年生です。
しかし、個性を認めるというのはなんと難しいことでしょうか。
その人を認めようとすると逆に自尊心を傷つけてしまったり、認めなければ人間関係が悪くなったりと。
でもそうやって人は成長していくのでしょう。
1年生の時から成長した久美子もそのように成長して来たのだと思います。
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