映画「ドリームランド」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|マイルズ・ジョリス=ペイラフィット

映画「ドリームランド」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|マイルズ・ジョリス=ペイラフィット

監督:マイルズ・ジョリス=ペイラフィット 2021年4月にハピネットから配給

ドリームランドの主要登場人物

アリソン・ウェルズ(マーゴット・ロビー)
ヒロイン。多額の懸賞金がかけられている無法者。言葉巧みに人の心をつかむ。

ユージン・エバンズ(フィン・コール)
学校にも行かず働いてもいないティーンエイジャー。パルプマガジンを愛読していて冒険家になることを夢想している。

フィービー・エバンズ(ダービー・キャンプ)
ユージンの異父妹。いたずら好きで勘が鋭い。

ジョージ・エバンズ(トラヴィス・フィメル)
ユージンの義父。肉体労働を尊びインテリを軽蔑する。

ジョン・ベイカー(ハンス・クリストファー)
ユージンの実父。放浪癖があり現在の消息は不明。

ドリームランド の簡単なあらすじ

殺人を犯して指名手配されていたアリソン・ウェルズが転がり込んだ先は、外の世界に憧れているユージン・エバンズの実家です。

ひとめぼれをしてしまったユージンは何くれとなく身の回りの世話を焼きますが、徐々に家族から疑惑の目を向けらることに。

駆け落ちを決行しますがアリソンは射殺、現場から立ち去ったユージンはひとりで逃走を続けるのでした。

ドリームランド の起承転結

【起】ドリームランド のあらすじ①

平凡な日常を打ち砕く1発

ジョン・エバンズは息子のユージンとともにテキサス州ビズマークに入植者としてやってきましたが、完全な荒れ地で期待していた草原はありません。

お酒におぼれるようになったジョンはユージンが5歳の時に失踪、母親のオリヴィアは保安官代理のジョージと再婚してフィービーを授かります。

時おりジョンから届くのはポストカード、「楽園を見つけた」とのメッセージ、写真はメキシコ湾沿岸の美しい風景… ユージンが17歳になるとアリソン・ウェルズという女性が銀行を襲い、9歳の女の子を含む5人を命を奪った容疑と大騒ぎになりました。

発見したら1万ドルがもらえると聞いた途端に浮き足立ちますが、まだ若すぎるために地元の自警団には加えてもらえません。

家に帰っても口うるさいジョージが目を光らせているために、納屋に隠れてお気に入りの大衆雑誌でも読もうかと。

暗がりからいきなり拳銃を突き付けてきたのは血まみれの美女、その顔はまさしく手配書の似顔絵にそっくりです。

足をケガしているようなので傷口を消毒して弾丸をピンセットで摘出したユージン、警官の流れ弾が罪のない少女に当たったという話をすっかり信じてしまいます。

【承】ドリームランド のあらすじ②

死んだ男への嫉妬の炎がつく

翌朝になるとジョージにたたき起こされたユージンは、町に行って仕事を探してくるように家を追い出されました。

納屋に引き返して食品と着替えを差し入れにいきますが、こっそり後を付けてきたフィービーに見られてしまいます。

誰にも言わないと約束したフィービーでしたが、何かが起こりそうで怖くて仕方がありません。

夜遅くなって近くの湖へと案内したユージン、汚れた体をサッパリと洗い流して一段ときれいになったアリソン。

いい感じのムードになったふたりでしたが、この一帯の土地の所有者であるハートウェルに目撃されて通報されてしまいました。

ジョージが会合に出ている間にカギを盗み出したユージンは、保安官事務所に忍び込んで事件に関する資料のすべてを持ち出します。

アリソンに不利になりそうな証拠を燃やしますが、「ペリー・モントロイ」という名前だけは頭から離れません。

恋人でもあり相棒でもあるペリーは、体を張ってアリソンを守った末に銃殺されたそうです。

【転】ドリームランド のあらすじ③

一夜の大嵐が去ってカーチェイスの開始

ビズマークにかつてないほどの規模の砂嵐が接近している中、証拠品を紛失したとしてジョージは職を失ってしまいました。

すべてはユージンの仕業だと悟り引き返しますが、身の回りの物をトランクに詰め込んだユージンはフィービーにだけ別れを告げて家を出た後です。

嵐が止んだ翌朝にジョージは納屋を確認しますが、何も見つからず停めてあったトラックもありません。

地元のハンターたちの車に同乗させてもらったジョージ、荷台にはこっそりとフィービーが隠れています。

その頃助手席にアリソンを乗せてハンドルを握っているユージンは、実の父親の姓である「ユージン・ベイカー」を名乗っていました。

夜遅くになってハイウェイ沿いのモーテルへと立ち寄り、シャワーを浴びたアリソンは当然のようにベッドに誘ってきます。

好きだから一緒にいたいのか、警察署に駆け込まないように見張っているだけなのか。

念願かなって初体験を済ませたユージンでしたが、いまだに彼女の気持ちが分かりません。

【結】ドリームランド のあらすじ④

夢見た土地ははるかに遠く

ひと晩の宿泊費を払ったために所持金が底をついた一向は、「シチズン・プライド・バンク」の入り口に乗り付けました。

リボルバーを片手に窓口へと乗り込むアリソン、ユージンはガードマンの銃を奪って天井に向けて発砲します。

客のひとりが反撃してきたためにユージンはとっさに引き金を引き、血を見た途端におびえて逃げ出してしまい収穫はゼロです。

自分の人生をメチャクチャにしたとユージン、正当防衛だったと開き直るアリソン。

険悪なムードのままで国道281号を南下していきますが、ナンバープレートを目撃されたためにジョージたちに追い付かれます。

ジョージの放ったショットガンはアリソンに当たり即死、ユージンは威嚇射撃を繰り返しながらメキシコとの国境に向かって車を発進。

フィービーがユージンの姿を見たのはこの時が最後で、その後の消息は分かりません。

大きな喪失感を抱えながら生きていくことになったフィービーは、兄との思い出をいつか誰かに語り継ぐことを誓うのでした。

ドリームランド を観た感想

田舎暮らしに退屈している少年、ユージン・エバンズの陰りのある陰りのある横顔から波乱の物語は幕を開けていきます。

将来への期待もない日々の繰り返しの中、突如として現れた女強盗に魅せられてしまうのも無理はありませんね。

ダークヒロインのアリソン・ウェルズを演じているのはマーゴット・ロビー、真っ白なワンピースを鮮血に染めたその初登場シーンはまぶしいほどです。

農作物にまみれた掘っ立て小屋でためらいもなく服を脱ぎ捨ててしまう大胆さと、月下の下での水浴びを楽しむマーメイドのような姿にドキドキでした。

純朴な少年を振り回した揚げ句にはかなく散っていく彼女こそが、数10年に1度の嵐だったのかもしれません。

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