映画「明日の食卓」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|瀬々敬久

映画「明日の食卓」

監督:瀬々敬久 2021年5月にKADOKAWA WOWWOWから配給

明日の食卓の主要登場人物

石橋留美子(菅野美穂)
育児ブログが人気のライター。やんちゃな息子・悠宇に手を焼いています。

石橋あすみ(尾野真千子)
夫の実家の隣に家を建て、お金には不自由なく暮らしています。

石橋加奈(高畑充希)
コンビ二とクリーニング屋で働くシングルマザー。

明日の食卓 の簡単なあらすじ

石橋ゆうという同じ名前で同じ年の男の子を持つ母親が、それぞれの場所で育児に向き合う物語。

人気ブロガーでライターの留美子は、やんちゃな息子・悠宇に手を焼き、仕事と家事育児にてんわやんわな状況です。

一方、あすみはいい家に住み優しい息子・優と穏やかな生活をしていると思っていました。

さらにシングルマザーの加奈は、借金があるために朝から晩まで働かないと暮らしていけず、勇に我慢ばかりさせていました。

それぞれの家族にゆがみが生じて…。

明日の食卓 の起承転結

【起】明日の食卓 のあらすじ①

3組のゆうの母

優の母・あすみは、子どもを伸び伸び育てるために東京から田舎に引っ越し、実家の隣に家を建て、夫は東京まで遠距離通勤。

夫の母に気を使いながらも良い暮らしをしていました。

あすみは、字が上手くなりたくて習字教室に通っています。

悠宇の母・留美子は、やんちゃな男児二人を育てながら働いています。

悠宇は、カメラマンの父の方が怒りっぽい母より好きでした。

留美子は、その育児のうっぷんをブログ「鬼ハハ&アホ男児」に投稿しています。

ピンチヒッターでコラムをかけるようになった留美子は、夫と子どもを家に残し夜から職場に戻ります。

留美子の夫は浮気していましたが、それを知っていても生活費入れてくれて、いい父親でいてくれればいいと思っていました。

大阪の勇の母・加奈は早朝から仕事をし、昼からは別の仕事を掛け持ちしていました。

職場の人に留美子のブログを教えてもらいます。

勇は、母が死ぬほど疲れた顔をしていることを知っていますが、知らないふりをしているのでした。

しかし、200万円のローンの返済の見通しもたちました。

加奈は、お金が無くとも習い事や将来的に大学に行かせたいなど、勇に自分のような我慢をさせたくないと思っています。

【承】明日の食卓 のあらすじ②

勇の我慢

あすみの義母は干渉を嫌うため、距離感が微妙で、優も義母に懐いていません。

あすみは、優がクラスメイトのレオンと遊ぶことに気乗りしませんでした。

その予感は的中し、レオンの母からうちの子を優がひっかいたりしているというクレームの電話が入ります。

しかし、家でも学校でもいい子の優がそんなことをするとは信じられません。

あすみが優に問いただすと、優は泣いて家を飛び出してしまいました。

結局、それは勘違いでレオンは他の子にやられていたとわかります。

しかし、アンタの子どもは悪魔だとあすみはレオンの母からカフェで水をかけられてるのでした。

そんな母を優は、お母さんは大事なことから目をそらすと思っていました。

留美子の夫は、仕事が打ち切りになり来月から収入が無くなります。

その一方で、留美子の仕事が増えていきました。

しかし、夫は育児も家事も協力してくれず、ケンカが絶えなくなり、悠宇は両親のケンカに耐えられなくなっていきます。

加奈は、留美子のブログにハマって留美子の信念が自分の信念になっていました。

加奈の弟・正樹が突然やってきて、加奈の誕生日を祝ってくれます。

加奈は子どもの頃から正樹の食事を作る良い姉でした。

正樹の本当の目的は、加奈からお金を借りることで、加奈は正樹にお金は返さなくていいと3千円を渡すのでした。

その一方で勇は、オカンに言えないことが溜まり押し潰されそうになっていました。

【転】明日の食卓 のあらすじ③

母の心子知らず

あすみが学校から呼び出されるとそこには、優とレオンと光一とその保護者がいました。

レオンにケガをさせていたのは、多動気味の光一でしたがその光一に指示を出していたのは優だったとわかります。

レオンの母は、優のことをサイコパスだと言うのでした。

優は、人は人をどれだけ自由自在に動かせるか実験をしていて、それは父が母にやっていること、さらに母は、自分を動かしていると言います。

怒った父に優は、虐待だといいました。

夫は、こんなことになったのはあすみの教育のせいだと責めました。

家に帰ると、優が義母を臭いと蹴とばしています。

あすみがやめさせようとすると虐待だと優が叫ぶので優の口を押さえ、首を絞めてしまいました。

留美子が家に帰ると、悠宇が弟とケンカしていて、留美子は悠宇の言い分を聞かずに叱りつけます。

悠宇は、母が自分を見る目が違うと感じていました。

夫は、酒を飲みながら育児をし、子どもの面倒を見てくれているのかと思いきや、悠宇を虐待していました。

悠宇をかばい、夫に出て行けと言いましたが、そんな時まで悠宇と弟はケンカをし、留美子はキレて絶叫。

悠宇は、「俺たちが嫌いなら捨てちゃえばいいだろ。」

と言うとさらに、留美子は呼吸を荒げ絶叫するのでした。

加奈は学校から連絡が入り、勇が人の給食費を盗んだと思いました。

しかし、それは勘違いで、クラスの悪い子に仕組まれていたのでした。

加奈は、先生から勇に我慢強くさせ過ぎと注意されました。

勇はオカンが自分を産んだことを後悔していると思っていたのでした。

そんな時、加奈は会社からリストラされてしまい、さらに正樹に通帳を持ち逃げされます。

その時、勇は「まさ兄を嫌いになった?自分のことも嫌い?」と聞き加奈はどうしてわかってくれないのかと嘆き泣き叫びます。

【結】明日の食卓 のあらすじ④

どこにでもいるの境界

あすみの家に警察が入ります。

結局、義母は認知症になっていて庭で用を足していたのです。

それに気が付いていたのは優だけだったのでした。

夫が母を家に送ると家の中はゴミ屋敷になっていて、夫は号泣します。

そして、あすみは、警察の前で吐いてしまいます。

あすみは妊娠していたのでした。

それを知り、優は「かわいそうに」とつぶやきます。

その後あすみは、一人で歩いている優を見つけ、走り転んでしまいます。

あずみは、人を使って実験してどうだったか優に聞きます。

手を差し伸べる優は泣いていました。

留美子は、ブログを読んでくれている祐という名前の子を持つ母・燿子に会いに行きました。

その母は、刑に服していて祐に会いたいと泣きます。

「どこにでもいる」と、留美子は思うのでした。

その後、留美子は風で飛ばされて見ていなかった悠宇からの手紙を見つけます。

その手紙には「怒らせてばかりでごめん。

仕事がんばれ。」

と書いてありました。

悠宇は、出て行くパパに「自分達のためだろ?」と責めます。

「別れるなら結婚しなきゃよかった子どもなんて産まなきゃよかった。

生まれてこなけれよかった。」

といいます。

留美子は、「こんなことになるとはパパとママにもわからなかった。

でもパパがいなければ子どもたちに出会えなかったからパパに感謝している。」

子ども達に言いました。

加奈の母がやってきて、正樹の件を詫び、加奈が勇にしていることを自分に加奈にさせて欲しいと20万渡します。

母に勇がいい子に育ったと言うと、加奈は勇を抱きしめるのでした。

その後加奈は、勇と海にいくのでした。

燿子は、どこにでもいる普通の母親でした.。

亡くなった祐くんは、悠宇で、自分は燿子だったかも知れないと留美子はブログに綴ります。

三組のゆうとその母は、同じ頃飛こうき雲を見つけ、空を見上げているのでした。

明日の食卓 を観た感想

3組の家庭の物語ですが、留美子と加奈の家庭はリアル過ぎて見ていて辛かったです。

留美子の問題と加奈の問題は、子どもが成人すれば解決すると思いますが、それまであと10年もあります。

できたら子どもたちが成人し、燿子と亡くなった祐くんのようにならなくて良かったというところまで描いてくれれば安心できました。

留美子の家では、留美子でさえ難しかった子育てを夫に任せたことが間違いで、さらに手がかかる悠宇に弟の世話をさせることも間違いです。

あの泣き虫な弟が早く成長してくれることを願うしかないです。

さらに、加奈の家のお金の問題は、母からもらったあの金額では解決しません。

加奈はまだ若いですが、体を壊したらおしまいです。

一方、あすみの家庭の問題は、誇張していてエンタメ性がありました。

優は、本当のサイコパスではないのであすみの考え方が変われば良い方向に向かうと思います。

優が可哀想だと言った第2子が救世主になってくれると思います。

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