映画「蜜蜂と遠雷」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|石川慶

「蜜蜂と遠雷」

監督:石川慶 2019年10月に東宝から配給

蜜蜂と遠雷の主要登場人物

栄伝亜夜(松岡茉優)
本作の主人公。かつてピアノの天才少女だった亜夜ですが、母の死後ピアノの世界から離れていました。

高島明石(松坂桃李)
ピアノを弾きながら楽器店に勤める。妻と子がいて生活者の音楽を奏でるピアニストを目指しています。

マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)
亜夜の幼なじみ。天才ピアニスト。

風間塵(鈴鹿央士)
自宅にピアノがなく、無音のピアノで練習しコンクールに挑みます。

蜜蜂と遠雷 の簡単なあらすじ

母を亡くし、その後ピアノの世界から身を引いていた元天才少女の栄伝亜夜はラストチャンスだとコンクールに参加します。

同じくそのコンクールに参加していた幼なじみのマサル・カルロス・レヴィ・アナトールと再会。

亜夜は、さらに同じくそのコンクールに参加していた高島明石、風間塵という才能のあるピアニストに出会い、かつての自分を取り戻していくのでした。

蜜蜂と遠雷 の起承転結

【起】蜜蜂と遠雷 のあらすじ①

かつてのピアノ天才少女亜夜

かつてのピアノの天才少女栄伝亜夜は、芳ヶ江国際ピアノコンクールの一次予選に挑みます。

7?8年ピアノ界からすがたを消していた亜夜は、周りから終わった人だと思われていました。

一方、同じコンクールに出場するマサル・カルロス・レヴィ・アナトールは、このコンクールの大本命で甘いルックスもあり、アイドルのような人気を誇っています。

さらに、多くの音大生が挑戦するこのピアノコンクールに、ピアノを弾きながら楽器店に勤める高島明石も出場していました。

エレベーターで再会した亜夜とマサル。

二人は、幼なじみでマサルは亜夜の母からピアノを習っていました。

その亜夜の母は、7年前に亡くなっていたのでした。

同じくピアノコンクールに出場する風間塵は、一次予選での演奏に賛否が分かれていました。

しかし、ホフマンからの推薦状には「風間塵は天から我々へのギフト。

ギフトにも劇薬にもなるが、それを決めるのは我々にかかっている。」

と書かれています。

亜夜は、母が亡くなった時ステージから逃げてしまったトラウマがあり、途中で帰ろうとしていましたが、誰かのピアノの音色に誘われて会場に戻ったのでした。

【承】蜜蜂と遠雷 のあらすじ②

二次予選への準備

亜夜、マサル、塵、明石4人ともコンクールの一次審査通過。

明石は、亜夜の演奏を昔から好きで亜夜に話しかけます。

二人とも今回のコンクールがダメならピアノを諦めようと思っていたのでした。

マサルは音楽を聞きながら体力作りをし、二次予選に向けて練習。

自信満々で弾いたマサルのピアノは、エゴだと忠告されるのでした。

明石は、妻に課題曲を聞いてもらいますが「ごちゃごちゃして重たい」といわれ、コンクールも近づき生活に根ざしたピアニストを目指している明石はイライラし妻にあたります。

明石の演奏を聞いた亜夜は、ピアノの練習がしたくてピアノ室の空きを確認しますが、空いていません。

亜夜は、明石の紹介でピアノの弾ける場所に向かいます。

すると、その亜夜の行動を見ていた塵が、ついてきてしまい明石の演奏に触発された二人は楽しく連弾をするのでした。

まだ16歳の塵は、無音鍵盤でピアノの練習をしていて、身なりも他の演奏者より劣ります。

塵は、養蜂研究家の父と共に4歳でフランスに移住し、ヨーロッパを周る生活をしていて、そこでホフマン先生と出会っていました。

世界の演奏者と出会いなさいというホフマン先生の教えのためにコンクールに応募したのでした。

【転】蜜蜂と遠雷 のあらすじ③

才能のあっち側とこっち側

二次予選の塵の演奏は、みなを釘付けにし、それと同時にマサルや明石を焦らせました。

亜夜の二次予選の演奏は、母との連弾を思い出させ楽しく弾けたのでした。

コンクール二次審査の結果は、亜夜、マサル、塵が通過。

明石は落ちてしまい、音楽人生の第一章はおしまいと涙ぐむのでした。

亜夜、マサル、塵、明石は塵に誘われて海にいきました。

亜夜、マサル、塵は、砂浜に足跡をつけ音楽を当てるゲームをし、それを見ながら明石はあっち側の世界はわからないと自分との違いを感じるのでした。

本選では、オーケストラと一緒にピアノ演奏をします。

世界最高峰の指揮者である小野寺昌幸に、マサルは自分のタイミングをオケに押し付けて小野寺とオケのメンバーから疎まれます。

納得がいかないマサルでしたが、次のリハがあると小野寺にあしらわれます。

塵は、小野寺に動じることなくオケの配置換えを要求します。

一方、亜夜はオーケストラになんのリクエストもせずに練習しますが、ピアノの音が出なくなったのかと小野寺に言われた亜夜は、母が亡くなった後ピアノのステージから逃げたトラウマを思い出してしまいました。

【結】蜜蜂と遠雷 のあらすじ④

ギフトはすでにもらっていた

亜夜は、女性審査員に「覚悟がないままコンサートピアニストになるのは悲劇、自分の若い頃のピアノの音と亜夜のピアノが似ていてその必死な音が苦手。」

と言われてしまうのでした。

それによりさらにトラウマを思い出した亜夜は、マサルのコンクールの練習に付き合います。

自分の出番も近づいているのに、マサルのために連弾し、そのおかげで、マサルはスランプから抜け出せます。

マサルは本選で小野寺を笑顔にする演奏が出来き、亜夜はマサルが世界に祝福されているというのでした。

明石は、君たち天才を見ていたらピアノを続けていいんだと思えたと亜夜にお礼を言います。

しかし、亜夜は、明石の前で泣き出し、荷物をまとめて会場を後にします。

次は、塵の番です。

塵がオーケストラの配置変えを要求していたのは、舞台のひずみに気が付いていたからでした。

亜夜は、塵の演奏が耳に届き会場に戻り、塵に「おかえり」と言われます。

塵もまた、亜夜のピアノがホフマン先生の約束である、世界の演奏者との出会いだったのです。

亜夜は、本選で最高の演奏をし、本格的な復帰を果たしたのでした。

ピアノコンクールは、一位がマサル。

二位が亜夜。

三位が塵という結果。

さらにマサルは聴衆賞を受賞。

明石は、奨励賞と日本人作曲家演奏賞の菱沼賞を受賞したのでした。

蜜蜂と遠雷 を観た感想

特に好きなシーンは、子どもの亜夜が母と連弾しているところ。

それと同じく、塵との連弾とコンクール結果の鍵となるマサルとの連弾のシーン。

さらに、マサルがオーケストラと音を合わせるときに、自分のエゴをむき出しにしますが、それが通らないシーンはものすごい緊張感がはしります。

一流の小野寺は、意地悪しているわけではなく、たくさんのピアニストを見てきたからこその態度なのだと思いますが、マサルを応援している身としてはもうちょっと話を聞いてあげて欲しいと思ってしまいました。

亜夜には、最終的に母のようなピアノ先生になって欲しいと思います。

音楽と映像が琴線にふれる映画です。

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