監督:今泉力哉 2021年4月に「街の上で」フィルムパートナーズから配給
街の上での主要登場人物
荒川青(若葉竜也)
本作の主人公。下北沢の住人。アパレルショップで働いています。
川瀬雪(穂志もえか)
浮気して青を振った青の元カノ。
田辺冬子(古川琴音)
古本屋の店主。元の店主・かわなべと不倫していた。
城定イハ(中田青渚)
美術大学の映画撮影スタッフ。
街の上で の簡単なあらすじ
下北沢のアパレルショップで働く荒川青は、彼女にフラれて未練タラタラでした。
それでも、青の周りには女性が現われますが、期待するような展開にはなりません。
そんな時、大学の卒業制作の映画に出演してくれないかとスカウトされますが、本番では緊張し過ぎてしまいぜんぜん使い物になりません。
その現場で知り合ったイハと成り行きでイハの家で飲み直すことになり…。
街の上で の起承転結
【起】街の上で のあらすじ①
下北沢に暮らす荒川青は、彼女・雪のバースディに彼女の浮気が発覚し、相手に迷惑がかかるから浮気相手は明かせないと突然彼女にフラれてしまいますが、浮気されても別れたくないとゴネます。
彼女から、浮気相手と付き合うけれどあなたは私と付き合っているつもりでいればいいと言われてしまいます。
アパレルショップで働く青は、買い物に来ているカップルがケンカをし始めるところに遭遇します。
ケンカの内容は、元カノが今も好きなのに元カレの告白用の服を選びに来ていて、こんなのおかしいと落ち込み文句を言ったことでした。
しかし、元カレは告白してうまくいかなかったらまた付き合おうと元カノを上手く丸め込み約束します。
その後、ライブを見に行った青は、泣いている綺麗な女性を発見。
ライブが終わった後に、その泣いていた女性はタバコを持っていない青の分まで人からタバコを貰い一緒に吸います。
何か起こりそうな予感をよそに女性は知り合いの方に行ってしまいました。
その後青は、行きつけのバーで常連の五叉路が役者をしてると聞いて驚きます。
そのバーのマスターは雪から聞いて青と雪が別れたことを知っていて、青はムッとしました。
どうやら、雪の浮気相手をマスターは知っているようでした。
よく行く古本屋さんの女性・田辺が、亡くなった元の店主・かわなべと不倫をしていたことを知っていた青は、昔やっていた音楽のことを深堀されたことで不倫のことを突っ込み田辺に嫌な思いをさせてしまいます。
【承】街の上で のあらすじ②
ある日、青の働く店に高橋町子がやってきて、美大で映画を撮っているので出て欲しいと頼まれます。
町子は店で本を読んでいる青を見て、スカウトしたと言い、半分断っている青に脚本を置いていくのでした。
自信のない青でしたが、バーで五叉路から映画に出て下さいは告白だからと言われ、元関取に役を取られて酔っぱらっている五叉路のよくわからない説得とマスターに背中を押されて卒業制作の映画出演を決めました。
翌日青は、古本屋の田辺に謝りに行き、わだかまりが解けた田辺に自分を客観的に見るために自分の動画を撮ってもらいます。
そこで、田辺からかわなべの思いを聞くのでした。
撮影に参加した青は、控室で朝ドラに出演したこともある俳優・真宮武と遭遇し顔だけではなく内面のカッコよさに驚きます。
元カノ・雪が真宮の大ファンだったという話をしました。
青は、緊張のあまり自然な演技が出来ずに足手まといになり、全カットになってしまいます。
打ち上げに誘われて、参加した青は、監督がダメ出しするスタッフとケンカしている風景を見ます。
一人席で持て余す青の隣にスタッフの城定イハが座り、監督とケンカしているスタッフはくっついたり別れたりを繰り返していることを聞きました。
みんなが2件目に行くところを青はさりげなく抜けて帰るのでした。
【転】街の上で のあらすじ③
アウェイな場所から抜け出した青をイハは追いかけて、ホームに付き合ってと誘います。
ホームとは本当の意味でのホーム・家でした。
緊張し正座でお茶を飲む青ですが、撮影で会った俳優真宮が彼女と上手く行っていないという世間話からイハは、青の恋バナを聞いてくれました。
最初は遠慮していた青ですが、雪が最初の彼女だったことや浮気されてフラれた今も好きなことを包み隠さず話しました。
イハは、今まで三人付き合った人がいること、それほど好きじゃない人と付き合ったこと、忘れられない好きな人が今もいること。
その好きなひとは、幼なじみの関取でそういうことをせずに別れたというのです。
いろいろと言わなくてもいいことを言ってしまう青のことを、気にしないと言ってくれるイハでした。
イハは青と仲良く話つづけていくうちに、嫉妬などしないでこのようなフラットな状態で男性と付き合いたいと言いますが、青は好きな気持ちは嫉妬が決定的な証拠だと言います。
二人は、互いを少し意識しながらも予防線を張って、イハは青に友達になって欲しいと頼みます。
【結】街の上で のあらすじ④
一方、真宮の恋人は実は雪で、二人は別れ話をしますが真宮は雪に未練がありました。
青は、イハのそれほど好きじゃなかった人の話を聞き、その人は、束縛がひどくて新しい彼氏が出来ないと別れてくれないといい、さらに合い鍵を返してないというのです。
青は、その元カレが急に部屋にこないか落ち着かなくなります。
しかし、泊る?と聞かれてイハの家に泊ってしまう青でした。
雪は真宮に、元カレがいかに落ち着く相手だったかということに気が付いたと話します。
そのことを雪は、マスターに相談するのでした。
青とイハは別の部屋で寝て、なにごとも無く朝を迎え帰ろうとしたところ、元カレが家に来てしまいました。
二人を見るなり、帰った元カレ。
イハは青にお礼をいい、コンビ二まで送ります。
すると、雪とマスターが一緒にいるところに遭遇し、二人が付き合っていると勘違いします。
少しもめましたが、雰囲気を察知したイハが青の気持ちを雪に代弁し、まだ青は雪が好きだということを伝えてくれました。
しかし、イハの元カレが青にイハを幸せにして下さいと合鍵を渡してきたので、雪の前でイハの彼氏のフリをしてしまいますが、雪が青とやり直したいとわかります。
家に帰った青は、昔作った恋のうたをギターで弾き語りました。
すると、真宮と雪が青の家に来て、雪にフラれたと言い帰って行きました。
真宮のことを「追いかけな」という青に雪は「バカ」と「好き」をいい涙ぐみます。
大学の卒業制作は無事に放映され、田辺が町子に青のシーンをカットした理由を聞き、田辺は、青の努力を町子に伝えます。
その場に来たイハは、青の友達だと田辺に言いました。
イハが青のお店にきて、青のシーンがあったと嘘をつきます。
イハは、打ち上げを断って青のお店に来たのでした。
青が家に帰ると雪が来ていて、別れた時のバースデーケーキを二人で食べるのでした。
街の上で を観た感想
内容を一言でいうと「頑張れ!荒川青」といった感じですが、タイトル通り、下北沢に住む人のコメディ群像劇です。
全部無意味なようで、全て繋がっていて下北沢という独特な街は、共通の知り合いが街にあふれ、客と店員の結びつきもよそとは違うのだろうなと見ていて思いました。
衣装を渡され、着替えたら元の服とそう変わらない感じなどクスっと笑えるシーンがちりばめられています。
ちょっと残念な青がだんだんと報われていく感じに救われます。
結局、田辺もイハも青を意識していて残念なようでモテている青。
青とイハのお泊りシーンは、何も起きないのにみえない何かが始まった不思議なシーンです。
青にはイハと結ばれて欲しいなと感じました。
あらすじを読むより見た方が絶対に面白い映画です。
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