映画「ジェーン・ドゥの解剖」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|アンドレ・ウーヴレダル

映画「ジェーン・ドゥの解剖」

監督:アンドレ・ウーヴレダル 2017年5月に松竹メディア事業部から配給

ジェーン・ドゥの解剖の主要登場人物

トミー・ティルデン(ブライアン・コックス)
バージニア州で息子オースティンと共に検視官として働く。遺体安置所と火葬場も経営している。

オースティン・ティルデン(エミール・ハーシュ)
トミーの息子。恋人のエマに、家を出るよう急かされている。

エマ(オフィリア・ラヴィボンド)
オースティンの恋人。オースティンの仕事や死体に興味津々。

ジェーン・ドゥ(オルウェン・ケリー)
一家が惨殺された家の地下から見つかった、全裸で美しい身元不明の女性の死体。

ジェーン・ドゥの解剖 の簡単なあらすじ

遺体安置所と火葬場を経営しているベテラン検視官トミーとオースティンの親子のもとに、ある家で発見された身元不明の死体=ジェーン・ドゥが運ばれてきました。

早速検死にとりかかる2人ですが、その死体は調べれば調べるほど不可解で、さらに2人の周りでは不可思議な現象が巻き起こるようになります。

そしてジェーン・ドゥの真実に触れた2人に、想像を絶する結末が訪れます。

ジェーン・ドゥの解剖 の起承転結

【起】ジェーン・ドゥの解剖 のあらすじ①

遺体解剖&検死という仕事

バージニア州・グランサムにある、とある一軒家。

家の中は血まみれで、1階にも2階にも死体が転がっていました。

そして地下の地中からは裸の女性の遺体が見つかったのです。

身元は不明、この家の住人との関係もなし。

日本の”名無しの権兵衛”を意味する、“ジェーン・ドゥ”と呼ばれることになりました。

調べによると、家には泥棒などが侵入しようとした形跡はなく、遺体で見つかった住人たちは外へ脱出しようとしていたようだといいます。

一方、トミー、オースティン親子が経営しているティルデン遺体安置&火葬場では、軽快な音楽が流れる中、2人が黒焦げの死体を検死していました。

トミーは死体の様子を見ながら、遺体はキッチンで見つかり、火事の前に死んでいたと告げ、頭の骨折と硬膜下血腫から、頭を打っての孤独死のようだと仮説を立てました。

解剖を終えたところに、オースティンとのデートのためにエマがやってきました。

エマは興味津々といった様子で施設をうろうろと見回り、死体が見たいと言い出します。

オースティンは制止しますが、トミーは笑みを浮かべながら許可しました。

最初に見た死体は悪性中皮腫で亡くなったアイリーン・ダニエルズという女性。

もっと見たいとエマが次に選んだ死体は顔に血でにじんだ布がかけられていて、足首には鈴がついています。

ルイス・タニスはストリキニーネ(毒薬)で亡くなっていて、犯人が至近距離から撃ちぬいたため顔がなく、布がかけられているのでした。

不思議がるエマに、昔は昏睡状態と死亡の区別がつきにくかったから鈴をつけていた、今ではしきたりみたいなものだとトミーは説明します。

あれこれ質問してくるエマに対してトミーは、自分たちは死因の特定をすることが仕事で、人物像や事件の詳細を推理することではない、と告げます。

これだけでは飽き足らず、エマは顔の白い布をはずそうとしましたが、その瞬間トミーが鈴を鳴らして驚かせたのでした。

【承】ジェーン・ドゥの解剖 のあらすじ②

不可解な死体

エマとオースティンが出かけようとすると、バーク保安官があの“ジェーン・ドゥ”を運び込んできました。

急ぎで頼むと言い残し、バーク保安官は立ち去ります。

オースティンは怒るエマをなんとかなだめて帰らせました。

ラジオからしばらく快晴が続くと天気予報が流れる中、検死が始まりました。

ジェーン・ドゥは20代半ばから後半と見られ、白人、目立った外傷はなし。

死後数日とみられますが、死斑も死後硬直もなく、いつ死んだのかとオースティンは首をかしげます。

調べていくとさらに不可解なことが多数判明します。

外傷が全くないにも関わらず手首と足首の関節は粉々、舌はちぎられていました。

膣内には傷があり、それらは15年ほど前にあった人身売買の手口に似ていました。

鼻からは血と共にハエが飛び出し、歯が1本抜けていて、口からは白い糸が出てきました。

外では雷鳴が響き、電気が点滅。

ラジオからはノイズと共に「心を明るく照らしましょう」という音楽が流れだします。

トミーが胸を切開すると血が流れ出しました。

出血するのは不可解です。

血液を冷蔵庫へと保管しますが、しばらくしてオースティンは冷蔵庫から血があふれ出ていることに気づき、慌てて掃除をします。

トミーがウェストの細さはコルセットの影響かもしれないと言い、ろっ骨を開くと肺は真っ黒。

心臓や他の臓器には切り傷があります。

「一体、何があったんだ」トミーはつぶやきます。

その時建物の奥の方から大きな物音が聞こえ、オースティンは様子を見に行きました。

カーブミラーには人影が写りますが確認しても誰もいません。

脚立に乗り通気口の中を確認しているとサッと何かが横切り、驚いたオースティンは脚立から転げ落ちてしまいました。

中を覗き込むとそこには傷だらけの猫のスタンリーが。

トミーは虫の息のスタンリーの首を折って安楽死させてやり、火葬場で燃やしてあげます。

スタンリーは亡き妻(オースティンの母)の形見でした。

【転】ジェーン・ドゥの解剖 のあらすじ③

恐怖の始まり

検死に戻り、2人はジェーン・ドゥは北部から来たのかもしれないと話していました。

猛烈な嵐が近づいているとラジオから流れてきます。

オースティンが続きは明日にした方がいいと提案しましたが、トミーはそのまま検死を続け、ジェーン・ドゥが抜かれた歯を自ら飲み込まされたと推測し、儀式のような、ひどい拷問を受けていたのではと考えました。

オースティンは何か不穏なものを感じ取り逃げることを提案しますが、トミーは解剖に夢中です。

しかしジェーン・ドゥの胸の皮の裏にびっしりと文字のようなものが書かれているのを見て2人は絶句。

その時電球が割れ部屋は真っ暗に。

ライトで照らすと遺体安置用の冷蔵庫は全て開き、空っぽになっていました。

さすがに事の異常さに気づいたトミーは地下室の窓から出ようとしますができず、さらにエレベーターも動かず、携帯電話も使えず、事務所の固定電話もうまく通じません。

鈴の音が響きます。

オースティンがドアの下の隙間から廊下を覗き込むと、足首に鈴をつけた足が通りました。

「ジェーン・ドゥのせいだ。」

と言うオースティンに、「ただの死体だぞ」とトミーは言い聞かせます。

しかしトミーが奥の水道を使っていると急に何かに襲われ、2人は全てはジェーン・ドゥだと確信します。

そしてなんとか解剖室へと戻り、そのまま横たわっているジェーン・ドゥを見て燃やそうと決めます。

死体(アイリーン・ダニエルズ)も現れる中ジェーン・ドゥに火をつけますが、ジェーン・ドゥは全く燃えません。

エレベーターが動く音を聞き2人は斧を持ってエレベーターへと向かいますが、死体(ルイス・タニス)が襲ってきます。

トミーは斧を振りかざしましたが、倒れていたのはエマでした。

トミーは愕然とし、オースティンは、後から来てと言った自分のせいだと涙を流します。

トミーは、オースティンの母親が死んだときも苦しみに気づいてやれなかった、全て自分が悪いんだと話しました。

【結】ジェーン・ドゥの解剖 のあらすじ④

ジェーン・ドゥとは

2人はなぜジェーン・ドゥが自分たちを殺さないのか疑問に思い、死因をつきとめればジェーン・ドゥを止められるかもしれないと考えました。

なんとか解剖室へと戻った2人は急いで検死を再開しますが、ジェーン・ドゥの脳細胞が今も動いていることがわかり言葉を失います。

ジェーン・ドゥは生きているのです。

急いで歯を包んでいた布も調べ、ジェーン・ドゥは魔女裁判にかけられ、拷問されたと判断しました。

儀式は失敗したか、あるいは儀式によって無実の人間が悪魔に変わったのかもしれない。

そして誰でもいい、自分に関わった人間に復讐しているのだと。

トミーはジェーン・ドゥに近寄りじっと目を見つめます。

そして、自分が見方であること、息子には手を出さないでほしいと訴えました。

するとトミーは苦しみだし、全身の骨が折れていきます。

同時にジェーン・ドゥの関節は元に戻るようにふっくらしてきました。

体の傷は閉じていき、血が体内に引いていきます。

オースティンは泣きながら、苦しみから解放するためトミーをナイフで刺すのでした。

電気がつくと、解剖室は何事もなかったかのように元に戻っていました。

救助も到着したようで、地下室の窓を開けるよう声をかけてきます。

しかしその声が「心を開いて…」に変わり、あの奇妙な歌に変わります。

動揺するオースティンが振り向くと、そこには無表情のトミーが。

驚いたオースティンは階段から落ち、死んでしまいました。

翌日バーク保安官ら警察が訪れます。

友人であるトミーの自殺はありえないとバーク保安官は肩を落としました。

ラジオからは快晴が4日間続いていますと天気予報が流れています。

バーク保安官はジェーン・ドゥを葬儀場ではなく大学に運ぶよう指示を出します。

車に乗せられ運ばれていくジェーン・ドゥ。

運転手は「もう二度としないよ。」

と話しかけ、ラジオから「心を開いて…」とあの音楽が流れる中、ジェーン・ドゥの足がピクっと動くのでした。

ジェーン・ドゥの解剖 を観た感想

鈴の音や気味の悪い歌声など、音の使い方がとても印象的な作品でした。

遺体安置所というただでさえ怖い場所で、鈴の音が鳴り響く恐怖。

しかもその鈴の意味はきちんと自然に説明されているので、音が聞こえるだけでもう怖いです。

ジェーン・ドゥ自体は起き上がって襲ってくるなんてことはないのですが、場所的に死体がたくさんあるので、それらをちゃんと使って恐怖を演出しています。

解剖のシーンはなかなかグロく、出し惜しみなしでバンバン見せてくるのでちょっと気持ち悪かったです。

それは恐怖とはまた違うものですが、でも解剖される中で噴出する不可解な謎に引き込まれ、ありえなさすぎてしっかり怖くなりました。

もしかして続編もあるのかなと思わせるラストで、気になりますね。

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