映画「台風家族」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|市井昌秀

映画「台風家族」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|市井昌秀

監督:市井昌秀 2019年9月にキノフィルムズから配給

台風家族の主要登場人物

鈴木小鉄(草�g剛)
本作の主人公。長男。ゲスい性格。

鈴木京介(新井浩文)
次男。小鉄よりまとも。

鈴木麗奈(MEGUMI)
長女。バツイチで若い彼氏がいる。

鈴木千尋 (中村倫也)
末っ子。YOUTUBERになる。

鈴木美代子(尾野真千子)
小鉄の妻で小鉄の一番の理解者。

台風家族 の簡単なあらすじ

10年前、父親が2000万円を奪う銀行強盗をしたため注目を浴びた鈴木家の子供たち。

長男の小鉄は、父がその後失踪していたため、時効になったこともあり、遺体の無い両親の葬式に出席します。

そして、ひさしぶりに兄妹一同が会して遺産相続について話し合うことになりました。

現在失業中の小鉄は、いろんな策を考え遺産を少しでも多くもらうように仕向けます。

そのことで揉める兄妹ですが、父と母の隠された事実を知り、気持ちが変わって行くのでした。

台風家族 の起承転結

【起】台風家族 のあらすじ①

金の亡者

小鉄の父は銀行強盗をし失踪してしまい、小鉄の家にはたくさんのマスコミが押し寄せて苛立ちが募ります。

小鉄の娘・ユズキは、まだ小さいながらマスコミから小鉄を守ります。

それから10年経ち、ユズキはピアノが上手な高校生へと成長しました。

そして、小鉄と妻・美代子とユズキは、小鉄の実家へと向かい、両親の葬儀に出席します。

小鉄たち家族は、次男・京介、長女・麗奈と久しぶりに会い、末っ子の千尋は来ていませんでした。

麗奈の恋人・登志雄が焼香をあげに来てくれますが、棺桶に遺体が入ってないことに気が付き驚きます。

失踪中の父と母は本当に亡くなったのか分かりませんが、事件の時効と7年以上失踪すると死亡したとみなすことができるので葬儀を行ったのでした。

小鉄は、この機会に兄妹で遺産を分けようと考えていました。

遺産は、実家の土地と建物を兄妹で分けると一人200万円くらいのものでしたが、小鉄だけ高卒だったためお金がかからなかった分遺産を多くもらうと言うのです。

頭の良い京介は、その意見を聞いて家を売ることを反対し、一人でも反対すれば遺産をわけることが出来ません。

小鉄は腹をたて、頭の包帯を外して暴れ出し、ケガをしていたのは本当だけど、もう治っていたのに同情をひくために包帯をしてきたとバラします。

そんなゲスい小鉄を見て、兄妹と娘は呆れてしまうのでした。

【承】台風家族 のあらすじ②

世間にさらされる鈴木家

今日は友引なのになぜ葬式をしたのかと言う小鉄は、京介が葬儀の手配したと思っていました。

けれど、京介と麗奈は小鉄が葬儀の手配をしたと思っていて、誰かが、ハガキで兄妹を集めたのでした。

するとユズキがなんだか視線を感じるといい、誰かが家の中にひそんでいる感じがしました。

末っ子の千尋が実はずっと家に居て、ハガキでみんなを集めたその目的は、銀行強盗をした親を持つ子供たちのその後を世間に知らせることでした。

家の中にカメラを仕込んでみんなの様子を監視していた千尋は、その様子を生配信しています。

麗奈が登志雄と激しく愛し合っているところまで、生配信されていたと知り麗奈は激怒しますが、千尋は麗奈でも需要があり閲覧数が増えているといいます。

小鉄も配信を止めるように千尋と争いますが、閲覧数が増えるとお金がもらえると分かると手のひらを返して受け入れます。

そして、小鉄はカメラに向かって世の中に見せつけると変なダンスをし続けるのでした。

【転】台風家族 のあらすじ③

遺産が借金に

小鉄たち兄妹が、部屋の中を見回すと、認知症の本や大きくかかれたメモ書きを発見します。

小鉄たちはどうやら、母が認知症になり父は一人で介護をしていたのだろうと推測しました。

銀行強盗もそのせいでお金が必要になっていたのかもと思い、千尋は両親がどこにいるのかもう一度考えようと言います。

しかし、千尋は両親に甘やかされていたからだと長男で厳しく育てられた小鉄は、遺産が手に入ればそれでいいと言い、京介と麗奈はそんな小鉄を見て呆れ遺産を放棄するのでした。

怒った千尋は包丁を持ち出し小鉄を追いかけ、みんなで千尋を取り押さえ事なきを得ます。

この状況も生配信されていて、小鉄はゲスいと誹謗中傷を浴びるのでした。

その後、父が銀行強盗をした時の銀行の支店長が訪ねてきて、実は訴訟を起こしていましたが、誰も家に居なかったため公示送達という手段により請求が認められ、まだ時効になっていないと言うのです。

そのため、遺産相続どころか、2000万円の支払い義務が生じ、土地と家を売っても1200万円の借金が残ることになるのです。

京介と麗奈はさきほど遺産相続を放棄すると言ったので負債は小鉄一人が背負うことに。

【結】台風家族 のあらすじ④

父が銀行強盗をした理由

小鉄はとてもゲスいし、ユズキ対してもあたりが強くどうしようもない父親ですが、美代子は小鉄がお金に執着するのはユズキを留学させたいからだと言います。

その後、一度帰った京介が、冨永という女性を連れて戻り、冨永は小鉄の父が銀行強盗した理由は自分にあると言い話し始めました。

女手ひとつで育てられた冨永でしたが、母は冨永を大学まで出してくれて就職する時に倒れてしまいます。

介護しながらついた仕事は、詐欺の電話をするコールセンターで冨永は小鉄の父の元に電話をかけました。

その詐欺は、小鉄が人身事故を起こしたために、2000万円が必要だという内容でそのお金を用意するために父は銀行強盗をしたとわかります。

ニュースをみた冨永は責任を感じて、コールセンターを辞めて今は地道な仕事についていました。

父から愛されていたことを知った小鉄は、両親の行方をさがすことにし、昔家族で行ったキャンプ場にいるのだろうと考えます。

みんなで、台風の中キャンプ場に向かうと二人の白骨遺体を見つけます。

父は、認知症の母を連れてキャンプ場に向かい、途中で発作を起こした母は亡くなり、その後転倒して頭を打ち父も亡くなったのでした。

台風のせいで遺骨が流されてしまい、川沿いから海へと流れてしまい、みんなは必死で追いかけます。

千尋の提案で記念撮影をし、子どもの頃に戻ってはしゃぐ小鉄たちは2000万円入ったボストンバッグを見つけます。

ユズキはそんな小鉄たちのことを笑顔で冨永に「サイテー」と告げるのでした。

台風家族 を観た感想

笑っていいのか迷うようなブラックコメディですが、とてもゲスいけれど真剣な小鉄に見入ってしまいました。

カメラの前で下品なダンスをし続ける小鉄がツボです。

小鉄が兄妹に言ったことが、まさにブーメランになり、銀行員から遺産どころが借金が増えていると知らされるところも面白かったです。

娘のユズキの不思議な魅力が、小鉄と美代子の娘っぽいなと感じます。

一番娘に見られたくないだろうと思う、サインの練習を書いているノートはイタイけれどユズキはバカにしていないところに根本的に父親が好きなんだと感じます。

父と小鉄、小鉄とユズキの2世代に渡り、不器用な愛情だと分かり、ラストで借金も返せそうな予感もあり、めでたしめでたしだと思いました。

コメント