監督:ジェームズ・マンゴールド 2000年9月にソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントから配給
17歳のカルテの主要登場人物
スザンナ・ケイセン(ウィノナ・ライダー)
自殺未遂を犯し、境界性人格障害と診断され精神病院に入院させられる。
リサ・ロウ(アンジェリーナ・ジョリー)
反社会性人格障害と診断。長らく精神科病棟に入院させられ脱走し連れ戻されるを来る返している。患者たちのボス的存在。
ジョージーナ・タスキン(クレア・デュバル)
スザンナと同室になった。虚言壁のある少女。
デイジー・ランドン(ブリタニー・マーフィー)
食事をするところを誰にも見られないように、いつも個室で食事している。スザンナの他に唯一父親が面会に来る。
ヴァレリー・オーウェンス(ウーピー・ゴールドバーグ)
婦長。時にリサと対立し、スザンナを諭し、患者たちを温かく見守る。
17歳のカルテ の簡単なあらすじ
ストーリーの概要や、話題になった点、キャッチコピー等の映画の簡単な紹介。
====================日々のストレスや未来への不安から逃れる為に薬物多量接種を行い、自殺を図ろうとしたスザンナ・ケイセンは境界性人格障害と診断され精神科病棟に入院することになった。
様々な心の問題を抱えた同じ年頃の少女達と過ごす中で友情を育み、葛藤し、自身を見つめなおしてスザンナは未来へと旅立っていく。
アンジェリーナ・ジョリーを一躍スターダムに押し上げた青春映画。
17歳のカルテ の起承転結
【起】17歳のカルテ のあらすじ①
アスピリンを多量接種したスザンナ・ケイセンは朦朧としながら救急隊に治療を受けます。
救急隊と医療スタッフのお陰で一命をとりとめたスザンナは精神科医師と面談を行います。
自身が混乱していることを懸命に伝えるスザンナですが犬の鳴き声から自身が薬物多量接種を行う前のパーティーに意識を向かいます。
同級生の母親に掴まり将来についてやその夫がスザンナを遠くから見つめていた事を思いだした所で医師に声を掛けられ現実に引き戻されます。
スザンナに医師は精神科へ入院を勧めます。
狼狽えるスザンナに医師は席を立ち電話で車の手配をします。
スザンナを車に乗せる為、屋敷から出たところ黒塗りの車に母が心配そうに見つめているのが見えます。
ドライバーが音楽をかけながら走り出します。
音楽を聴きながらスザンナの意識はまた過去の出来事に掴まります。
同級生の父親がパーティーの夜にスザンナの部屋へ夜這いをかけたことを思い浮かべていたスザンナをドライバーが声をかけて現実に連れ戻します。
クレイモア精神科病院に到着したスザンナは事務員と入院の手続きをします。
入院同意書にサインを書きかけて「親がするものじゃないか」と聞くスザンナに事務員は「18歳を超えているのだから自分でサインをして、自分の意志で決めて」と言います。
しょうがなくサインを続けるスザンナは次のページに自身が自殺を図ったと記入されている書類を見つけ「自殺しようとしたわけではない」と事務員に伝えますが、「そういう話はセラピーの時にして」と言われます。
ふとスザンナの意識がまた過去の出来事に飛びます。
担任から「この高校で大学に進学しないのはあなただけだ」と言われます。
担任が「これからどうするつもりか」問いただします。
スザンナは「物書きになりたい。」
と思いだしたところで、事務員に現実に連れ戻されます。
書類手続きが終わり婦長のヴァレリーに院内を案内されます。
【承】17歳のカルテ のあらすじ②
病棟に付くとダートルームにしがみ付く顔にケロイドのある少女と出会います。
ギョッとするスザンナは入院する患者たちのちょっと普通じゃなさそうな雰囲気に圧倒されます。
そして、ヴァレリーに一通り施設内を案内され用意された自室にたどり着きます。
ルームメイトのジョジーナは一見普通そうに見えます。
スザンナが何を読んでいるのか尋ねた所、実際のオズの魔法使いとはかけ離れたストーリーを語りだします。
彼女も心に何らかの精神疾患があるようです。
荷解きをしていると廊下が騒がしくなります。
廊下を見ると2週間前に脱走し病院に連れ戻されたリサ・ロウが暴れています。
部屋から騒ぎを見ていたスザンナを見つけてリサが部屋に入ってきます。
リサは椅子で扉を固定してスザンナに攻撃的な態度でジェニーの所在と何故お前がジェニーのベッドを使っているのか問いただします。
スザンナは勢いに押されて怯えてしまいます。
ヴァレリー達病院スタッフが扉をこじ開けリサを捕まえ羽交い絞めにして鎮静剤を投与し隔離室に放り込みます。
騒ぎに呆気にとられるスザンナにポリーとジョジーナが説明します。
暴れていた子が問題児リサでスザンナが使っているベッドの以前の使用者はリサと親友で自殺した旨を聞いたスザンナは驚きを隠せません。
夜になり、看護師に呼び出され睡眠薬を処方されたスザンナは隔離室で診察を受けているリサを見て、高校の卒業式で居眠りをしたことを思いだします。
目を覚ましたスザンナは高校卒業後のダンスパーティーで知り合ったトビーとの一夜を思い出します。
トビーに自身の悩みを語りますが、馬鹿げていると一蹴されたスザンナは怒って帰ります。
トビーはベトナム戦争へ徴兵されることを恐れていると伝えたところでスザンナの意識は現実に引き戻されます。
日々の日記を書いている所、テレビでトビーの徴兵を知ります。
完全復活したリサは患者仲間たちと戯れ、スザンナに興味を向けます。
【転】17歳のカルテ のあらすじ③
スザンナに母親から電話が入ります。
母親の声を聴きながら廊下をみやると便秘薬を処方されなかったデイジーがヒステリックに喚き散らし自室にこもります。
デイジーの部屋を訪ねたスザンナは異臭とデイジーが一人でチキンを食べていることに驚きます。
デイジーに便秘薬をあげようとするとリサが乱入してきて取引を持ち掛けます。
リサのお陰で取引が成立し、睡眠薬を得たスザンナはデイジーのベッドの下の食べ終わったチキンを見て笑います。
数日後、両親がクレイモアに訪れて医師との4者面談を行います。
子供の頃の怪我が原因ではないかと自信を責める母親と、世間体を気にする父親を見ながらスザンナはふざけます。
スザンナの病名が境界性人格障害と聞き、スザンナは遺伝なのかと聞くと母親は目に涙を溜めて耐えられないと言います。
談話室にいるとリサから診断名を聞かれます。
詳細は分からないと答えるスザンナにリサは「夜、迎いに行く」とだけ伝えます。
夜の秘密の散歩に繰り出すリサ一行は医師のオフィスに忍び込み、自身のカルテを盗み見ます。
カルテの記述から辞書を引き、医師の診断と自分自身が違うと語るスザンナにリサは不敵な笑みを浮かべます。
楽しい外出の日、雪の中患者たちを連れて町にアイスを食べに行きます。
カフェでアイスを食べていると同級生の母子がいることにスザンナは気が付き姿を隠します。
席に座って隠れようとしますが、騒ぎのせいで目立ってしまい同級生の母が夫を寝取られた恨みをぶつけてきます。
リサと患者仲間はスザンナの代わりに反撃します。
問題を起こしたと感じたヴァレリーはリサに今後の外出は禁止であることを告げます。
ストレッチの訓練を受講中にデイジーが退院していく姿を見て、長引く入院生活に患者仲間たちは絶望します。
徴兵が決まったトビーがもうすぐ出兵されると言ってスザンナを訪ねてきます。
燃え上がる二人をドア越しに盗み聞こうとするリサが注意します。
【結】17歳のカルテ のあらすじ④
患者をチェックして回る看護師のマージィにしつこく絡むリサを見て異変を感じたヴァレリーがスザンナの病室に入り、他所でやれと注意します。
病院の外を散歩するスザンナにトビーが一緒にカナダに逃げようと言います。
スザンナは友達がいるからと断ります。
恋人同士の二人を見ていたポリーは自身の火傷の傷を呪い騒ぎを起こし隔離室に入れられてしまいます。
可哀そうに思ったスザンナはリタと抜け出して、歌を歌ってあげることでポリーを慰めます。
バカ騒ぎを一通りしたスザンナたちはそのまま寝てしまい、出勤してきたヴァレリーに大目玉を喰らいます。
スザンナは院長に諭されますが、反発心と葛藤を抱きながら自室に戻ります。
ぐったりしているとヴァレリーに水風呂に放り込まれます。
自身の正当性とリサを別の病棟に追いやったことを非難するスザンナに自傷行為とわがままを叱ります。
夜、リサが病棟を脱走しスザンナにに脱走を持ち掛けます。
リサとスザンナヒッピーの車に乗せてもらい、デイジーの家に転がり込みます。
悠々自適に暮らすデイジーにリサは父親と肉体関係にあることをスザンナにばらし、翌朝、デイジーは自殺をします。
狼狽えるスザンナに対して自殺に追い込んだリサは飄々としており、リサの異常性にスザンナはやっと気が付きます。
病院に連れ戻されたスザンナはデイジーの猫を抱えながら自室に戻ります。
その夜、ヴァレリーが病室を訪ねてきます。
デイジーを死なせてしまった事を悔やむスザンナにヴァレリーはノートに書けと言います。
日々の思いをノートにまとめることで精神が安定したスザンナは退院が決定します。
妬んだリサ達患者仲間がスザンナを傷つけ追い詰めようとしますが、スザンナに施設以外じゃ生きていけないみじめな人と言われ、リサは激しく慟哭します。
諭すようにスザンナは語ります。
翌朝、スザンナはリサや患者仲間に惜しまれながら元気に退院していきます。
17歳のカルテ を観た感想
まず、17歳が登場しないことに驚きました。
誰一人17歳ぽい人はいないし、作品全体を通して年齢が重要なところは一切ありません。
それでも素敵な邦題だと思います。
アンジェリーナ・ジョリーがすごく印象的でカッコよかったです。
ウィノナ・ライダーの安定の演技力も評価されてほしい。
内容は素晴らしいものだったのに、当時、評価されたのがアンジェリーナ・ジョリーだけでウィノナ・ライダーや制作サイドが全然評価されなかったことが辛いです。
今では売れっ子のジャレット・レトが出演していることに驚きました。
彼は無事、ベトナム戦争から帰還できたのか気になります。
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