監督:三木康一郎 2018年10月に松竹から配給
旅猫リポートの主要登場人物
宮脇悟(福士蒼汰)
ある事情によりナナを飼えなくなり、ナナを飼ってくれる友達を巡り旅をします。
ナナ(声・高畑充希)
元・野良猫。車にひかれてサトルに助けられる。
香島法子(竹内結子)
サトルを引き取った叔母。
旅猫リポート の簡単なあらすじ
サトルが助けた野良猫は、サトルが子どもの頃に飼っていたハチにそっくりでした。
サトルは、野良猫をナナと名付けとても可愛がっていましたが、ある事情により飼えなくなり友達に育ててもらえないかとお願いに回ります。
しかし、ナナはサトルと離れたくありません。
その思いはサトルも同じでした。
旅猫リポートは、涙なしで見られないロードムービーです。
旅猫リポート の起承転結
【起】旅猫リポート のあらすじ①
5年前、サトルはなかなか懐かない野良猫にエサをあげていました。
ある日その野良猫は車にひかれて、助けてくれたサトルの飼い猫・ナナになりました。
サトルはある事情によりナナを飼えなくなり、新しい飼い主を探します。
小学校の頃の親友・幸介にナナを託そうと会いに行きます。
実はナナは、サトルが子どもの頃飼っていたハチという猫にそっくりだったのです。
ハチは、幸介が見つけた猫でした。
幸介の家では厳しい父が居て猫を飼う事が許されず、二人はハチと共に家出します。
見かねたサトルは、学校の屋上で飛び降りると脅します。
幸介は友達と猫を心中させるよりサトルに猫を飼ってほしいといい、サトルの両親は大慌てでハチを飼う事を受け入れます。
サトルの両親は、サトルを溺愛していました。
しかし、その両親はサトルの修学旅行中に交通事故で亡くなったのでした。
幸介は先に修学旅行から帰ったサトルのために、サトルが母のために探していた油取り紙を買ってきてくれました。
サトルはそれを見て号泣します。
叔母・法子に引き取られたサトルは泣く泣くハチを手放すことになりました。
幸介は、ハチを引き取ろうとしますが、やはり父に反対されます。
現在、その父と妻との折り合いが悪く、幸介の妻は実家に帰っていました。
サトルは、幸介と妻の仲を心配し、猫を飼うなら新しい猫を飼った方がいいと勧めます。
ナナを飼うとハチを飼ってもらえなかったことを思い出すことも心配しナナを預けるのを辞めました。
幸介は、サトルが自分を頼ってくれることが嬉しく、サトルは自分には頼れる友達がいることを喜び別れるのでした。
【承】旅猫リポート のあらすじ②
次は、中学の友達にナナを預けようと思いましたが、子猫を拾ってしまってナナを引き取るのを待ってほしいと言われてしまい、こちらも当てが外れてしまいました。
続いて、高校の時の友達・杉のところにナナを連れていきます。
杉は虎丸という犬を飼っていて、ナナを紹介するなりナナも虎丸も攻撃的になり相性がかなり悪い感じです。
杉は妻・千佳子とペンションを経営しています。
千佳子は、ナナを迎えにこれるようになったらいつでも迎えにきてあげてと預ける理由も聞かずに一時預かりをしてくれると約束してくれました。
3人の出逢いは高校の時、仲良くなったキッカケは犬を助けるサトルを手伝ったことです。
その犬は、千佳子が引き取ってくれました。
優しくて強い千佳子をサトルは好きになったのです。
杉と千佳子は幼なじみで元々仲が良く、そこにサトルが加わりました。
ハチに逢いに行くため、千佳子の家の茶畑でバイトするサトルを千香子も少し意識し始めます。
しかし、ハチは車にはねられなく亡くなってしまいました。
千香子はだまってハチの思い出話を聞いてくれて、高松に行ってちゃんと悲しんでお別れしたほうが猫が浮かばれると背中を押してくれます。
サトルと千佳子の距離が縮まり焦った杉は、千佳子が好きだとサトルに打ち明けました。
そんな杉の気持ちを察し、卒業までに転校するとサトルは明るく言うのでした。
虎丸は、そんな3人の微妙な関係を感じ取り、杉に忠義をつくしていたのです。
そのせいで、虎丸はナナを受け入れずにこの話は無かったことになりました。
別れ際、高校の頃千佳子が好きだったと言い残し、サトルは次に向かいます。
【転】旅猫リポート のあらすじ③
叔母・法子はサトルのために判事を辞め福岡に定住し、法律事務所に勤めることにしてくれました。
結局ナナの引き取り手が決まらなかったためナナと一緒に叔母の元に行くことになり、その途中、キレイな菜の花畑に寄ったサトルとナナですが、サトルが薬を飲んでいる間にナナは居なくなってしまうのでした。
サトルは、ナナを泣きながら探すとナナは足元にいました。
ナナにそばにいてよとサトルが弱音を吐くと、ナナはその思いをずっと知っていたと呟くのでした。
叔母・法子は、サトルの手術が上手く行かなかった時のことを思い出していました。
サトルは父と母のお墓参りに行き、ハチにそっくりなナナを紹介すると、キレイな七色の虹がかかります。
その虹はボクらの旅のはなむけだったとナナは思うのでした。
叔母・法子は、実は猫が苦手でした。
それでもサトルとナナのために一緒に住む家を用意してくれた叔母・法子になんども感謝するサトルです。
そして、ナナはサトルからもう長くはない匂いを感じていました。
サトルは子供の頃叔母・法子に引き取られたことを嬉しく思っていましたが、叔母・法子は、引き取ったその日にサトルは父と母と血がつながっていないと告白したことを後悔していました。
サトルには生い立ちに秘密がありました。
サトルは、育児放棄をされゴミに捨てられた赤ちゃんだったのです。
その事件を叔母・法子が担当し、子供の居なかった父と母が引き取ったのでした。
叔母・法子の後悔は、それだけではなく転勤のせいでサトルを転校ばかりさせてしまったこともありました。
しかしサトルは両親と血がつながってないことを早くに教えてもらえたから、育ての両親に愛情たっぷり育ててもらったことに気づけたし、転校が多かったからナナを引き取ってくれようとしてくれる友達もあちこちに出来たと感謝します。
叔母・法子もサトルも泣き出し、ナナはどちらを慰めて良いか迷います。
【結】旅猫リポート のあらすじ④
そして、サトルは泣く泣くナナを置いて海辺の病院に入院します。
それからナナはずっと窓辺でサトルの帰りを待っているのでした。
ナナはサトルとの面会を、病院の庭でならと許され、サトルは、ナナが足りなかったよと優しく匂いを嗅ぎます。
しかし、帰りにナナは逃げ出してしまうのでした。
ナナはいつでもサトルに会えるようにまた野良猫に戻るのでした。
ナナは天気の良い日、散歩するサトルに逢いに海辺にくるのでした。
サトルはこれからもナナに逢えるとわかり、叔母・法子にささみとカリカリをお願いするのでした。
サトルは、だいぶやせ細りそれでも海辺に散歩します。
ナナは、海辺でサトルからささみとカリカリをもらうのでした。
俺の最後の猫がナナでよかったと思うサトルにそんなこととっくにわかっていたよと応えるナナです。
サトルが危篤になり叔母・法子は駆け付けます。
ナナも何かに気づき病院へと駆け付けます。
猫を連れて来ていいかと聞く叔母・法子に聞かれたらダメっていうしかないから聞かないでという看護師の暗黙の了解を得て病室にナナを連れてきます。
サトルはありがとうと口を動かし旅立ったのでした。
1年後、サトルの法事に訪れた友達は叔母・法子の家に集まりサトルの昔話で盛り上がり、サトルが居なくなってもサトルのことを好きな人は繋がってるとナナは喜びます。
ナナはいつかサトルの元にいくから待っててとつぶやくのでした。
旅猫リポート を観た感想
毒親との関係を乗り越えた幸介の話は、地味に感動しました。
しかし、サトルが幸介に向かって「親になってはいけない人がいる。」
と言ったのは、いいすぎだと思っていました。
しかし、ラストでそのことが回収され衝撃でした。
その話をサトルが幸介に話していた描写はありませんでしたが、きっと互いに毒親から生まれたという共通認識があるからサトルは幸介にひどいことを言ったと思います。
ナナは結局、友達に引き取ってもらえませんでしたが、菜の花畑のサトルの焦り様をみたら入院の直前までサトルと一緒で良かったと思いました。
ひどい親に捨てられ良い親に育ててもらったサトルと気高い野良猫がサトルに引き取られ良い猫になったナナ。
サトルは両親にしてもらったことを自然にナナに返したのだと思います。
何度見ても泣ける映画です。
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