映画「007 カジノ・ロワイヤル (2006)」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|マーティン・キャンベル

007 カジノロワイヤル

監督:マーティン・キャンベル 2006年12月にソニー・ピクチャーズ エンタテインメントから配給

007 カジノ・ロワイヤル (2006)の主要登場人物

ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)
主人公。イギリスのスパイ。強じんな肉体の持ち主でギャンブルの腕前もピカ一。

ヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)
財務省の資金係。会計士の資格を持つ資金係。男を惑わすほどの美人。

ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)
各国のゲリラに投資サービスを提供しつつ、株価を操作する。思想や信条に関係なく金銭的な見返りで行動する投資家。

M(ジュディ・デンチ)
ボンドの上司。冷戦時代から祖国に尽くしてきた。

ミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)
ル・シッフルのボス。冷酷な殺し屋。

007 カジノ・ロワイヤル (2006) の簡単なあらすじ

「007」の称号を手にしたジェームズ・ボンドはテロ組織の壊滅のために、資金調達係のヴェスパー・リンドとモンテネグロへ乗り込みました。

カジノでポーカーの達人ル・シッフルを打ち負かしますが、黒幕のミスター・ホワイトにヴェスパーを殺害されてしまいます。

彼女との平穏な暮らしを夢見ていたボンドですが、再び銃を取ることを決意するのでした。

007 カジノ・ロワイヤル (2006) の起承転結

【起】007 カジノ・ロワイヤル (2006) のあらすじ①

00は危険な数字

テロ組織の資金源をチェコのプラハで探っていたジェームズ・ボンドは、機密情報を不正に売却していた裏切り者を始末しました。

スパイの中でも最高の栄誉である00(ダブル・オー)ナンバーへと昇格したボンドが、最初に与えられた任務はテロ資金の根絶です。

アフリカのマダガスカルに飛んだボンドは囚人を射殺して携帯電話を奪い、「エリプシス」というコードネームを入手します。

軍情報部のデータベースでエリプシスを検索してみると、バハマのオーシャン・クラブから発信が確認できました。

手掛かりをつかむまでに大使館を派手に爆破して現地のメディアを騒がせたため、MI6(秘密情報部)の大物・Mからは非難されましたが気にしません。

オーシャン・クラブの駐車場で1964年型アストン・マーティンを発見したボンドは、受付係から持ち主がビーチの豪邸に住んでいるアレックス・ディミトリオスだと聞き出します。

ポーカーでディミトリオスを負かしたボンドは、チップの代わりにアストン・マーティンを手に入れました。

【承】007 カジノ・ロワイヤル (2006) のあらすじ②

右手に大金、左手に美女で入店

アストン・マーティンを取り返しにきたディミトリオスを返り討ちにしたボンドは、携帯電話の通話履歴からエリプシスがマイアミ国際空港でテロを計画していることを察知します。

初フライトを迎えていた大型旅客機・スカイフリートの爆破を防いだボンドですが、黒幕はエリプシスでも武器の仲買に関わっていたディミトリオスでもありません。

スカイフリートの株価を暴落させて空売りで稼ごうとしていたル・シッフルです。

テロリストにも資金運用をしているル・シッフルは、チェスの名人で数学の知識も天才的でした。

今回の大損が原因で厳しい取り立てに追い込まれていたル・シッフルは、モンテネグロの「カジノ・ロワイヤル」で一気に挽回するつもりです。

Mは情報部の中でも1番にポーカーが強いボンドを送り込んで、財務省から派遣されたヴェスパー・リンドが資金の後ろ盾になってくれます。

ボンドはプロ・ギャンブラーのビーチ氏、ヴェスパーは富豪令嬢。

偽のパスポートを手に入れたふたりは、カップルを装いカジノに入店しました。

【転】007 カジノ・ロワイヤル (2006) のあらすじ③

命をかけた切り札

参加料は1000万円、賭ける額に制限がないノーリミットホールデム、手札は2枚で共有札2枚、預り金はスイス銀行にプールされて勝者の口座に送金。

ル・シッフルがブラフを仕掛ける時に一瞬だけ顔をひきつらせる癖を、ボンドは見逃しません。

他の招待客は早々と降りていくために、ゲームはふたりの一騎打ちです。

ヴェスパーが用意した軍資金はたちまち底を尽きますが、潜入していたアメリカ中央情報局の捜査官・フィリックスが持ち金を分けてくれました。

ル・シッフルの身柄はフェリックスに引き渡し、ギャンブルの取り分はMI6のもの。

秘密協定が成立したためにボンドの有利に進んでいきますが、飲み物の中に毒を盛られてしまいます。

会場を抜け出してボンドカーの通信機能を使って本部の指示を仰ぎながら、解毒剤で何とか蘇生しました。

エース3枚を含んだフルハウスのル・シッフルに対して、4から8までのストレート・フラッシュを決めたボンドの勝利です。

フェリックスに確保されそうになったル・シッフルは、ヴェスパーを人質にしてボンドを監禁します。

【結】007 カジノ・ロワイヤル (2006) のあらすじ④

愛する人の死から終わりなき戦いへ

アジトで拷問にかけらたボンドですが、賞金が振り込まれた口座の暗証番号だけは白状しません。

借金の取り立てにやって来たミスター・ホワイトによってル・シッフルは始末されて、ボンドは無事に解放されました。

危険な仕事を辞めてヴェスパーと静かに暮らすことにしたボンドは、Mにメールで辞表を送ります。

ヴェスパーが賞金を勝手に引き出したのは、ヴェネチアで休暇を楽しんでいた時です。

ヴェスパーにはフランス人の恋人がいて、ル・シッフルの一味に捕らわれているために逆らえません。

金の入ったトランクを提げた彼女はサン・マルコ広場の廃虚となったアパートへ向かいますが、銃撃戦の末に建物の水没に巻き込まれて亡くなりました。

ボンドがル・シッフルに殺されなかったのは、ヴェスパーが全ての黒幕ミスター・ホワイトと取引をしていたからです。

ヴェスパーは死の直前にホワイトの電話番号を調べ上げて、ボンドの携帯に送信しています。

トランクを持ち去ったホワイトが電話を取った瞬間に銃弾が飛んできて、ライフル銃を構えたボンドが「ジェームズ・ボンド」と名乗るのでした。

007 カジノ・ロワイヤル (2006) を観た感想

金髪にブルーの瞳のジェームズ・ボンドは、これまで定着していたイメージを覆すほどの新鮮さがありました。

アフリカの建築現場からカリブ海のクルーザー船まで、エネルギッシュに駆け回っていきます。

一方ではMから「自我を捨てて冷静な状況判断を」とアドバイスされてしまう場面もあり、まだまだプロフェッショナルに徹しきれていません。

時計はロレックスではなくオメガ、マティーニはジン・3に対してウォッカ1、レモンピールのスライスをトッピングというこだわりも格好いいです。

氷のハートを持つボンドと、涙腺に異常があり赤い涙を流すル・シッフルとのポーカー勝負が圧巻でした。

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