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楽園を彩る女性達の特性
なぜ最近連絡をくれないのかと、例の如く興奮気味にるるなから電話がありました。アツシは立て込んでいる為時間ができたら必ず連絡すると伝えようとしますが、るるなは話を聞かずに他の女の子と遊んでるんだろうと騒ぎ立て激しく落ち込んで見せます。声を上げて泣くるるるなに、ごめんと呟きながらアツシは電話を切りました。
アツシの楽園を彩る女性達が、皆お互いの存在を知らされている訳ではありません。何故なら彼女達は異なる特性を持っています。ユメノは全く嫉妬しませんでした。るるなは嫉妬に燃えるタイプです。一方のエミは嫉妬で潰れてしまうタイプ。だからアツシは、エミだけには聞かれていない事は伝えないという態度で接していました。
3億円の隠れ蓑
アツシとユメノはユメノの家が所有する別荘に来ていました。アツシの家で保管していた3億円を、これからはユメノが預かってくれると言います。ユメノには猿田組という大きな後ろ盾があり、リスクを冒して金を盗む理由がありません。だからこそ格好の隠れ蓑でした。
アツシがユメノの側にずっと居ると言う事は、サクラの嫉妬を買い更なる被害を招くリスクがあります。警察の動きが透明になるまでは、サクラと鉢合わせする訳には行かない。そう考えてアツシは”キョウコを利用したある対策”を考えていました。アツシがユメノを朝食に誘うと、ユメノはその前に済ませたい話があると言い、山之内について話し始めます。
エミに明かされたアツシの秘密
同じ頃、エミが外出した所に、山之内が車で待ち受けていました。機密情報だから車の中で話したいと言う山之内に、男と密室は避けたいとエミが断ります。けれど、アツシの隠し事を知りたくないのかと弱みにつけ込まれ、エミは渋々山之内の車に乗りました。
山之内はアツシにエミ以外の親しい女性がいると言って、ユメノとアツシの盗撮写真を見せます。
エミはアツシが他の女の子と会っている事は知っていたと言います。山之内は畳み掛ける様に、それだけでは無いと続けました。猿田ユメノ宛の家賃の領収書、小岩るるな宛の慶王大学学費の領収書、それぞれのコピーをエミの前に提示して、アツシが女性から援助を受けるヒモ男だと罵ります。エミは俯き目に涙を浮かべました。
丁度アツシから電話がありました。アツシはエミが大学へ行く前に会いたいと言います。エミはアツシを裏切る覚悟で、警察の人と話しているからと言って電話を切ってしまいました。
その後エミは、白いワンピースの少女を見た事があると山之内に打ち明けます。山之内はしたり顔でエミに迫り、詳細を聞き出そうとします。段々と身体の距離が近くなる山之内に、エミは恐怖を覚えて突き放してしまいました。
マジメな捜査の息抜き
その拍子にエミが助手席の背を、足で蹴ってしまい布地が破れました。エミは慌てて謝罪し近くで確認しようとすると、破れ目にはカメラが設置されていました。エミがカメラに気が付くと、山之内はエミの口を塞ぎます。身体の自由も奪いました。不気味な笑みを浮かべカメラは聴取の記録用だと言い、エミに信じられるかと聞きます。身動きが取れないエミは、微かに首を上下に振りました。
山之内は信じて無いだろうと、理不尽に声を荒げます。盗撮はマジメな捜査の裏に必要な息抜きだと言い始めました。山之内はここまでする気はなかったが口封じの為なら仕方ないと言って、エミのキャミソールのワンピースを胸の下までずり下ろしました。その瞬間エミの恐怖は最高潮に達します。心の中で『何で私ばっかり』と嘆き助けを求めていました。
アツシは別荘でユメノの話を聞いて、すぐにエミの身を案じました。猿田組の調べによると、山之内は過去に盗撮の容疑で懲戒処分を受けていると言います。エミに電話を切られた後、アツシはユメノの別荘を飛び出しエミを探し回っていました。
山之内が無理にエミの淫らな姿をカメラに収めます。車外の人影に山之内は気が付きませんでした。山之内が再度エミを撮ろうとした瞬間、エミの拳が山之内の頬を殴り反対のドアへ突き飛ばされました。
エミはおもむろにキャミソールの紐を正し、落ちた山之内のデジタルカメラを手に取ります。山之内が起き上がろうとすると、そのカメラで頭部を強打しました。あまりの痛みに山之内は叫び声を上げます。
豹変したエミは『アツシくんキズ傷つけた、だから―オシオキだ』と言って山之内の顔面を鷲掴みにしました。第11話へ続きます。
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