映画「チーム・バチスタ ケルベロスの肖像画」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|星野和成

映画「チーム・バチスタ ケルベロスの肖像画」

監督:星野和成 2014年3月に東宝から配給

チーム・バチスタ ケルベロスの肖像画の主要登場人物

〈名前〉田口公平(伊藤淳史)〈説明〉白鳥と一緒に事件の解決に挑む。〈名前〉白鳥圭輔(仲村トオル)〈説明〉厚労省の役人で事件の解決に挑む。〈名前〉東堂 文昭(生瀬勝久)〈説明〉MITの教授でケルベロスの開発者。〈名前〉別宮 葉子(桐谷美玲)〈説明〉医療ジャーナリストで変死事件の取材に来ている。〈名前〉榊陽一(二階堂智)〈説明〉内科医で被害者の9人のうち榊先生だけが生き残った。

チーム・バチスタ ケルベロスの肖像画 の簡単なあらすじ

国際AIセンターにMRIのリヴァイアサンが搬入され田口と白鳥は忙しく動き回っていると白鳥の携帯の通話から上司の船橋審議官が別荘の地下室で不審死してさらに8人が亡くなったと知ります。

一人だけ助かったのが榊医師でした。

事件の裏に船橋審議官と亡くなった関係者がケルトミンを認可した関係者であることを突き止めて医療ジャーナリストの別宮がペンネームで本名が西園だと知り、彼女の母親もケルトミンの薬害被害者の一人だと判明します。

西園はハッキングして病院を混乱に陥れて生き残った榊を殺そうとしますが失敗して警察に連行されます。

事件も解決して田口と白鳥はそれぞれの道を進んでいきます。

チーム・バチスタ ケルベロスの肖像画 の起承転結

【起】チーム・バチスタ ケルベロスの肖像画 のあらすじ①

国際AIセンターにMRIのリヴァイアサンの導入

火葬場で1人の男性が遺骨を拾っていると中から鉗子が発見されます。

海辺の別荘に帰宅した妻が地下室で倒れている10人の男性を発見して悲鳴を上げます。

国際AIセンターにMRIのリヴァイアサン搬入の準備で白鳥と田口は忙しく動き回り自衛隊のセレモニーで華々しくパレードが行われ自衛隊の戦車から田口が広報PRとして現れます。

田口は観客の中に桜宮すみれを発見しますが、すぐに見えなくなり病院へと向かいますが、医療ジャーナリストの別宮 葉子に声を掛けられ名刺交換をします。

警察の現場検証中に生存者が判明して病院に搬送されますが、意識不明の状態が続きます。

AIセンターの大講堂にリヴァイアサンの搬入と桜宮市長の慣れない接待で白鳥は苦労します。

白鳥の上司の船橋審議官が東堂教授を招待したと話していると白鳥の携帯に船橋審議官の妻から異変を知り船橋審議官の別荘へと向かい現場の刑事から事件の詳細を聞きますがパソコンが一つもないので不審な点に白鳥が気付きます。

病院で田口と白鳥は今回の事件がAI反対派の仕業によるものかもしれないと話していると滝沢医師と別宮が話をしているのを見かけて近寄ると別宮は今回の事件の取材で知り合いの滝沢医師から情報を得ようとしていましたが、滝沢医師から拒否されます。

田口は別宮から桜宮すみれについて聞かれ彼女の居場所を探そうかと提案されたので別宮と連絡先を交換します。

榊の昏睡状態は続きますが、そこへ東堂教授がMRIのリヴァイアサンの設定が終了したので船橋審議官の遺体で診断することを提案し何回検査しても画像は映りませんが、重水の影響だと結論づけこの事件の犯人は医療に精通している人物だと確信します。

東堂教授は記者会見をして死因を解明したのはリヴァイアサンのおかげだと持ち上げます。

その会見を見ていた桜宮すみれと南雲が、その会見に不満を口にし白鳥への怒りを口にだします。

【承】チーム・バチスタ ケルベロスの肖像画 のあらすじ②

ケルトミンの薬害被害者

病院に東城医大とケルベルス破壊する怪文書が届き対策を練っていると榊医師が昏睡状態から目覚めたと救急医療から内線が入ります。

榊は「女が、女が」しか言わず、要領を得ず事件の解決に難航しますが、田口の患者が薬を変えたことで症状が良くなった話からケルトミンの薬害問題を思い出し今回の被害者全員がケルトミン薬の関係者だと気づきます。

田口は脅迫状の消印から桜宮を疑い北海道の極北青藍院を訪ねて桜宮すみれに会いたいと受付に頼みますが、院長の南雲は不在で桜宮にも会えませんでした。

歩いて帰ろうとすると車で先回りした院長の南雲が、彼女の家族を奪ったのは白鳥と田口が原因だと責めて桜宮が爆弾を手に入れたと話をします。

榊の犯人の女の顔を思い出せないとの発言から救命センターの速水は違和感を覚え簡単なテストと頭部への事故の聞き取りから相貌失認をわずらっていることがわかります。

榊は田口に医師として症状に気づかなかったことにふがいないと話しケルトミンの薬害被害者がいるなら謝りたいと話します。

白鳥と田口が犯人の女について会話していると別宮が現れてケルトミンの被害者の会の名簿を渡し、今も連絡を取っている薬害被害者を田口と白鳥に紹介してくれるので直接、会いに行きます。

紹介されたのはケルトミンの影響で呼吸困難で寝たきりになった高齢男性で彼を交えて白鳥は田口と別宮に治験の認可には時間がかかり認可を待つ患者も多くいるので認可の判断は難しいと話します。

それを聞いた高齢男性が、胸の内の悲痛な叫びを発します。

帰り道、白鳥は別宮の介護の手際のよさに感心すると別宮の母親も介護が必要だったからと聞いて、白鳥はケルトミンの効果で救われた患者は多く存在し極一部の患者は体質に合わず被害にあってしまったと説明しますが、別宮が患者に肩入れしすぎてジャーナリストして公平な判断ができていないと言い放ちます。

【転】チーム・バチスタ ケルベロスの肖像画 のあらすじ③

別宮の正体が判明

別宮はケルトミンの薬害被害は予見できたと反論し、その証拠として研究員の証言の録音もあると話します。

さらにその研究員は、慣れない営業へと回され自殺したとも話すと怒って帰ってしまったので田口が彼女を送っていく姿を見ながら知り合いの刑事に別宮の素性を調べるよう要請します。

翌朝、白鳥の携帯に刑事から別宮の名前がペンネームで本名が西園葉子だと判明し彼女の母親もケルトミンの被害者で、10年以上寝たきりで去年亡くなったことや処方箋を書いたのが、榊だとわかります。

国際AIセンターに入場者の中に極北青藍院院長の南雲と桜宮すみれの姿がいます。

白鳥から田口の携帯に榊の命が危険だと連絡がはいり滝沢を探すと榊の容体が急変してたことを知り他の救急医療の患者も容体が変わります。

速水医師から榊の緊急手術はお前が行えと言われた滝沢は驚きつつ了承すると田口が現れて滝沢の父親がケルトミンの薬害被害者の一人で榊に処方してもらった理由から執刀を外れるように言いますが、それを聞いても速水は滝沢に榊の手術をするべきだと言い放ちます。

後からやってきた白鳥も滝沢が西園の共犯者の可能性があるから執刀すべきではないと言いますが、滝沢は速水の下で救急医として医者の仕事をするだけだと田口に話しその熱意を聞いて榊の執刀を認めます。

電子カルテが何者かに改ざんされそのことに気づいた速水がマニュアルに切り替えて指示を出します。

AIセンターでは東堂教授がAIシステムの有用性をアピールしますが、南雲がその意見に待ったをかけて桜宮がUSBメモリを—渡してこれには犯罪の証拠があると説明して東堂教授がUSBの画像診断を行い医学的説明をします。

【結】チーム・バチスタ ケルベロスの肖像画 のあらすじ④

西園(別宮)の犯行の動機と結末

AIの診断から鉗子だとわかり桜宮からそれは最近、亡くなった東城医大の患者で当時の研修医である白鳥を含めて誰一人その事実を家族にうちあけず隠蔽したと白鳥を責めます。

しかし、東堂教授はAIの画像から鉗子が、腸血管にまとわりついているので取り出せば命にかかわると説明し患者からも痛みがなかったことから彼らの判断は正しかったと擁護します。

白鳥は患者にうちあけず申し訳なかったと謝罪をしていると画像に異常が発生して東城医大でも管理システムの画面が乱れ始め、病院では患者があふれてパニックとなり混乱が起きています。

田口が桜宮にコンピュータのシステムエラーもあなたが起こしたのかと尋ねますが、憎いのは白鳥とAIだけだといいこの件の関与を否定します。

田口から医者が一人でも必要と説得され東城医大の応援に向かい桜宮も患者の診療を手伝います。

屋上にいる西園(別宮)を発見すると西園は田口と白鳥に今回の事件の動機が船橋審議官たちが臨床内容を隠蔽して新薬の認可を早めめたことやそれを脅迫して関係者を地下室に集めたと話します。

完全犯罪を目論んでいましたが、重水のことがばれて開き直り10人を殺した女の記事を読めば薬害問題の裏で何が起きていたのかわかるだろうと話します。

榊医師を狙ったのも母親の亡くなる一ヶ月月前に公園で再会したけど榊が母の顔を覚えていなかったことも怒りを覚えたと話しますが、田口が事故の影響で榊が相貌失認を患っていたと説明します。

さらに田口が薬害被害者の事を気にしていたと話すと西園もそのことを聞いて事件を起こしたことを後悔します。

自殺しようとする西園を引き留め彼女を警察に突き出し連行されます。

榊の手術も無事終わり、西園が書いた記事も反響を呼びMRIのリヴァイアサンも破棄されることが決まります。

白鳥も辞職するつもりでしたが田口に止められ東堂教授もアメリカに帰り白鳥と田口もそれぞれの道を進むのでした。

チーム・バチスタ ケルベロスの肖像画 を観た感想

医療診断のミスや薬害問題について提起した作品でした。

厚生省の認可された新薬を待っている患者も多くいますのでそれが健康被害にあうものだと知れば家族の怒りは納得できます。

末期のがん患者やB型肝炎の医療問題や医療ミスを知ると医者も人間なのでミスを犯すのは当然ですが、医療システムや技術、人手不足、医者としてのプライドなど数多くの医療ドラマを見ると問題が浮き彫りになるのでこれらが解決する道は険しいと考えます。

AIによる画像診断が進めば、亡くなった遺体の解剖をしなくても死因の判断が行いやすい点をアピールしていますが、コンピューターなのでシステムに不具合が生じると誤作動が生じてマンパワーに頼るしかない問題もきちんと明かされていますのでより良い道へと模索する呼び水となった作品だと思います。

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