映画「レオン」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|リュック・ベッソン

映画「レオン 完全版」

監督:リュック・ベッソン 1995年3月に日本ヘラルド映画から配給

レオン 完全版の主要登場人物

レオン・モンタナ(ジャン・レノ)
本作の主人公。プロの殺し屋で、他人との関りを極力避け孤独に生活している。観葉植物の世話が日課。

マチルダ・ランドー(ナタリー・ポートマン)
レオンの隣の部屋に住む12歳の少女。父や異母姉との関係がうまくいっておらず、幼い弟だけが心の支えだった。レオンに助けられ、淡い恋心を抱くようになる。

ノーマン・スタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)
通称スタン。麻薬取締局の捜査官でありながら、裏で麻薬密売組織を牛耳っている。女子供にも容赦ない冷徹な人間で、マチルダの家族を惨殺する。

トニ—(ダニー・アイエロ)
イタリアンマフィアのボスで、レオンを一流の殺し屋に育てた。レオンに暗殺の仕事を依頼している。

レオン 完全版 の簡単なあらすじ

主演のジャン・レノ、そして本作でデビューしたナタリー・ポートマンを一躍トップ俳優に押し上げた衝撃の問題作。

いまだ根強いファンが多く、世界中で多くの人に愛されている傑作です。

プロの殺し屋として一人孤独に生きてきたレオンは、ある日同じアパートに住むマチルダという少女を助けました。

そこからマチルダとの奇妙な同居生活が始まり、2人は次第に心の距離を縮めていきます。

レオン 完全版 の起承転結

【起】レオン 完全版 のあらすじ①

孤独な殺し屋と少女

ニューヨークで殺し屋として生きる初老の男・レオンは、レストランの店主・トニーから依頼があると仕事に向かう生活をしていました。

腕前は一流で、大勢のマフィアですら数分で片付けてしまうほどです。

その日、レオンがいつものように仕事を終えて自宅アパートに帰り着くと、隣の部屋に住む少女・マチルダが階段の踊り場に腰をかけて煙草を吸っていました。

時々”ご近所さん”として会話をしている少女です。

マチルダの顔には痣があり、レオンが尋ねると「自転車で転んだの」と答えます。

そして「煙草のことはパパには言わないで。

面倒なことになるの。」

と言いました。

部屋に戻ったレオンは丁寧にアイロンをかけ、観葉植物の世話をしました。

それが日課なのです。

時折のぞき穴から見ていたので、マチルダの顔にある痣が父親による暴力が原因だということも、うすうす気づいていました。

マチルダの家庭は荒れていました。

異母姉との関係も良くなく、実の父親でさえマチルダを虐待し、疎んでいるようでした。

幼い弟だけがマチルダの心の支えです。

「大人になっても人生はつらいの?」ある日マチルダがレオンに聞きました。

「つらいさ」とレオンは答えます。

マチルダの父親は麻薬の運び屋をしていましたが、麻薬密売組織からの麻薬を横流ししていました。

それが、麻薬捜査官でありながら裏で組織を牛耳る男・スタンにばれてしまい、期日までに全て出すようにと命じられました。

しかしそれを認めずに麻薬を返すこともしなかったので、ある日スタンとその手下たちによって家族もろとも惨殺されてしまいます。

マチルダは買い物に出かけていて難を逃れました。

帰宅したマチルダは異変を察知し、自宅に向かわずレオンの家の扉をノックします。

「助けて。

お願い」面倒に巻き込まれたくないレオンは扉を開けるのをしばらく躊躇しましたが、マチルダを保護しました。

こうしてマチルダとの奇妙な同居生活がスタートしたのでした。

【承】レオン 完全版 のあらすじ②

レオンへの恋心

憎んでいた両親はともかく、かわいがっていた愛する弟まで殺されたマチルダは深く傷つき、悲しみにくれました。

そんなマチルダを、レオンは不器用ながらも励まそうとします。

マチルダは初めて、大人からの優しさにふれました。

そしてレオンが殺し屋だと気づいても何ら驚くことも怖がることもせず、「すてき」とつぶやきます。

さらに弟の復讐をしたい、殺しの技術を教えてほしいと懇願してきましたが、レオンはそれを拒否します。

しかしマチルダの意思は固く、レオンの銃を乱射して見せました。

熱意に負けたレオンは頼みを受け入れ、こうして二人は師弟関係になりました。

マチルダは本当は12歳でしたが「18歳」と伝え、嘘もうまく使って機転を利かせます。

レオンはマチルダに殺しの基本を伝授します。

「1発目は動きを止める」「殺すのは2発目」「顔以外を狙う」マチルダは銃を手に真剣に練習しました。

腕前はなかなかのようです。

代わりに、字が読めないレオンはマチルダからレッスンを受けます。

こうして二人は時にふざけ合いながら、次第に打ち解けあっていきました。

そしてマチルダは「レオン、あたしあなたに恋をしたみたい」と言ってレオンを驚かせます。

【転】レオン 完全版 のあらすじ③

復讐に燃えるマチルダ

マチルダは家族を殺された現場へと足を踏み入れました。

そこへ捜査官としてスタンが現場検証へと訪れます。

そしてマチルダは家族を殺した黒幕がスタンだということを突き止めました。

後を追いかけると、スタンは麻薬取締局のビルへと入っていきます。

マチルダとレオンは初仕事を終え、シャンパンで乾杯をしていました。

ほろ酔いのマチルダは「あなたを愛してる」「お祝いのキスをして」と迫りますが、レオンは拒絶します。

その後も次々と仕事を成功させる二人は、殺し屋として良い相棒になっていました。

マチルダは一人スタンに復讐するため、ピザ屋の宅配員を装ってスタンのいるビルへと潜入します。

しかしそれを察知したスタンに捕らえられてしまいました。

マチルダの置手紙を見たレオンは急いでビルへと向かい、スタンの手下を殺しながらなんとかマチルダを救出します。

その夜、レオンからもらったドレスに身を包んだマチルダは「良い初体験をしたい。

相手になってほしい」とレオンにお願いします。

しかしレオンはそれを拒否しました。

レオンには昔愛した女性がいましたが、交際を反対した彼女の父親が彼女を射殺し、復讐のためにその父親を殺したという過去があったのです。

レオンが19歳の時でした。

それ以来、レオンは恋愛を避けて生きてきました。

その夜、二人は同じベッドに入って眠りに着きました。

【結】レオン 完全版 のあらすじ④

復讐を終えて

部下を殺されたスタンは、トニー配下の殺し屋による仕業ではと考えトニーの元へ向かいます。

実はスタンこそがトニーを介してレオンに殺しの仕事を依頼していた元締めだったのです。

そしてレオンの仕業だと確信したスタンは、市警の特殊部隊も動員してレオンたちがいる建物を包囲し、突撃しました。

激しい銃撃戦が繰り広げられる中、レオンはなんとかマチルダを逃がすことが出来ました。

マチルダは後でレオンと落ち合うためにトニーのレストランへ向かいます。

レオンは負傷した特殊部隊員を装って脱出しようとしますが、見破ったスタンが後をつけます。

アパートの出口まであと少しというところで、レオンは背後から撃たれました。

倒れたレオンに駆け寄り、上から見下ろしてあざ笑うスタンにレオンはある物を手渡します。

「贈り物だ。

マチルダからの」スタンが手を開くと、そこには手榴弾の安全ピンが。

スタンがレオンのベストを剥がすと胸には複数の手榴弾がついています。

スタンが「クソッ」とつぶやいたその瞬間、大爆発が辺りを包み、レオンはスタンを道連れに最期を遂げました。

—一人残されたマチルダはトニーに殺し屋になりたいと頼むも断られてしまいます。

レオンの遺産はトニーが管理して少しずつマチルダに渡されることになり、マチルダは学校の寄宿舎に入りました。

そしてその庭に、レオンの形見だった観葉植物を植えたのでした。

レオン 完全版 を観た感想

12歳の少女と殺し屋というどう考えても交わうことのない二人の関係を、圧倒的な存在感で演じたジャン・レノ、ナタリー・ポートマンと、繊細な演出で描いたリュック・ベッソン監督はお見事です。

カットされた22分を入れた完全版は倫理的にいろいろ賛否を巻き起こしましたが、レオンとマチルダの関係をより濃く描いていて必見だと感じました。

できることなら完全版を観るのをおススメします。

怖いほどの狂気を感じるゲイリー・オールドマンの演技にも注目してほしいです。

ラストはハッピーエンドではありませんが、何度観ても二人の純愛に心が激しく揺さぶられる名作です。

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