監督:デビッド・フィンチャー 2011年1月にソニー・ピクチャーズエンタテインメントから配給
ソーシャル・ネットワークの主要登場人物
マーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)
主人公。独創性のあるプログラマー。起業家としても意欲的だが他人の気持ちが分からない。
エリカ・オルブライト(ルーニー・マーラ)
マークの彼女。正義感が強く言うべきことは面と向かって言う。
エドゥアルド・サベリン(アンドリュー・ガーフィールド)
マークの数少ない友人。経済学を専攻していて幅広い人脈も持つ。
キャメロン・ウィンクルボス(アーミー・ハマー)
マークの上級生。双子の弟タイラーとコンビを組んでボート選手としても活躍中。
ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)
音楽無料配信サイトの考案者。20代にして成功とドン底の両方を経験。
ソーシャル・ネットワーク の簡単なあらすじ
ハッキングをして謹慎処分を受けた大学生のマーク・ザッカーバーグですが、一向に反省することはなく交流サイト「フェイスブック」を立ち上げることに夢中です。
大勢の登録者を集めて事業としても軌道に乗り始めた頃、会社の権利を巡って内輪もめが起こります。
フェイスブックは世界規模にまで膨れ上がりますが、仲間たちはマークのもとを去っていくのでした。
ソーシャル・ネットワーク の起承転結
【起】ソーシャル・ネットワーク のあらすじ①
2003年秋学期、ハーバード大学の2年生に進学したマーク・ザッカーバーグですが、ボストン大学に通っているエリカ・オルブライトから別れを切り出されてしまいました。
寮に戻ると腹いせに彼女の悪口をブログに書き込み、さらには大学のホストコンピューターに侵入し女子学生の容姿をランク付けした画像リンクを公開します。
真夜中にも関わらず20000件をこえるアクセスが集中し、回線がパンクするほどの盛況です。
不正アクセス、著作権とプライバシーの侵害、アフリカ系やピスパニックへの差別、女性蔑視… 数々のコンプライアンスに違反したマークは理事会から半年間の観察処分を言い渡され、学内紙を通じて謝罪をしましたが批判は収まりません。
キャンパスでの居場所がなくなったマークに目を付けたのは、ボート部に所属しているウィンクルボス兄弟です。
誰もがプロフィールや写真を載せることができて自由に閲覧できるような、面白いサイトの製作を考えていました。
すっかりイメージダウンしたマークにとっては名誉挽回のチャンスでもあり、社交(ソーシャル)のすべてをネットに持ち込むために彼らに協力します。
【承】ソーシャル・ネットワーク のあらすじ②
年が明けた1月11日にはドメイン名「ザ・フェイスブック」を登録業者を通じて取得しますが、共同創業者に指名したのは兄・キャメロンでも弟のタイラーでもありません。
アルゴリズムに詳しいエドゥアルド・サベリンで、自らが会長を務める投資研究会のメンバーにメールを一斉送信し1日で650人以上のメンバーを登録しました。
昨日までは2〜3人ほどしか友だちがいなかったマークですが、いまや知らない人はいないほどで見ず知らず女性から熱烈なアプローチを受けるほどです。
たまたまレストランで鉢合わせしたエリカに自慢気に話しかけましたが、彼女は今でも自分を中傷した仕打ちを許してはいません。
登録者数が4000人を突破した頃、エドゥアルドはビジネス担当者として利益を挙げることを考え始めます。
もともとは学内の掲示板サイトにしか過ぎないものを、アイビーリーグから西海岸までへと広めたのはマークの功績が大きいでしょう。
一方でキャメロンは自分たちこそが発案者で、マークにアイデアを盗用されたと主張してきます。
【転】ソーシャル・ネットワーク のあらすじ③
キャメロンからは度々呼び出しを受けていたマークですが、電話にも出ず顔を合わそうともしません。
ウィンクルボス家は資産家の一族で学長とも懇意にしていて、顧問弁護士も抱えているために法律に訴えることも可能です。
サイトの停止警告状が送られてきましたが見て見ぬふりをしていたマークは、「ナップスター」で音楽業界に参入したショーン・パーカーに会いに行きました。
マークとは初対面で意気投合しているようですが、エドゥアルドは彼に関する悪いうわさが気になっています。
これまでに2社を倒産させて抱えている負債、違法な薬物を使用している疑惑、誇大妄想が強くクセのある性格。
ショーンのアドバイスに従って「ザ」を消して「フェイスブック」で法人登録を済ませましたが、拠点をどこに置くのかでも意見が分かれます。
エドゥアルドの家族が住んでいるフロリダ州か、シリコンバレーともショーンとも近いカリフォルニア州スタンフォードか。
マークは独断でカリフォルニアに決めますが、エドゥアルドは実務研修があるとの理由で合流しません。
【結】ソーシャル・ネットワーク のあらすじ④
はるばる飛行機でやって来て久しぶりの再会にも関わらず、空港に誰も迎えにこなかったことがエドゥアルドは気に入りません。
いつの間にかショーンが会合のセッティングにまで口を挟み、代表者のような顔をするのも不満のひとつです。
エドゥアルドはマークに無断で会社の口座を凍結して小切手と融資枠の解消をして、サーバーをダウンさせる強硬な措置に打って出ました。
フェイスブックがカリフォルニアに構えた新しいオフィスまで乗り込んでみると、エドゥアルドの株式の保有率が34パーセントから0.03パーセントにまで落ち込んでいます。
すでに役員の名簿からも名前が消されていてたエドゥアルドが、すべてを取り戻すためには法廷で争うしかありません。
ウィンクルボスとは6500万ドル、エドゥアルドはそれ以上の非公開の金額で和解。
時価総額にして250億ドル、世界最年少の億万長者となった今のマークにとってはたいした金額ではありません。
ただひとつだけ心残りがあったマークは、フェイスブックで「エリカ・オルブライト」と検索して彼女のページを開きます。
友だちリクエストを申請し、画面の前で延々とメッセージが返ってくるのを待つのでした。
ソーシャル・ネットワーク を観た感想
ベンチャービジネスの世界では若き成功者の代名詞とも言えるようなマーク・ザッカーバーグですが、映画の序盤ではごく普通のパソコンオタクにしか見えません。
マーク役を演じているジェシー・アイゼンバーグの、モッサリとした風ぼうとファッションもピッタリですね。
振られた彼女に子供じみた仕返しをするなど、かなり「イタイ」エピソードも盛り込まれています。
単純なサクセスストーリーに終わることはなく、誰しもが味わう挫折や人間的な弱さも描かれていて共感できました。
大企業に雇われて人に使われるよりも、独立でクリエイティブなことがしてみたいという方はこの映画をみてください。
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