監督:ロバート・ゼメキス 2007年11月にワーナー・ブラザースから配給
ベオウルフ/呪われし勇者の主要登場人物
ベオウルフ(レイ・ウィンストン)
グレンデル退治に来た英雄。
フロースガール(アンソニー・ホプキンス)
デンマーク王国の王。
アンファース(ジョン・マルコビッチ)
王の参謀、腹心。
ベオウルフ/呪われし勇者 の簡単なあらすじ
英雄ベオウルフがデンマークの王国に災いをもたらす化け物を退治するため海を渡ってやって来ます。
その化け物は実はデンマークの王であるフロースガール王と化け物の子供なのです。
ベオウルフは化け物を退治し英雄としてその名を轟かせます。
ベオウルフは王国を継ぎ、フロースガール王のお后も手に入れますが、実はベオウルフも化け物の誘惑に負けて、フロースガール王と同じように化け物と交わったのです。
王国は繁栄しますが、成長したベオウルフと化け物の息子が王国を襲います。
年老いたベオウルフは自分の弱さがもたらした災いと対峙します。
ベオウルフ/呪われし勇者 の起承転結
【起】ベオウルフ/呪われし勇者 のあらすじ①
デンマーク、507年のことです。
フロースガール王と民達は宴を催しています。
フロースガール王は若く美しい王妃に名物の蜜酒を持って来させます。
王は酔って醜態を晒し、王妃はうんざりしています。
王が戦利品を皆に分け与えています。
その館から遠く、洞窟の中でその宴会の音に苦しむ化け物グレンデルがいます。
グレンデルは鼓膜が剥き出しになっていて音にとても敏感なのです。
グレンデルは耐えかねてその館を襲います。
グレンデルは人間を引きちぎり、フロースガール王が自分が相手だ、と名乗り出ると去っていきました。
翌日、館は締め切られ宴会は禁止と命令が出ました。
ベオウルフとその軍団は船でデンマークに着きます。
ベオウルフはフロースガール王にグレンデル退治に着たことを告げます。
フロースガール王の側近アンファースはベオウルフが泳ぎの競争で負けた事実を持ち出し、そんなことでグレンデルと戦えるのかと詰め寄ります。
ベオウルフは負けた事実を認め、理由を話します。
海の魔物に襲われたからだと言います。
しかしそれは嘘で、本当は海の魔物が美しい人魚に化けて誘惑したため、その誘惑に乗ったのでした。
【承】ベオウルフ/呪われし勇者 のあらすじ②
その夜、館は再び開けられ、宴会が再び催されました。
王は竜をかたどった黄金の宝をベオウルフに見せ、グレンデルを退治してくれればこの宝を譲ると言います。
それは暗に、褒美として王妃もベオウルフに譲ることを意味していました。
王は寝床に王妃を誘いますが王妃は嫌がります。
それを見たベオウルフは王妃にもう一曲、王妃が弾く琴の演奏を頼みます。
皆が引き取り、ベオウルフと軍団のみが館に残ります。
ベオウルフは皆に歌えと命令します。
うるさい歌声に激怒したグレンデルが再び館を襲います。
ベオウルフはグレンデルの腕をもぎ取り、グレンデルは退散します。
洞窟に逃げ帰ると、母親の竜が可哀想に、と迎えますがグレンデルは死にます。
母親の竜はベオウルフの名前をグレンデルからきき、復讐を誓います。
ベオウルフとフロースガール王らはグレンデルを退治して喜び、祝宴をあげます。
竜をかたどった黄金の宝がベオウルフに与えられました。
その夜、ベオウルフは王妃が自分を誘惑し息子を授けてくれと言う夢を見ます。
翌朝目覚めると、ベオウルフ以外血祭りにあげられていました。
フロースガール王はグレンデルの母親の仕業と言います。
【転】ベオウルフ/呪われし勇者 のあらすじ③
そこでベオウルフは、洞窟に母親退治に行きます。
洞窟は黄金でいっぱいでした。
母親は美しい人間の姿でベオウルフに息子を殺したから息子を授けてくれと言います。
そうすれば王位や財宝を約束すると言います。
ベオウルフは竜をかたどった黄金の宝を母親に渡します。
それを母親が持っている限り、約束は有効と母親は言います。
ベオウルフは誘惑に負けます。
ベオウルフはフロースガール王の元に帰り母親を殺したと嘘をつきます。
フロースガール王は実は自分も誘惑に負けて母親と交わり、グレンデルが生まれたので、ベオウルフの嘘を見抜きますが、その事は言わず、王位と国の全てをベオウルフに譲り、城の上から身を投げ死にます。
時が経ち、ベオウルフは年老いました。
国も様変わりし皆キリスト教に改宗しています。
ベオウルフと王妃の仲は冷え切り、ベオウルフは若い愛人と過ごしています。
ある日アンファースが竜をかたどった黄金の宝を見つけたと言い、ベオウルフに渡します。
その後巨大な黄金の竜が村を襲います。
竜はアンファースに伝言させます。
父親達の罪、竜はそう言っていました。
【結】ベオウルフ/呪われし勇者 のあらすじ④
ベオウルフは再び洞窟を訪れます。
そこには巨大な黄金の竜、すなわち母親とベオウルフの子供がいました。
竜は洞窟から飛び出て国を襲います。
王妃と若い愛人を狙います。
ベオウルフは竜の背中に鎖の繋がった杭を刺し、鎖を腕に絡ませて竜につかまり、首元にある心臓を刺そうとしますがあと少しとどきません。
王妃らが殺されそうなところを見て心を決めたベオウルフは、鎖の絡まった方の腕の鎖帷子に切り込み、腕を切断します。
鎖はしっかりと鎖帷子を装着している腕に巻きついているので、落ちません。
ベオウルフは竜の心臓を掴みとることに成功し竜とベオウルフは海辺に墜落します。
竜は人間の姿、すなわちベオウルフの息子の姿になり死にます。
ベオウルフは息子を殺したことに涙します。
ベオウルフは死に、ベオウルフの腹心ウィグラーフが王になります。
ベオウルフの葬儀の日、また母親が海に現れ、ベオウルフの遺体に口づけします。
母親は新たな王を誘惑します。
ベオウルフ/呪われし勇者 を観た感想
ベオウルフは皆から尊敬される英雄ですが、その英雄としての伝説の裏にある、人に知られてはならない秘密と、その秘密が明るみに出たらどうしようと怖れながら生きること、そしてそれが暴かれた時、英雄ではなく、一人の弱い人間が残ると言う悲しさが伝わってきました。
ベオウルフは秘密が暴かれた後、王妃に「英雄ではなく、一人の弱い男を憶えていてくれ」と言い残します。
そして自分の弱さがもたらした災いと対峙し、愛する者を守って死にます。
結局、ベオウルフは英雄として立派な最期を遂げます。
英雄ベオウルフの最期、素晴らしかったです。
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