映画「フォレスト・ガンプ 一期一会」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ロバート・ゼメキス

映画「フォレスト・ガンプ 一期一会」

監督:ロバート・ゼメキス アメリカ公開1994年にパラマウント映画から配給

フォレスト・ガンプ 一期一会の主要登場人物

フォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)
本作の主人公。知能障害があると診断されるものの、純粋で善良な心を持っています。走ること・卓球など、様々な特技があります。

ジェニー(ロビン・ライト)
フォレストの幼馴染。のけ者にされていたフォレストに、小学校のスクールバスで「ここ(隣)に座ってもいいよ」と言い、以来生涯を通じての友人・恋人に。

ミセス・ガンプ(サリー・フィールド)
しっかり者のフォレストの母親。一心にフォレストを愛し、女手ひとつで育て上げます。

ダン中尉(ゲイリー・シニーズ)
フォレストが軍に入り、ベトナムへ出征した時の直属の上官。

バッバ(ミケルティ・ウィリアムソン)
フォレストが軍隊に入った際、やはりそこでものけ者にされかけたフォレストに、バスで「ここ(隣)に座ってもいい」と声をかけ、無二の親友になります。

フォレスト・ガンプ 一期一会 の簡単なあらすじ

トム・ハンクス主演の名作映画。

知能障害があるものの、純粋な心を持ち、様々な特技を持つ男性が、数奇な巡り合わせからアメリカ現代史における歴史的な事件・出来事に意図せずに関わっていく物語です。

どこまでも純粋で善良なフォレストの一方で悲しい人生を送る幼馴染・ジェニーとのラブストーリーやダン中尉・バッバをはじめとする個性的な人々との出逢いを通して、様々な角度から人生や運命の不思議さ・複雑さが描かれています。

フォレスト・ガンプ 一期一会 の起承転結

【起】フォレスト・ガンプ 一期一会 のあらすじ①

フォレスト、走って!

幼いフォレストはIQが「通常の人よりも僅かに低い」と診断され、地元の小学校への入学を断られてしまいました。

「養護学校へ通っては」と勧められたものの、フォレストの母・ミセス・ガンプはどうしてもフォレストを通常の学校に入れて教育を受けさせたいと考えていました。

何とか入学はできたものの、初日からスクール・バスでのけ者にされ、誰もが「ここへは座るな!」とフォレストに席を空けてはくれません。

そこへたった一人、「ここへ座ってもいいよ」と隣の席を空けて声をかけてくれたのがジェニーで、彼女はそれ以来フォレストにとって「生涯の恋人」になりました。

彼らはそれ以来毎日を一緒に遊んで過ごすようになりました。

ジェニーはいつまでも家に帰りたがらず、「もう少し一緒にいて」と頼むことがありましたが、フォレストにはその理由はよく分かりませんでした。

ジェニーは実は父親に性的虐待を受けており、数年後ようやくそれが発覚し、祖母にひきとられることになりました。

高校生になっても、ジェニー以外からは「バカ」呼ばわりされ、地元の不良少年にしょっちゅう苛められていました。

幼少のフォレストは知能障害の他に足が不自由で、いつも歩行補助器具をつけて歩いていましたが、ある日不良少年たちに車で追い回され、フォレストは夢中で逃げます。

ジェニーの「走って、フォレスト、走って!」という声であわや車に轢かれそうになるところを猛然と走り出し、補助器具は外れ、それ以来フォレストは才能を目覚めさせます。

彼は誰も追いつけないほど速く、長く走れるようになったのでした。

【承】フォレスト・ガンプ 一期一会 のあらすじ②

全米代表選手に、ホワイトハウスに招かれる

走ることの才能に目覚めたフォレストは高校フットボールの監督の目に留まります。

「何も考えず、走れと言われたら走れ!」と言われ、言われた通りにしたフォレストはなんとアメフトの試合で大活躍。

そのままスター選手になり、本人も母親も夢のまた夢だと思っていた大学へフットボール入学を果たしました。

自分が賢くないということがコンプレックスであったフォレストは大喜び。

フォレストが大学へ入学したのは60年代、アメリカ全土で盛んになっていた黒人運動・黒人の大学入学問題を間近で目撃したりもします。

フォレストは大学でもアメフトの試合で走り続け、そのまま全米代表選手に選ばれるまでになります。

全米代表選手の一員として、フォレストはなんとホワイトハウスへ招かれ、時の大統領ケネディと対面を果たします。

大統領に「今の気持ちは?」と聞かれ「トイレに行きたい」と答え会場を沸かせたフォレスト。

これ以来フォレストはその人生で幾度もアメリカ大統領と対面することになるのでした。

【転】フォレスト・ガンプ 一期一会 のあらすじ③

ジェニーとの別れ、ベトナム戦争、バッバとダン中尉

まさか自分が大学を卒業できるとは、と大学卒業式に感慨に浸っているフォレストに声をかけてきたのはアメリカ軍関係者でした。

そのまま「他にやることもない」という理由で入隊を決めたフォレストは、「何も考えず言われたことをそのままやる」という資質が軍隊にぴったりと合い、上官に気に入られます。

ベトナム戦争が本格化し、フォレストもベトナムに送られることになりました。

一方大学を辞めてしまったジェニーの状況はどんどんと落ちぶれていき、荒んだ生活を送るようになっていました。

フォレストに好きだと言われても「あなたには愛が何か分からないでしょ」と答えます。

「でもベトナムでは、絶対に勇敢に戦ったりしないで、危なかったら走って逃げて」と約束をさせました。

軍で親友となったバッバと共にベトナムへ出兵。

しかし数か月の行軍の後に上空から一斉掃射され、バッバは亡くなってしまいます。

その際にフォレストは味方の隊員たちと上官のダン中尉を担いで走り、幾人もの生命を救いました。

名誉勲章を貰ったもののダン中尉からは「俺は戦場で部下たちと死ぬはずだった、それが運命だったんだ!」と激怒されます。

ダン中尉は両足を失くしてしまい生きること、人生に絶望します。

【結】フォレスト・ガンプ 一期一会 のあらすじ④

反戦運動、エビ漁船、神様と仲直り、フォレストJr

それからもフォレストは軍の病院でたまたまはじめた卓球に熱中し、そのまま全米卓球チームの一員となり、当時アメリカと国交が危うかった中国へ試合へ行くまでになります。

またまたアメリカ大統領に面会することにもなります。

ベトナムから帰国したフォレストを待ち受けていたのは全米で加熱するベトナム反戦運動と、運動に身を投じていたジェニーとの再会でした。

バッバとの約束であったエビ漁をするためにバッバの生家に行き、卓球のスポンサーから貰ったお金で漁船を買います。

両足を失い、失意の中でさ迷っていたダン中尉とも再会し、一緒にエビ漁をやることに。

ある時死を覚悟する大嵐がやって来て、しかし何とか助かります。

生き残って迎えたその朝、戦場で死ぬ運命をフォレストに邪魔されたと思い、人生を呪っていたダン中尉が「神様と仲直りをした」とフォレストは思いました。

それ以来エビ漁は大漁につぐ大漁続きで一挙に儲かることに。

会社を設立し、とんとん拍子に事業は成功し、フォレストと中尉は一躍億万長者に。

最愛の母親との死別も経験します。

この頃ジェニーとも再度再会しますが、またすぐに別れることになります。

まだ無名のアップルの株を買ったり、アメリカ全土をひたすらに数年間走って「平和のために走る男」として全米の有名人になります。

ある時ジェニーから手紙が来て、再会し、自分に息子がいることが判明します。

「長い間私はどうかしていた。

今まであなたにしてきたことの全てを許してほしい」とジェニーに言われ、二人は結婚式を挙げることになりました。

長い間の荒れた生活が祟ったのか、ジェニーは不治の病になっており亡くなってしまいます。

フォレストは息子と一緒にアラバマで暮らし、彼がとても「賢い」ことに喜び、平和に暮らします。

ラストシーンで、フォレストは自分の息子のフォレストJrが小学校のバスに乗るのを見届けます。

フォレスト・ガンプ 一期一会 を観た感想

フォレストが軍隊で出会うダン中尉は先祖代々軍人の家系で、「アメリカの歴史上のどの戦争にも参加し、そこで死んできた」というほど、生まれついての生粋の軍人でした。

本人にとっては「戦場で部下と一緒に死ぬのが自分の運命だった」はずなのに、フォレストに救われたことでその信念は大きく動揺します。

ダン中尉にとってはそれが死よりも辛い経験と思われるほどで「人間は運命が決まっている」と幾度も主張します。

人生は「すべて運命で決まっている」のか、それとも「ぼくたちは風にのってさ迷っているだけ」なのか、という問いが物語のテーマになっています。

運命に導かれているとしか思えないとも言えるし、しかし偶然につぐ偶然によるものなのかとも判断のつかない、フォレストが辿る数奇な出来事や彼に起こる面白おかしい成功譚の数々。

フォレストは最後にジェニーに「きっと両方が同時に起こっているんだと思う」と言いますが、この映画を見た後では、あなたも自分なりに深く考えたくなるでしょう。

フォレストの母親のセリフやバッバの最期の言葉など、忘れられない名言も数々登場するので、有名なものからそうでないものまで、自分なりのお気に入りを探すのも楽しいかもしれません。

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