映画「パラサイト 半地下の家族」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ポン・ジュノ

映画パラサイト半地下の家族

監督:ポン・ジュノ 日本公開2020年1月10日に日本配給ビターズ・エンドから配給

パラサイト 半地下の家族の主要登場人物

キム・ギウ(チェ・ウシク)
キム家の長男。機転の利く性格で、ギジョンを筆頭にキム家を次々パク家に侵入させる。

キム・ギジョン(パク・ソダム)
美大生を目指す浪人生で口が悪い。兄に似て要領が要領が良く、入学証明を完璧に偽造するなど、デザインの能力も高い。

キム・ギテク(ソン・ガンホ)
大黒柱でありながら職種を転々としており、楽観的な性格に見えるが、低所得者ということを気にしている。

パラサイト 半地下の家族 の簡単なあらすじ

半地下のアパートに住むキム家の長男・ギウは、友人からの誘いで家庭教師の代行としてパク家を訪れます。

その後、ギウだけに留まらず妹のギジョン、父親のギテク、母親のチュンスクまで、それぞれ家庭教師や家政婦などの職種でパク家に侵入し寄生し始めますが、あることがきっかけでこの「貧困からの脱出計画」に狂いが生じます。

パラサイト 半地下の家族 の起承転結

【起】パラサイト 半地下の家族 のあらすじ①

キム家の環境

低所得者が集う半地下のアパートに住むキム一家4人は、ピザデリバリーの宅配箱を組み立てる内職で食いつなぐほど貧しい家庭です。

住宅内には便所コオロギが頻繁に出没したり、ネット環境も整っていないため、近隣住宅のWi-Fiの電波をこっそり拝借するようなギリギリの生活でしたが、ある日、一家の息子ギウの友人・ミニョクが金運上昇祈願が込められた山水景石を持参し、キム家に訪れます。

ミニョクは、名門大学に通う傍ら家庭教師のアルバイトをしており、訪問先のパク家の娘・ダへがお気に入りです。

しかし、留学でしばらくダへと会えないことから、ギウに自身の代理に家庭教師をやらないかと提案します。

ギウは大学入試に何度も失敗していましたが頭の回転が良く、他の友人よりも安心してダへを任せられることで、ミニョクは彼にお願いします。

最初は乗り気でなかったギウでしたが、ミニョクのお願いを引き受け、妹のギジョンに大学入学証明を偽装してもらい、パク家に来訪します。

【承】パラサイト 半地下の家族 のあらすじ②

侵食されるパク家

パク家は、高級住宅街に居を構える富裕層で、キム家とは住む世界があまりにも違います。

キム家に到着したギウは、家政婦のムングァンの案内により、パク家の夫人・ヨンギョと対面します。

ヨンギョは、ギウがダへの家庭教師として適任かどうか判断するため、その日一日の授業に一緒に参加すると言い出しましたが、物怖じしない堂々とした態度でダへを指導し、ギウはヨンギョから認められます。

帰り間際、ヨンギョからダへの弟・ダソンの絵の家庭教師を探していると話を聞き、頭の回転の良いギウはあることを思いつきます。

妹のヨンギョを、大学の後輩という体でダソンの家庭教師として付け、パク家から搾取しようと画策したのです。

ギジョンはパク家来訪の際にはジェシカという偽名を使い、あたかも帰国子女のような振る舞いでヨンギョからの信頼を得ました。

ヨンギョは、パク家専属の運転士に車で駅に送られ際に後部座席付近に自身のパンティーを仕込み、パク家の主人・ドンイクに運転士が日頃から送迎用の車の中でカーセックスを常習していると思い込ませるトラップを仕掛けます。

巨大IT企業の創業者で、世間でも名が知れ渡っているドンイクは、世間体を気にするあまり運転士を解雇しますが、これこそがギジョンがトラップを仕掛けた理由でした。

新たな運転士として、パク家の大黒柱・ギテクを据えるためです。

家政婦のムングァンが桃アレルギーであることを知ったキム家は共謀し、桃の表皮の粉末を彼女に気付かれないように浴びせ、それによって引き起こされた発作を結核だと偽りパク家を不安に陥れ、解雇させ空いた席に母親のチュンスクを据えます。

遂にキム家一同はパク家に侵入することに成功し、内職で食いつないでいた頃とは違う現状に完全に有頂天でしたが、そんな優雅な生活も徐々に崩壊し始めます。

【転】パラサイト 半地下の家族 のあらすじ③

窮地に追い込まれたキム家

ダソンの誕生日にパク家は一家揃ってキャンプに出掛けますが、その日の晩にかつての家政婦・ムングァンが忘れ物を取りに来たとパク邸を訪れます。

それまで、リビングでドンチャン騒ぎを繰り広げていたキム家に緊張感が走りますが、ムングァンの言う通りにし、彼女を中に招き入れます。

しかし、忘れ物があるという地下から、いつまで経っても戻ってこないムングァンの様子を見に行ったチュンスクは、そこで驚愕の事実を目の当たりにします。

何と、パク邸の地下には、パク家すら知らない隠し扉が存在し、ムングァンは借金からの取り立てなどで後がない夫のグンセをパク家にも内緒で匿っていたのでした。

それを発見したチュンスクは、警察に通報しようとしますが、隠れて様子を窺っていたキム家の存在がバレ、逆にムングァン達に弱味を握られてしまいます。

ムングァンは、家政婦として勤めていた時から、ギウが家庭教師として招かれて以来、次々とパク家に雇われている人々が入れ替わるため不振に思っていたようでしたが、家族ぐるみの犯行だと確信したムングァンは、キム家をスマホの写メで撮影し、コトを荒立てるとパク家にバラすと脅します。

キム家は一丸となり隙をついてムングァン達に反撃しますが、一通の電話が鳴り響き、場が凍ります。

大雨でキャンプが中心になったため、パク家が間もなく帰宅すると言うのです。

パク家は、ムングァン達を地下に押し込み、チュンスク以外の全員は隠れ、何事もなかったように振る舞います。

パク家一同が眠りにつき、何とか脱出に成功したギウ達でしたが、自宅は大雨で浸水しており、結局その日は避難所の体育館で夜を過ごします。

【結】パラサイト 半地下の家族 のあらすじ④

騒動後のキム家と新たな計画

翌日、雨も上がりダソン誕生日パーティーを計画したパク一家は、ギウとギジョンもパーティーに招待します。

チュンスクとギテクも、それぞれ家政婦・運転士としてパーティーに加わりますが、昨夜のこともあり平静を装いつつも内心穏やかではありません。

パーティーの買い出しに出掛けた際も、ヨンギョのセレブらしい豪華な買い物っぷりや、「昨夜の大雨のお陰で今日は晴天で、パーティー日和。

」といった会話を聞き、ギテクは次第に苛立ちを募らせていくのでした。

一方、ギウは山水景石を持ち、ムングァン達を殺そうとパク邸地下へ侵入しますが、逆にグンセから返り討ちにされます。

外へと出たグンセは、パーティー会場に溢れ変える人を掻き分け、ギジョンの胸を包丁で突き、混沌となった会場でチュンスクと乱闘に発展します。

ドンイクは、その際に気絶したダソンを連れて車で避難するため、「キーをよこせ。

」とギテクに声を荒げ、キーをドンイクに向かって投げますが、揉みくちゃになっているグンセとチュンスクの下敷きになってしまいます。

チュンスクがグンセを肉串で刺し殺し、ドンイクがグンセの下敷きになったキーを取り上げる際、グンセの体臭に顔をしかめたドンイクの表情を見た途端、ギテクは突発的にドンイクを包丁で殺害してしまいます。

その事件をきっかけに、キム家は身分偽装や住居侵入などの罪で逮捕されますが、ギジョンは死亡し、ギテクは逃亡し警察に追われる身になりました。

グンセに殺されそうになったギウでしたが、何とか一命を取り留め、チュンスク同様刑に執行猶予が付いたため、刑務所に収監されることはありませんでした。

ギウは、今では外国人が住むかつてのパク邸地下に、ギテクが潜んでいることを知り、お金を稼ぎその住宅を購入したすることで、父親を救う計画を立て、幕を閉じます。

パラサイト 半地下の家族 を観た感想

富裕層と貧困層の、階級社会に対する警鐘が込められた作品ですが、コメディとスリラー要素が程よく調和された内容です。

今や万国共通の問題である格差社会を、娯楽性のあるシナリオで問題提起しており、その完成度の高さは重苦しさを感じさせない仕上がりになっています。

最初はバカバカしさのあるコメディ要素が散りばめられた展開が進みますが、後半からスリラーな展開で転調し、家族愛も含めて二転三転する展開は、観るものを飽きさせず、ストーリーに釘付けにします。

ユルい展開とシリアスのアップダウンの激しい展開で予想を裏切り、演技力の高さも相まって最後まで集中して観賞出来ました。

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